身柄事件とは|逮捕後の流れと弁護士に相談するメリットを解説
- 犯罪・刑事事件

被疑者が逮捕・勾留により身柄拘束される刑事事件を「身柄事件」といいます。
1. 身柄事件とは
「身柄事件」とは、被疑者が逮捕・勾留により身柄拘束される刑事事件をいいます。これに対して、被疑者の身柄が拘束されず、在宅の状態で捜査が行われる刑事事件は「在宅事件」といいます。
身柄事件の場合、被疑者は拘置所などに身柄を拘束されます。身柄拘束中は仕事や学校に行けなくなり、家族や知人とも自由に交流することができません。
逮捕から勾留に切り替わったあとは原則として面会が認められますが、弁護士以外の者による面会は時間などが制限されます。また、接見禁止処分が行われた場合は、弁護士以外の者による面会は認められません。
一方で、身柄事件の被疑者は在宅事件と異なり、起訴されていない段階から国選弁護人の選任を請求できる場合があります(刑事訴訟法第37条の2~第37条の4)。
2. 身柄事件の逮捕後の流れ
身柄事件で逮捕された被疑者については、以下の流れで刑事手続きが進行します。
(1)警察官・検察官による取り調べ
逮捕されている被疑者に対しては、警察官および検察官による取り調べが行われます。取り調べの目的は、事件の事実関係について被疑者の供述をとり、刑事裁判で証拠として用いることです。
被疑者には黙秘権が認められており、取り調べに答えたくなければ答えなくて構いません。また、答えたいことだけに答え、それ以外は黙っていることもできます。弁護士のアドバイスを受けて、取り調べにおいて答えるべきこととそうでないことを取捨選択しましょう。
(2)勾留による身柄拘束の延長
逮捕の期間は、最長72時間とされています(刑事訴訟法第205条第2項)。
検察官は、被疑者による罪証隠滅と逃亡を防止するため、逮捕期間の経過後も引き続き被疑者の身柄を留置すべきと判断した場合は、裁判官に対して勾留請求を行います。裁判官は、勾留の要件と必要性が認められると判断すれば、勾留状を発します。
勾留状が発せられると、逮捕から勾留に移行して、引き続き被疑者の身柄は拘束されます。勾留期間は当初10日間まで、延長により最長20日間までです(同法第208条)。
(3)起訴・不起訴
勾留期間が満了するまでの間に、検察官は被疑者を起訴するか、それとも不起訴とするかを判断します。
犯罪事実の立証が可能であり、かつ被疑者に刑罰を科す必要があると判断した場合、検察官は被疑者を起訴します。起訴された被疑者は引き続き身柄を拘束され、その状態で刑事裁判の準備をすることになります。ただし、起訴後は保釈が認められる場合もあります。
これに対して、犯罪事実の立証が困難であるか、または被疑者に刑罰を科す必要がないと判断した場合には、検察官は被疑者を不起訴とします。不起訴となった場合、被疑者の身柄は直ちに釈放されます。
(4)刑事裁判
起訴された被告人に対して刑罰を科す手続きには、通常の刑事裁判(正式裁判)と略式手続きの2種類があります。
①通常の刑事裁判(正式裁判)
有罪・無罪および量刑の審理が、裁判所の公開法廷で行われます。
②略式手続き
簡易裁判所が、簡略化された手続きによって書面審理のみを行います。100万円以下の罰金または科料を科す場合であって、かつ被疑者に異議がないことが必要です。
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3. 身柄事件について弁護士に相談するメリット
家族が犯罪の疑いで逮捕されてしまったら、弁護士への相談をおすすめします。罪を認める場合・認めない場合のいずれについても、被疑者を不当な刑罰から守るために誠心誠意サポートしてくれます。
(1)罪を認める場合に弁護士ができるサポート
罪を認める場合には、被害者との示談成立に尽力し、反省や謝罪の状況を検察官や裁判官に対して伝えるなど、寛大な処分をしてもらえるように弁護活動を行います。
不起訴処分や執行猶予付き判決などを目指すには、弁護士の情状弁護によるサポートが欠かせません。
(2)罪を認めない場合に弁護士ができるサポート
罪を認めない場合には、黙秘をはじめとする取り調べ中の対応についてアドバイスするとともに、刑事裁判での検察官立証に対して徹底的に反論します。
検察官から厳しく糾弾される被疑者・被告人の味方として、心情面にも配慮して寄り添いながら、真実に沿った適正な判決が得られるようにサポートしてくれます。
- こちらに掲載されている情報は、2024年01月25日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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