前科をつけたくない! 逮捕されても不起訴にするには?
- 犯罪・刑事事件
1. 不起訴なら逮捕されても前科が付かない
警察に逮捕されたとしても、その後不起訴処分となれば、前科が付くことはありません。
(1)起訴・不起訴とは
「起訴」とは、検察官が裁判所に対して、刑罰を科すための審理を求めることです。起訴された被疑者は「被告人」として、刑事裁判の審理を受けることになります。
これに対して、検察官が被疑者への科刑を求めないことを決定し、刑事手続きを終了させることを「不起訴」といいます。
(2)不起訴処分の種類
不起訴処分には、以下の3種類があります。
①嫌疑なし
真犯人が別にいたなど、被疑者が罪を犯していないことが明らかな場合には、嫌疑なしとして不起訴となります。
②嫌疑不十分
被疑者が罪を犯した疑いは払拭(ふっしょく)されないものの、罪を犯したことの立証に足る証拠がそろっていない場合は、嫌疑不十分として不起訴となります。
③起訴猶予
被疑者が罪を犯したことは確実であるものの、犯罪の性質や更生の可能性などを考慮して、社会における更生を促した方がよいと検察官が判断した場合は、起訴猶予として不起訴となることがあります。
(3)前科とは
不起訴となることの大きなメリットは、その事件について刑罰を科されることがなくなるほか、前科も付かない点です。
「前科」は法律上定義されていませんが、一般的には有罪の確定判決を受けた経歴を意味します。前科が付くと、再犯時の量刑が加重される、就職活動に悪影響が及ぶなどの不利益が生じることがあります。
不起訴となれば、そもそも刑罰を受けることがありません。したがって、前科が付くことも回避できます。
2. 不起訴の可能性を高める方法
不起訴の可能性を高めるためには、以下の方法が考えられます。
①被害者と示談をして被害弁償を行う
被害者との間で示談の合意をして被害弁償を行えば、起訴の必要性がなくなったと検察官が判断して、不起訴となる可能性が高まります。
②反省や謝罪の意を文書で表す
比較的軽微な犯罪であれば、反省や謝罪の意を記した文書を検察官に提出すれば、十分な更生の意思が見られると判断されて、不起訴となる可能性が高まります。
③冤罪(えんざい)であれば否認・黙秘を続ける
自分は罪を犯していないという確信があれば、取り調べに対して否認または黙秘を続けましょう。捜査機関側が犯罪の証拠を確保できず、嫌疑不十分で不起訴となる可能性が高まります。
④親告罪の告訴を取り消してもらう
被害者などの告訴がなければ被疑者を起訴できない犯罪を「親告罪」といいます。親告罪の代表例は、名誉毀損(きそん)罪・侮辱罪・器物損壊罪などです。
親告罪については、被害者などが告訴を取り消せば不起訴となります。示談金の支払いなどと引き換えに、告訴を取り消してもらえないかどうか交渉しましょう。
3. 不起訴処分を得るには、弁護士への相談が重要
不起訴処分によって早期に刑事手続きから解放されるためには、弁護士のサポートが必要不可欠です。
弁護士は、被害者との示談交渉や検察官とのやり取りを代行し、不起訴に向けた弁護活動を幅広く行います。被疑者の良い情状を示す事情を検察官にアピールし、1日も早く刑事手続きから被疑者を解放できるように尽力します。
ご自身やご家族が犯罪の疑いで捜査の対象になったら、お早めに弁護士までご相談ください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年01月25日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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