
- (更新:2024年12月05日)
- 交通事故
追突事故の被害者が請求できる慰謝料は? 適正額を請求する方法も解説
数ある交通事故の中でも、追突事故は発生件数の多い事故類型です。停車中に突然後方から追突され、ケガを負ってしまった方も多くいらっしゃるでしょう。
追突事故の被害者は加害者に対して、慰謝料を含む損害賠償を求めることができます。今回は、自動車追突事故の被害者の方に向けて、慰謝料の種類や基準、請求方法など、知っておくべきポイントを見ていきましょう。
1. 追突事故の被害者がまずするべきこと
追突事故の被害に遭ったら、以下の3つの行動に着手しましょう。
(1)追突事故直後に警察に通報
警察へも必ず通報しましょう。まれに、加害者が警察に通報しないように頼んでくることがありますが耳を貸す必要はありません。警察に通報をして交通事故証明書を取得できなければ、ケガについての賠償金が受け取れない可能性があります。当日通報できなかった場合は、後日警察に届け出ることも可能です。
(2)事故から数日以内に医療機関を受診
その場で痛みや違和感がない場合であっても、医療機関を受診しましょう。追突事故では無自覚のうちに頭部に衝撃が加わっていることが多く、事故から数日して症状が現れることもあります。
また、事故から時間が経過してから医療機関を受診した場合、事故とケガの因果関係が証明しにくくなってしまい、加害者からの賠償を受けられない可能性があります。
(3)加害者から示談を持ちかけられても応じない
追突事故の加害者がその場で示談を求めてくることがあるかもしれませんが、応じないでください。示談が成立すれば、後に症状がでてしまった場合に慰謝料などの賠償金を請求することが難しくなります。
2. 請求できる慰謝料の種類
そもそも慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償金のことです。追突されて、ケガをした場合に請求できる慰謝料は「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類です。
(1)入通院慰謝料
入通院慰謝料は、交通事故によってケガを負ってしまい、入通院が必要になった場合の精神的苦痛に対する賠償金です。入通院の期間や日数に応じて支払われます。
(2)後遺障害慰謝料
後遺障害とは、交通事故のケガが完治せず、痛みや傷など一定の症状が残存してしまうことをいいます。後遺障害が生じた場合、所定の手続きの上で後遺障害等級が認められれば、その等級に応じて精神的苦痛に対する慰謝料を請求することが可能です。
3. 慰謝料の計算方法と3つの基準
交通事故の慰謝料には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所基準」という3つの算定基準が存在します。
(1)自賠責保険基準
自賠責保険基準とは、強制保険である自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)で規定されている慰謝料算定基準です。
自賠責保険基準による入通院慰謝料は、以下の2つの数値を比較して低いほうに4300円をかけて算出します。
- 初診から治療終了までの入通院期間
- 実際に入通院した日数×2
これはあくまで最低限の補償額でしかないため、これだけでは十分な補償を受けることはできません。
(2)任意保険基準
任意保険基準とは、その名のとおり、任意保険会社が独自に設定する基準です。各保険会社が定めるため、基準や計算方法は明らかにされていません。一般的には、自賠責保険基準と同じくらいか多少高い程度です。
(3)裁判所基準
裁判所基準とは、過去の交通事故事件の裁判例を元に定められた基準です。自賠責保険基準や任意保険基準と比較して高額に設定されており、症状に応じて2~3倍以上になることもあります。弁護士が慰謝料を請求する場合には、裁判所基準を前提にするため、弁護士基準と呼ばれることもあります。
4. 適切な慰謝料を請求する方法
追突事故を起こされたら、まずはしっかりと病院へ通いましょう。入通院慰謝料は通院日数や通院期間がベースとなりますので、受診しないことには入通院慰謝料を受け取ることができません。
また、後遺障害慰謝料を受け取るには、基本的に後遺障害等級の認定を受ける必要があり、医師の診断書や検査内容だけでなく、通院頻度も重要となります。
被害者自身で任意保険会社と慰謝料の交渉をする場合、被害者が行う手続きはそれほど多くはありません。そのかわり、「慰謝料が低額になる可能性がある」「交渉の際に不快な思いをすることがある」といったデメリットがあります。
5. 適切な慰謝料を受け取るためには弁護士への依頼が得策
上述のとおり、追突事故で十分な慰謝料を受け取るためには、弁護士に依頼をして裁判所基準で慰謝料を算定してもらったほうがよいでしょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年12月05日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
お一人で悩まず、まずはご相談ください
交通事故に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?
関連コラム
-
- 2025年01月14日
- 交通事故
-
- 2024年12月18日
- 交通事故
-
- 2024年12月13日
- 交通事故