別居しても離婚話が進まない! どうしたらいい?

別居しても離婚話が進まない! どうしたらいい?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

ご自身の離婚の決意は固いにもかかわらず、配偶者が離婚に反対している場合には、ひとまず別居して冷却期間をおくことも選択肢のひとつでしょう。

ところが別居しても、相手が離婚届へのサインをかたくなに拒否している場合には、協議離婚を成立させることは難しくなります。別居しても離婚話が進まないときには、どうすればよいのでしょうか?

1. 離婚話が進まないときには“離婚調停”で解決

別居しても離婚話が進まないのであれば、当事者同士で解決することは難しいといえます。そういったケースでは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることによって、解決できる可能性があります。

(1)離婚調停とは

離婚調停は、正式には「夫婦関係調整調停」といいます。離婚調停を申し立てると、夫婦がお互いに直接顔を合わせることなく、調停委員を介して話し合いを進めることができます。

調停では、離婚の成否だけでなく、親権者や面会交流などの子どもの問題や財産分与や慰謝料などのお金の問題についても話し合うことができます。

調停委員を介した夫婦の話し合いで合意できたときには、調停離婚が成立します。調停が成立した場合には、直ちに離婚の効力が生じます。調停離婚の成立後は、10日以内に役所に離婚届を提出する必要があります(戸籍法第77条1項、第63条1項)。

もっとも調停は、当事者である夫婦が納得して合意しなければ、成立しません。したがって離婚を拒否する配偶者が調停を欠席し続けたり、調停委員の説得やアドバイスにも耳を傾けずに離婚に合意しなかったりするときには、調停は不成立で終了します。

(2)離婚調停のために必要な準備は?

離婚調停期日には、裁判所から伝えられた持ち物を準備し、当日の交通手段を確認して、清潔感のある服装や身だしなみで、裁判所に時間に余裕をもって向かいます。

調停期日には、裁判所という慣れない場所で、普段接することはないであろう、裁判官や調停委員と話をするのですから、緊張して思うように話ができないことも十分に考えられます。しかし調停委員や裁判官に事実を正確に伝えて、分かってもらうことが解決に向けた大切な一歩になります。

そのため、事前に夫婦や家族の間で、いつどのような出来事が起こったのかを時系列に整理して、まとめて準備しておくと良いでしょう。

また事実を整理してまとめたメモのほかに、主張したいことなどもメモしておくと、緊張したときでも、事実を正確に伝えることにつながります。

2. 調停不成立なら離婚裁判で解決

離婚調停が不成立になった場合、通常は、離婚訴訟を提起して、最終的に判決による裁判離婚を目指すことになります。

(1)離婚裁判とは

離婚裁判は、当事者の一方が裁判所に対して訴えを提起し、離婚を認める旨の判決を求める手続きです。いきなり離婚裁判を起こすことはできず、必ず離婚調停を経た上でなければならないと決められています。

裁判では、民法上定められている離婚理由(法定離婚事由)があると判断された場合に、離婚を認める旨の判決が出されます。判決が確定した場合には、確定日から10日以内に役所に離婚届を提出する手続きが必要になります。

なお裁判手続きの中では、裁判所が当事者に和解による解決をうながすことがあります。当事者が和解に応じたときには、和解離婚が成立します。

(2)法定離婚事由

裁判離婚するためには、法定離婚事由に当てはまる離婚原因があることが必要です。法定離婚事由は、以下の5つです。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと
  5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由があること

上記1~4に当てはまる離婚原因がない場合でも、別居が長期間に及んでいるときには「5.その他婚姻を継続しがたい重大な事由があること」にあたる可能性があります。

どの程度が長期間といえるかは、それぞれケースの婚姻期間や事情によっても異なるので、確実に離婚できるか判断することは難しいのが現状です。しかし数年単位の期間は必要になると考えられます。詳しくは、弁護士に相談して判断することがおすすめです。

(3)離婚裁判のために必要な準備は?

離婚裁判では、法的根拠に基づいて主張・立証することが必要になり、一般の方がご自身だけで対応することは非常に難しくなります。

そのためほとんどのケースは、弁護士に依頼して進められています。口頭弁論期日に出席する場合などには、弁護士に相談の上で、その都度必要な準備をしておくと良いでしょう。

なお、別居中に「婚姻費用が支払われていない」などのお悩みがあるときには、離婚問題と併せて早期に弁護士に相談して対応することが大切です。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2021年11月05日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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