外国人入居者を受け入れる前に注意するべきポイントは?
  • 2022年11月22日
  • 国際・外国人問題

外国人入居者を受け入れる前に注意するべきポイントは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

外国人労働者は、今や日本社会に欠かせない存在となりました。ですが生活習慣や価値観の違いから、賃貸住宅においてトラブルを引き起こすことがあります。

賃貸経営をされている方にとって、入居者トラブルは頭の痛い問題です。そこで今回は、所有する賃貸物件に外国人を受け入れる際、注意すべき点についてご紹介します。

1. 外国人入居者との間に生じる主なトラブル

賃貸物件に外国人を受け入れた場合、言葉や文化の違いなどからさまざまな問題が生じます。よくあるトラブルをご紹介します。

(1)騒音

テレビの音量、会話時の声の大きさなどは、人によってうるさいと思う基準が異なります。また仕事や学校の都合から、深夜に帰宅しシャワーや洗濯をする方もいるでしょう。週末にホームパーティーを開いて人を招く人もいます。

日本人には「夜は静かにするもの」と思っている方が多いと思いますが、生活スタイルや住宅事情が異なる外国人にとっては、必ずしもそうではありません。

騒音は日本人の入居者同士でももめごとになりやすい問題であり、日本人と外国人入居者でもよくトラブルになっています。

(2)ゴミ捨て

日本はゴミの分別に厳しく、収集日も自治体によって厳格に定められています。外国では国によってはほとんど分別をしなかったり、収集日が決まっていなかったりすることがあります。

そのため日本のゴミ捨てのルールを知らない外国人賃借人が「分別をしない」「有料・指定のごみ袋に入れない」「回収日を守らない」「粗大ゴミをそのままゴミ捨て場に捨てる」といったトラブルを起こすことは珍しくありません。

ゴミ捨てルールが守られなければ、異臭や害虫などの問題が発生し、ほかの入居者や近隣からのクレームにもつながりかねないため、早期対処が必要です。

(3)無断同居、転貸

外国人入居者は、入居時に契約内容や居住ルールをきちんと理解しなかったり、「入居後の使い方は自由」という感覚から、勝手に部屋に友人や親族を同居させたり、又貸ししたり、民泊に転用したりすることがあります。

これらは契約違反であることはもちろん、知らない人物が出入りすることで物件自体の安全面の不安も高まるでしょう。

(4)無断改造

海外では賃貸住宅でも部屋のDIYが自由で、原状回復も不要というケースが少なくありません。

そのため同じ感覚で、日本でも壁の塗り替えや作り付けの棚の設置など、無断で部屋を改造してしまう外国人がいます。

一度改造されてしまうと完全に元に戻すのが難しいほか、退去時に原状回復費用をめぐってトラブルになることもあります。

(5)家賃滞納

家賃滞納は頻繁に起こる問題です。仕事や収入が不安定な外国人労働者の場合、家賃が払えず滞納してしまうことがあります。口頭や書面で催促しても払ってもらえず、そのまま行方がわからなくなれば、賃貸物件のオーナーにとっては大きな痛手です。入居者が帰国してしまえば、回収はさらに難しくなるでしょう。

2. 受け入れ前に注意しておくこと

空室対策のため、在留外国人の受け入れを進めたいという大家も多いと思います。トラブルにならないためには、しっかり準備しておくことが大事です。

(1)入居前にルールを丁寧に説明する

在留外国人と賃貸契約をする場合には、まず重要事項をきちんと説明しておきましょう。

賃貸契約書の内容を日本語が得意ではない外国人が理解するのはかなり難しいでしょう。また入居上のルールは、感覚の違う外国人にはすぐには理解できません。

通訳をつけて外国語で説明したり、外国語や平易な日本語で記載した資料を用意したり、図解を用いて説明したりするなど、理解してもらえるように工夫しましょう。

またゴミ捨てのルールなどは、住んでいる自治体によって異なります。多くの自治体が分別方法などを多言語で翻訳した資料を無料で配布していますので、積極的に活用してください。

多くの外国人入居者トラブルは、外国人のパーソナリティではなく、「知らない」こと、文化の違いが原因です。入居前に可能な限り説明を作りましょう。

(2)入居審査を厳格に行う

外国人入居者のトラブルを防ぐためには、入居前にきちんと審査を行うことも大事です。

外国人労働者の中には、在留資格のない違法労働者もいます。まず在留カードやパスポート、社員証などをきちんとチェックし、在留資格や身元、勤務先、収入レベルを確認しましょう。

連帯保証人は必須ですが、外国人の場合、保証人になってくれる人が見つからないことがあります。その場合には外国人に対応した保証会社の活用も考えてください。

なお入居前のチェックは大事ですが、外国人差別にならないように過度な審査は控えましょう。

(3)建物内に居住ルールの張り紙、掲示をする

外国人が多く住む集合住宅では、建物内に居住ルールについて英語や多言語で張り紙、掲示をしましょう。ゴミ捨て場では分別ルールを英語などでの説明に加え、記号や図解で示します。他の居住者への苦情があれば、建物内の掲示板やエレベーター内で、居住者に対するルールの徹底を英語などで掲示して周知、徹底しましょう。

(4)管理会社に頼む

賃貸物件のオーナーや大家が、直接外国人入居者に注意をしたり、入居者同士のトラブルを解決したりするのは大変です。大きなストレスにもなるでしょう。管理会社のサポートも検討してください。

管理会社はさまざまな物件の管理を請け負っており、トラブル解決の知識と経験があり、張り紙の作成や掲示、入居者への働きかけなど、さまざまな対策をしてくれます。一定の費用はかかりますが、対応の手間を考慮し、活用も考えましょう。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年11月21日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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