中小企業のM&Aを成功させるポイントや注意点を解説
  • 2021年04月05日
  • 企業法務

中小企業のM&Aを成功させるポイントや注意点を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

M&Aで他社を買収して企業価値を高めたい、会社売却によるイグジットを図りたい、後継者への事業承継をしたい……など、中小企業にとってのM&Aのニーズは常に存在しています。

この記事では、中小企業のM&Aを成功させるためのポイントや注意点について、法的な観点を踏まえて弁護士が解説します。

1. 中小企業がM&Aを行う際の一般的な進め方

中小企業がM&Aを行う場合、スキーム検討や契約交渉などにかなりの手間と時間をかける必要があります。

中小企業M&Aの大まかな進め方は、以下のとおりです。

(1)M&A仲介会社にスキームの相談をする

ひと口にM&Aと言っても、合併・会社分割・株式交換・株式移転・事業譲渡・株式譲渡など、さまざまなパターンのスキームが考えられます。

まずは、自社のニーズに合ったスキームが何かを選択したうえで、必要な手続きのフローを確認・把握しなければなりません。

比較的シンプルなM&Aであれば、M&A仲介会社に相談して、スキームのテンプレートを利用するのが便利です。

M&A仲介会社は、多くのM&A案件を取り扱っている関係で、M&Aのスキーム案に関するノウハウをパッケージとして保有しています。スキーム選択に関するコンサルティングにも応じてくれるので、自社に合ったスキームを発見できる可能性が高いでしょう。

(2)弁護士のリーガルチェックを受ける

M&Aのスキーム案がおおむねイメージできたら、スキームに法的な問題がないか、弁護士のチェックを受けましょう。

なお、複雑なM&Aの実行を目指す場合には、テンプレート的なスキームだけでは対応できないケースがあります。この場合、スキーム検討の段階から弁護士の意見を聞くことをお勧めいたします。

(3)資金調達先・相手方などと契約交渉を進める

スキームの大枠が固まったら、M&Aの関係者との間で契約交渉を進めます。

主な交渉相手は、M&Aの相手方(売主・買主)です。

これに加えて、買主の場合は、M&Aの原資となる資金の調達先(銀行・投資家など)とも交渉が発生します。さらにスキームの内容によっては、既存債権者との調整も必要となります。

M&Aに関する契約交渉全般は、法律・契約実務の専門家である弁護士に依頼するのが安心です。

(4)M&A契約を締結・実行する

契約交渉がまとまったら、実際にM&Aに関する契約を締結・実行します。

M&Aの実行(クロージング)は、売主から買主に対して交付される膨大な書類を漏れなく準備したり、その他の実行前提条件が欠けていないかチェックしたりするなど、慎重・綿密な確認作業が求められます。

必要に応じて弁護士のサポートを受けつつ、万全のクロージングを迎えられるように準備を進めましょう。

2. 中小企業のM&Aに関する法的トラブルを事前に回避するには?

M&Aは複雑な取引であるがゆえに、クロージング後に法的な問題が生じるケースは少なくありません。M&Aに関する法的トラブルを回避するには、以下の点に留意しておく必要があります。

(1)権利の引継ぎ処理を漏れなく行う

M&Aを行うと、クロージング前に売主が有していたさまざまな権利義務が、買主の下へ移転します。そのため、債権債務・労務(雇用)などの契約関係においては、相手方との関係で権利の引継ぎ処理を適切に行っておくことが大切です。

引継ぎ処理の方法は、M&Aのスキームごとに異なります。

たとえば、合併や会社分割などによる包括承継の場合には、相手方との個別の契約は必要ない代わりに、会社法に定められる手続きを適式に履践する必要があります。

これに対して、事業譲渡などによる特定承継の場合には、権利・義務の譲渡に関して、当事者間の契約により個別に引き継がなければなりません。引継ぎ処理の漏れが生じると、後に法的なトラブルに発展してしまう可能性が高いので、漏れがないかのチェックを慎重に行いましょう。

(2)スキームの適法性をきちんと検証する

M&Aのスキームを実行するには、会社法の規定に従った複雑な手順を踏む必要があります。後の法的トラブルを防止するには、構築されたM&Aスキームが会社法などの法令に照らして適法か、必要な手順が漏れていないかなどをよく確認することが大切です。

もしスキーム中に違法性のある部分が見つかった場合、後で契約を修正する手間が生じたり、M&A契約の条項が無効になってしまったりするリスクがあるので、十分に注意しましょう。

(3)検討当初から弁護士に相談するのがおすすめ

このように、M&Aをトラブルなく無事にクロージングさせるには、法的な観点からの詳細な検討が不可欠です。そのため、スキーム検討の当初の段階から弁護士に相談することをおすすめいたします。

弁護士は、スキーム検討・契約交渉・クロージングに至るまで、M&Aを円滑に成功させるための全面的なバックアップを行います。M&A案件の隅々までリーガルチェックが行き届くので安心です。

弁護士JP編集部
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