外国人が日本で不動産購入する場合の注意点を解説
インバウンド需要の拡大に伴い、外国人が日本国内の不動産を購入することが増えてきています。外国人が不動産を購入するにあたっては、外国人特有の問題があり、日本人の場合とは異なる配慮が必要になることがあります。
今回は、外国人が日本で不動産を購入する場合の注意点を解説します。
1. 外国人が不動産購入するには?
外国人が日本国内の不動産を購入することは、特に禁止されていませんので、日本人と同様に自由に行うことができます。以下では、外国人が不動産を購入する際の流れなどについて説明します。
(1)不動産購入の流れ
外国人が不動産を購入する際には、一般的に以下のような流れで進みます。
①物件探し
まずは、住宅情報サイトや不動産仲介会社などで希望する住宅や土地の物件を探します。希望する物件が見つかった場合は、不動産業者などを通じて物件の見学を行います。
②買付証明書を提出
購入を希望する物件が決定したら、売主に対して買付証明書を提出することを求められることがあります。買付証明書提出後、売主との間で売買条件がまとまったら、売買契約に向けた手続きにすすむことになります。
③売買代金の支払い方法の決定
購入を希望する物件の売買代金については、現金または銀行のローンを組んで支払うことになります。住宅ローンを利用する場合には、金融機関に事前申し込みをして、事前審査に通った場合に売買契約が可能になります。
外国人であっても住宅ローンを利用することは可能ですが、永住権を持っていること、5年以上日本に居住しているなど各金融機関で定める融資条件を満たしている必要があります。
④売買契約の締結
売主との間で契約内容がまとまった場合には、売買契約を締結します。売買契約時には、重要説明書の交付を受けて、説明がなされます。
⑤不動産登記
売買契約後、代金の支払いが完了した時点で、不動産の所有権が移転することになります。不動産の所有権が移転した場合には、法務局に対して所有権移転登記申請を行い、不動産の所有名義の変更をします。
⑥財務大臣への報告
日本に居住していない外国人が日本国内の不動産を購入した場合には、外国為替及び外国貿易法に基づき、不動産取得の日から20日以内に財務大臣に報告しなければなりません。
(2)不動産購入に必要な書類
不動産購入にあたって必要となる書類は、以下のようになります。
- 外国人住民票
- 在留カード
- 印鑑証明書
もっとも、印鑑文化は日本特有のものであるため、印鑑登録をしていない外国人の方も多いです。そういう方の場合は、印鑑証明書にかえて、サイン証明書を用いることもあります。
2. 外国人の不動産購入における注意点
外国人が不動産を購入したときには、以下の点に注意が必要です。
(1)所有権移転登記の注意点
法務局での所有権移転登記申請の際にも、買主の印鑑証明書や住民票が必要になります。
(2)権利証の受け取りについて
不動産を購入し、所有権移転登記手続きが完了すると、登記識別情報通知書という書類が交付されます。これはいわゆる「権利証」にあたる書類です。
(3)納税についての注意点
不動産購入をしたのが外国人であっても、日本人と同様に以下のような税金が課税されます。
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 譲渡所得税
- 賃料収入などに対する所得税
不動産を購入した後は、上記の税金の納付書が税務署から送られてきます。国内に居住する外国人であれば問題はありませんが、海外に居住する外国人の場合には、自分自身で税金の支払いを行うことが難しいため、日本で納税の手続きを行う「納税管理人」を選任しなければなりません。
3. 専門家への相談も有益です
不動産を購入する際の売買契約書には、その不動産がはらんでいるリスクを想定した条項が、いろいろと含まれていることも多いです。税金の処理にも、日本の税務への理解が必要になります。不動産は取引金額が大きくなってくるため、その分、問題が生じた時のリスクも小さくありません。弁護士や税理士に相談することで、そのようなリスクを回避できることがあるかもしれません。
- こちらに掲載されている情報は、2021年08月02日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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