DVシェルターとは? 利用条件や利用方法について解説

DVシェルターとは? 利用条件や利用方法について解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

配偶者による暴力(DV)は、家庭内という閉鎖的な環境でおこなわれる犯罪です。被害から逃れるためには、警察による事件化や加害者の検挙だけでなく、避難を考えたほうがよい状況も少なくありません。そこで避難先となるのが「DVシェルター」です。

DVシェルターとはどんな場所なのか、どうすれば利用できるのかなどを解説します。

1. DVシェルターとは?

DV被害者が加害者から身を隠すための施設が「DVシェルター」です。実際のDVシェルターとはどんな場所で、どうすれば利用できるのでしょうか?

(1)DVシェルターはどんな場所?

DVシェルターとは、DV被害者を加害者から隔離して保護する目的で設置されている施設です。行政が設置している公的シェルターと民間団体が運営している民間シェルターがあり、公的シェルターは各都道府県に最低1か所、民間シェルターは令和2年11月の段階で124か所が置かれています。

シェルターといっても、外見上はDV被害者が避難している場所には見えません。自由に出入りできない公的な施設のほか、一般のマンション・アパートのようにしか見えない民間シェルターも存在します。

(2)DVシェルターを利用する方法

DVシェルターは、警察・婦人相談所・配偶者暴力支援センター・福祉事務所に相談のうえ、DV被害に遭っており、緊急性が高い状況で「一時保護」の必要が認められる場合に利用できます。

被害者自身が「シェルターに入りたい」と希望しても、相談機関が保護の必要を認めない限り利用できません。かならず警察などへの相談を経る必要があります。

DVシェルターを利用している間は外部との接触が遮断されるので、加害者である配偶者から逃れることが可能です。

避難によって収入がなくなってしまうことに不安を感じるかもしれませんが、DVシェルターの利用は無料で、一般的に、生活を維持するために生活保護を受給できるようサポートも受けられます。

2. DVシェルターを利用するメリット・デメリット

DVシェルターに避難すれば、危険なDV被害から逃れ、身の安全を確保できます。つらい暴力や暴言、圧力から逃れられることは、何よりも大切でしょう。シェルターで生活している間は行政からさまざまな支援を受けられるので、環境を整えて新たな生活を送るためのサポートも得られます。

ただし、DVシェルターの利用には多くの制限があることも覚悟しておかなければなりません。

まず、身の安全を確保するという観点から、外部との連絡は強く制限されます。携帯電話・スマホの使用、手紙のやり取りなどが制限されるだけでなく、親族や家族にも「シェルターに身を隠している」と知らせることは避けなければなりません。

また、外出も強く制限されており、不要・不急の外出は基本的に認められず、必要と認められて外出しても門限を守る必要があります。

不便に感じる面も多々あるはずですが、身の安全を確保するためには守らなければならないルールなので、不満を感じても受け入れるほかありません。

3. DVシェルターだけでは逃れられない! DV被害の根本的な解決方法

DVシェルターを利用したからといって、DV被害を解決できるとはいえません。

(1)DVシェルターの利用には期限がある

DVシェルターは、「一時保護施設」とも呼ばれています。その名のとおり利用には期限があり、2週間程度しか入居できません。

あくまでも緊急性が高い状況で危険を回避してDV被害者の身の安全を確保するための施設なので、長期利用によってほかの緊急性が高い被害者が避難できないといった事態を回避するために設けられている決まりです。

(2)DV被害を解決するには?

DV被害に耐えかねてDVシェルターに駆け込んだとしても、わずか2週間程度しか保護を受けられないので、安全を確保している間に解決策を講じなければなりません。

DV被害を逃れるために、配偶者との離婚をおすすめします。離婚していないと、住民票の閲覧など、夫婦だからこそ可能な方法で居場所を突き止められてしまう危険があるからです。しかし、DV被害から逃れることに必死な状況だったのであれば、離婚についての具体的な話し合いはできていないでしょう。

DVをはたらく配偶者との離婚には、弁護士のサポートが頼りになります。配偶者と直接会ったときにDVを受ける可能性があるため、ご自身で話し合いを進めるのは困難です。弁護士に依頼して、直接会うことなく離婚協議を進めていくことをおすすめします。

DVを理由とした離婚であれば、慰謝料、子どもの親権などの面において有利な条件での離婚を実現できる可能性が高いでしょう。

また、警察などへの相談に先立って弁護士に相談すれば、相談機関への同行やDVシェルター利用のはたらきかけなども期待できます。DV被害にお悩みなら、DVトラブルや離婚問題の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2023年05月26日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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