TikTokで誹謗中傷を受けた! 対処法と弁護士にできること
TikTok(ティックトック)とは、誰でも簡単に短尺動画を投稿・共有できるプラットホームです。利用者が多いSNSであり、誹謗(ひぼう)中傷や否定的なコメントに悩んでいる方も少なくありません。
この記事では、TikTokで誹謗中傷を受けた際の対処法と、弁護士へ相談すると何ができるのかについて解説します。
1. TikTokで誹謗中傷を受けたら
TikTokを利用していて誹謗中傷を受けた場合、「運営に報告する」「投稿者へ削除依頼する」「法的措置により削除する」といった対応が可能です。
(1)運営に報告する
コメント欄に誹謗中傷の書き込みがあったときは、TikTok運営に報告しましょう。TikTokアプリで報告したいコメントを長押しして、一覧から「報告」を選択してください。TikTok運営がコメントをチェックして問題ありと判断した場合に、コメントを書き込んだユーザーに削除申請が送信されます。
(2)投稿者へ削除依頼する
DM機能を使って投稿者に直接コメントの削除を依頼する方法もあります。誹謗中傷を書き込んでいるユーザーのプロフィールを表示して、画面右上にある「…」から「メッセージを送信(紙飛行機マーク)」を選択します。入力欄にコメントに関する用件を入力して送信してください。削除依頼のメッセージが「リクエスト」として相手に通知されます。
ただし、誹謗中傷の投稿者は、メッセージリクエストに対して「承認」「削除」「ブロック」を選択できます。相手が承認するまで最大3件のメッセージを送れますが、ブロックされてしまうとその後のやり取りはできません。
(3)法的措置により削除する
法的措置とは、裁判所を利用した手続き全般のことです。誹謗中傷に対する法的措置は、自分が受けた被害の内容と、何を解決したいのかによって異なります。たとえば、拡散による炎上を回避するためにコメントの削除を依頼するなら、裁判所に削除請求(削除の仮処分)を申し立てる方法などがあります。
2. TikTokの誹謗中傷について弁護士にできること
TikTokで誹謗中傷の被害に遭ったとき、弁護士に相談するのもひとつの選択肢です。名誉毀損(きそん)などの犯罪に適切に対処するには法的な知識が必要であるため、法律の専門家である弁護士に相談することで、スムーズに解決できる可能性が高まります。また、相手と直接交渉を行う精神的な負担も軽減できます。
(1)弁護士に相談するとよいケースの例
弁護士に相談するべきタイミングや状況はさまざまですが、以下に一般的な例を紹介します。
①TikTokに削除に応じてもらえなかった
TikTok運営は、TikTokが定める利用規約とコミュニティーガイドラインに従って、コメントが誹謗中傷に該当するかを判断します。誹謗中傷は「事実と違うことや、根拠のない悪口を言いふらして他人を傷付けること」であり、コメントの文面だけではその判断がつかずに、報告(削除依頼)に応じてくれないこともあります。
このようなときに弁護士に相談すれば、TikTokに削除の申し立てを行えます。
②投稿者を特定して損害賠償請求をしたい
TikTokクリエイター(投稿者)の多くは、個人や企業が特定できる状態でアカウントを運用しています。しかし、コメントするだけの視聴者は、身元がバレないようにしているケースが多いです。匿名で攻撃的なコメントを執拗(しつよう)に投稿してくる人がいるときは、弁護士に相談しましょう。投稿者を特定して、損害賠償を請求できる可能性があります。
(2)弁護士にできることの例
TikTok上での誹謗中傷に対し、弁護士にできることの例を紹介します。
①発信者情報開示請求
誹謗中傷を投稿した人に法的措置をとるには、まず投稿者を特定しなければなりません。まず、TikTok運営に情報開示請求をして、投稿者のIPアドレスからプロバイダーを特定します。次に、プロバイダーに発信者情報開示請求を行うことで、投稿者の住所、氏名、メールアドレスの開示に応じてもらいます。
②削除請求
削除請求とは、裁判所から仮の削除命令を出してもらう手続きのことです。裁判所に誹謗中傷に該当するコメントを申し立てて、それが認められれば、裁判所によりTikTokに削除の仮処分命令が発令されます。
③損害賠償請求(侮辱罪・名誉毀損罪など)
大勢の人に向けて侮辱する言葉を投げかけられたり(侮辱罪)、公然と社会的評価を低下させられたり(名誉毀損罪)して、法律で保護されている権利、利益が損害された場合に、損害賠償請求ができます。
損害額は、加害がなければ本来は被害者が得られるはずであった利益(消極損害)や、書き込みによって受けた精神的苦痛などから算出します。
3. TikTokでの誹謗中傷を受けないための対策
誹謗中傷を防ぐために、事前にできる対策は以下の通りです。
(1)非公開アカウントにする
アカウントを非公開にすれば、拡散、炎上を防げます。個人であれば親しい友人のみで楽しむ、企業であれば別のプラットホームでマーケティング施策を展開するなどの方法があります。
(2)コメントや動画のダウンロードを制限
TikTokの「プライバシー設定」から、動画にコメントできる人、自分のアカウント宛てにメッセージを送信できる人を制限できます。これにより、不特定多数の人に動画が拡散されたり、コメント欄が荒れたりすることを防げます。
また、利用者が未成年であれば、「デジタルウェルビーイング」以下にある「ペアレンタルコントロール」の設定を行うことで、TikTokの利用時間や表示される動画に制限をかけられます。
TikTokで誹謗中傷などの被害を受けた場合、投稿者の特定や削除請求、損害賠償請求などを行えます。ただし、裁判所を通した手続きが必須となるため、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2023年10月26日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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