熟年離婚の準備は大丈夫? 後悔しないために知っておきたいこと

熟年離婚の準備は大丈夫? 後悔しないために知っておきたいこと

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

50代、60代の熟年になってから配偶者と離婚する場合、生活費などをどのように工面するかが大きな問題となります。離婚時に配偶者から適正額の支払いを受けることが、離婚後の生活を安定させるためのポイントです。

今回は、熟年離婚をするに当たって知っておくべきお金のことや、熟年離婚に向けて整えるべき準備などを解説します。

1. 「離婚とお金」について知っておくべきこと

離婚する際には、配偶者との間で離婚条件を取り決める必要があります。離婚後の生活を見据えて、特に以下の金銭についてはきちんと請求しましょう。

  • 財産分与
  • 年金分割
  • 慰謝料
  • 養育費

(1)財産分与

「財産分与」とは、夫婦の共有財産を公平に分ける手続きです(民法768条、771条)。婚姻中にいずれかが取得した財産の総額を、基本的には半分ずつに分けます。

もしご自身の収入が配偶者より少ない場合は、財産分与を受けられる可能性が高いです。

なお、退職金請求権についても、近い将来にもらえることが確実であれば財産分与の対象となります。

(2)年金分割

「年金分割」とは、婚姻期間中における厚生年金の加入記録を、離婚時に夫婦間で分割する手続きです。財産分与の一種に位置付けられます。

配偶者が会社員や公務員などの給与所得者で、ご自身が自営業・専業主婦(主夫)の場合、または配偶者よりも収入が少ない場合などには、年金分割を受けることで将来の年金収入を増やせる可能性があります。

なお年金分割には、夫婦の合意に基づいて行う「合意分割」と、国民年金の第3号被保険者の単独請求による「3号分割」の2種類があります。

(参考:「離婚時の厚生年金の分割(合意分割制度)」(日本年金機構))

(参考:「離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)」(日本年金機構))

国民年金の第3号被保険者に当たるのは、会社員や公務員などの配偶者に扶養されていた方です。このような方は、もし配偶者が年金分割に応じない場合でも、単独で3号分割を請求できることを覚えておきましょう。

(3)慰謝料

「慰謝料」とは、不法行為(民法709条)などによって被害者が受けた精神的な損害に対する賠償金です。離婚について配偶者に責任がある場合には、配偶者に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

(例)

  • 配偶者が不貞行為(不倫)をした場合
  • 配偶者からDVやモラハラを受けていた場合
  • 配偶者が正当な理由なく、勝手に別居した場合

など

離婚慰謝料の金額は、100万円から300万円程度となるケースが多く、配偶者の行為の悪質性などに応じて決まります。また、婚姻期間が長ければ長いほど、離婚慰謝料は高額となるケースが多いです。

(4)養育費

配偶者との間に子どもがいて、ご自身が子どもと同居する場合は、配偶者に対して養育費を請求可能です。

養育費の金額は、父母の収入バランスと子どもの人数・年齢に応じて決まります。具体的な金額を計算する方法はいくつかありますが、裁判所が公表している養育費算定表が幅広く用いられています。

(参考:「養育費・婚姻費用算定表」(裁判所))

2. 熟年離婚に向けて整えるべき準備

熟年離婚をするに当たっては、離婚後の生活についてめどを付けた上で、離婚手続きの進め方を検討する必要があります。

(1)別居・離婚後の住まいの確保

まずは、配偶者と別居(離婚)した後の住まいを確保する必要があります。

親族などを頼って身を寄せることも考えられますが、それが難しければ賃貸物件を探すことになります。仕事との兼ね合いや生活上の利便性と、家賃などの費用を総合的に考慮して、バランスの良い条件の物件を探しましょう。

(2)離婚後の生活費などの試算・工面

離婚後にどの程度生活費がかかるのかについても、あらかじめ試算しておくことをおすすめいたします。

<離婚後にかかる生活費など>

  • 家賃
  • 食費
  • 衣類購入費
  • 水道光熱費(電気、水道、ガスなど)
  • 交通費
  • 消耗品費(トイレットペーパーなど)

など

これらの費用を、ご自身の手取り収入で無理なく賄えるかどうかを確認しましょう。足が出るようであれば、生活費などの節約や、副業などによる収入増加を図る必要があります。

(3)離婚手続きの進め方を検討

スムーズに離婚を成立させるため、どのように離婚手続きを進めるかについても検討しておきましょう。

協議離婚を成立させるには、離婚の切り出し方も重要になります。配偶者の性格などを考慮して、どのような切り出し方がよいかを慎重に検討すべきでしょう。

また、離婚協議が決裂した場合に備えて、事前に弁護士へ相談しておくのが安心です。弁護士に相談すれば、離婚調停・離婚訴訟に発展した際にも、一貫してサポートを受けることができます。

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  • こちらに掲載されている情報は、2023年02月21日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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