財産事件の種類と罰則|財産犯について詳しく解説
- (更新:2024年09月24日)
- 犯罪・刑事事件
1. 財産事件の種類と罰則
主要な暴力事件の種類と罰則について説明します。
(1)詐欺
詐欺とは、人を欺いて錯誤に陥らせ、これにより財物や財産上の利益を交付させる犯罪です。近年は、詐欺の手口が複雑化しており、組織的に行われる特殊詐欺事件なども増えています。
詐欺罪に該当する場合には、10年以下の懲役に処せられます。
(2)窃盗・万引き
窃盗とは、他人の財物を窃取する犯罪です。お店から商品を盗むことを一般的に「万引き」といいますが、万引きという犯罪があるわけではなく、万引きも窃盗罪の一種です。
窃盗罪に該当する場合には、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
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(3)強盗
強盗とは、暴行または脅迫を用いて、他人の財物を強取、または財産上の利益を得る犯罪です。強盗の過程で被害者にけがをさせた場合や、殺してしまった場合には、より重い強盗致傷罪や強盗致死罪が適用されます。
強盗罪に該当する場合には、5年以上の懲役に処せられます。
(4)横領、背任
横領とは、自己の占有する他人の財物を不法に領得する犯罪です。たとえば、経理を担当する従業員が会社のお金を使いこんでしまうことが典型的なケースです。
横領罪に該当する場合には、5年以下の懲役に処せられます。また、業務として占有しているものを横領した場合には業務上横領罪が成立し、10年以下の懲役に処せられます。
背任とは、他人のために事務処理を任された人が任務に背いて財産上の損害を与える犯罪です。たとえば、融資を担当する従業員が親族などへの便宜を図り、本来は認められない無担保での融資を行うことが典型的なケースです。
背任罪に該当する場合には、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
(5)商標法違反
商標法違反とは、他人の商標権を侵害する犯罪です。ブランドのロゴなどを商標登録することで、商標権者には独占的な利用権が認められます。商標権者以外の人が無断で登録されている商標を利用すると商標法違反になります。
商標法違反の罰則は、具体的な行為によって異なりますが、基本的には10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこれらが併科されます。
2. 財産事件でよくある質問
(1)財産事件は全額返金すれば実刑にならない?
財産事件では、被害者に生じた財産的損害をすべて回復することで実刑を回避できる可能性があります。
しかし、強盗罪など被害者に財産的損害以外の被害が生じている犯罪では、奪ったお金を全額返金したとしても、すべての被害が回復されたとはいえません。そのため、全額返金したとしても実刑になる可能性はあります。
また、特殊詐欺などの社会的関心の高い事件は、厳罰化の傾向がありますので、被害弁償したとしても実刑になる可能性があります。
(2)会社のお金を横領してしまった場合、懲戒解雇や退職金の不支給はある?
会社の就業規則で横領などの犯罪行為が懲戒事由として規定されている場合には、会社から懲戒解雇を受ける可能性があります。懲戒解雇の有効性は、被害金額や被害弁償の有無などを総合的に考慮して判断しますが、横領事案では、重大な非違行為として懲戒解雇が有効と判断されやすいでしょう。
また、懲戒解雇となった場合には、退職金が不支給になる可能性もありますが、全額を不支給にできるのは、永年の勤続の功を抹消するほど重大な違反があった場合に限られます。
3. 財産事件で弁護士が行う弁護活動
財産事件で弁護士を依頼すると以下の弁護活動を行ってくれます。
(1)逮捕直後から接見でき、取り調べ段階からアドバイスしてもらえる
財産事件で逮捕されてしまうと、逮捕中は、弁護士以外の人とは一切面会できません。逮捕中も捜査官から厳しい取り調べを受けることになりますので、取り調べに適切に対応するには弁護士のアドバイスが不可欠です。
弁護士であれば、逮捕された後すぐに接見し、アドバイスを行えますので、早めに弁護士に相談することが大切です。
(2)被害弁償をして示談を働きかけることをサポートしてくれる
財産事件では、示談により被害者に生じた財産的損害を回復することで不起訴処分の獲得や実刑を回避できる可能性が高くなります。
弁護士が示談交渉をすることで、被害者が加害者からの接触を拒否しているケースでも示談に応じてもらえる可能性がありますので、まずは弁護士にご相談ください。
(3)否認事件の場合、証拠がある場合にはその保全と収集をしてもらえる
財産事件の被疑者として疑われている場合、身の潔白を証明するためには、無実である証拠を集める必要があります。しかし、被疑者として逮捕・勾留されている状態では、満足に証拠収集を行えず、そのまま有罪になってしまうリスクが高くなります。
否認事件では、無罪の立証に向けた証拠の保全・収集などの弁護活動が不可欠ですので、早めに弁護士にご相談ください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年09月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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