弁護士とは|役割と業務内容、弁護士にできること
1. 弁護士とは
弁護士とは、紛争(トラブル)の解決や予防などを取り扱う法律の専門家です。弁護士になるには、司法試験に合格して司法修習を終える必要があります。
弁護士は「法律事務所」を構えて、個人・法人を問わず、幅広いクライアントの法律相談に応じています。
2. 弁護士の使命・役割と業務内容
弁護士の使命・役割と、主な業務内容を解説します。
(1)弁護士の使命・役割
弁護士の使命は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することです(弁護士法第1条第1項)。この使命に基づき、弁護士は誠実にその職務を行い、社会秩序の維持および法律制度の改善に努力しなければならないとされています(同条第2項)。
弁護士は、主に依頼者のサポートを通じて上記の使命を果たします。具体的には、依頼者が悩んでいる法律トラブルを解決に導いたり、将来的に懸念されるトラブルの予防策を講じたりすることが、弁護士の役割です。
弁護士が取り扱う事件の多くは、「民事事件」または「刑事事件」に分類されます。
①民事事件
個人間、個人・法人間、または法人間の契約やトラブルなどを内容とする事件です。弁護士は当事者の代理人として、契約交渉のサポートや訴訟対応などを行います。
②刑事事件
犯罪を疑われる被疑者・被告人に対する刑事処分が問題となる事件です。弁護士は被疑者・被告人の代理人として弁護活動を行います。
(2)弁護士の業務内容
弁護士は依頼者をサポートするために、多岐にわたる業務を行います。
たとえば法律事務所のオフィスでは、弁護士が依頼者の相談を受けたり、受任した案件に関するリサーチ・検討や書類の作成などを行ったりしています。
また、裁判所に出張して調停や訴訟などの法的手続きに対応することも、弁護士の重要な役割です。さらにトラブルの内容によっては、依頼者に代わって相手方との交渉を弁護士が行うこともあります。
3. 弁護士にできること
弁護士は依頼者が抱えているトラブルや悩みの内容に応じて、オーダーメードに法的なサポートを行います。
以下に挙げるのは、分野ごとの弁護士による主なサポート内容の一例です。
①離婚・男女問題
- 離婚協議、離婚調停、離婚訴訟の代理(離婚条件の交渉などを含む)
- 不貞行為の慰謝料請求
など
②犯罪・刑事事件
- 不起訴に向けた弁護活動(被害者との示談交渉などを含む)
- 公判手続き(刑事裁判)における弁護
など
③借金・債務整理
- 任意整理、私的整理(債権者との減額、猶予などの交渉)
- 法的整理(破産、民事再生、会社更生)
など
④労働問題
- 未払い残業代請求
- 不当解雇
- ハラスメント
など
※労働者側・使用者側のいずれでも対応可能
⑤交通事故
- 損害賠償請求
- 後遺障害等級認定の申請
など
⑥相続問題
- 遺産分割
- 遺留分侵害額請求
- 遺言書の作成
- 相続放棄
など
上記のほか、法律相談へのアドバイスや調停・訴訟・強制執行といった法的手続きへの対応などは、分野を問わず弁護士にご依頼可能です。
なお、法律に関する業務を取り扱う専門家としては、弁護士以外にも司法書士や行政書士などがあります。司法書士は主に登記手続きを、行政書士は法律文書や官公庁に提出する書類の作成などを取り扱っています。
弁護士が他の専門家と大きく異なるのは、トラブルの解決を取り扱うことができる点です。他の専門家は原則としてトラブルの解決を取り扱えませんが、弁護士は法律に関する事案であれば制限なく取り扱えます。法律トラブルにお悩みの方は、弁護士にご相談ください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年02月22日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。