- (更新:2021年04月08日)
- 離婚・男女問題
専業主婦でも親権は獲得できる! 親権者になるためのポイント
子どもがいる家庭の専業主婦が離婚する場合、「夫との経済力の差が原因で、親権を獲得できないのではないか」という不安を抱える方は多いでしょう。
離婚後に仕事を始めるとしても、十分な収入が得られるか、子育てとの両立ができるかなど、不安は尽きません。
そこで本記事では、専業主婦が親権を持つことができるのか、また、親権を獲得するためのポイントや困った際の相談先について、解説します。
1. 親権とは? 身上監護権、財産管理権、監護権も解説
まずは親権についての概要を理解しておきましょう。
(1)親権とは
親権とは、未成年の子どもを監護・養育し、その財産を管理するために与えられた「子どもの利益」を守るための権利や義務のことです。身上監護権と財産管理権があり、基本的にはその両方を親権者が行使します。
(2)身上監護権
身上監護権は以下の4つの権利で構成されています。
- 身分法上の行為をする際の同意や代理権
- 居所を指定する居所指定権
- しつけなどを行う懲戒権
- アルバイトなどの仕事を許可する職業許可権
親権の中に含まれている身上監護権だけを、別の親権者ではない親に委ねる場合は、「監護権」と呼ばれます。原則として監護権と親権は同一であることが望ましいとされていますが、親権者が長期入院や刑務所服役、長期海外出張などで子どもを監護することが難しい場合は、親権者と監護権者が分けられることもあります。
(3)財産管理権
財産管理権には、包括的な財産の管理権と子どもの法律行為に対する同意権があります。
2. 親権者の決め方
婚姻時は父母がふたりで親権を行使することが原則です。しかし、離婚する場合にはいずれか一方を親権者として定めなければならないとされています。
話し合いで親権者が決まらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。離婚と同時に親権を争う場合には、離婚調停の中で親権についても話し合うことになります。
なお、話し合いや離婚調停の中でも親権者が決まらなければ、離婚訴訟を提起して決めることになります。
3. 専業主婦でも親権は獲得できる
親権者を決める際は以下の点が考慮されます。
- これまでの監護状況
- 子どもの意思
- 子どもの生活環境の変化
- 子どもを育てられるだけの資力があるかどうか
専業主婦の方が離婚をして、親権を獲得したいと考える場合、特に気になるのが子どもを育てられるだけの資力の有無ではないでしょうか。結論を先に述べると、「専業主婦であったことから経済面に不安がある」などの理由で親権の獲得が認められないケースは少ないといえます。
なぜなら、離婚をする場合は、子どもを手元で育てない「非監護親」が監護親に対して養育費を支払うことになります。また国や自治体の児童扶養手当や児童手当、児童育成手当などの各種手当も充実していますので、手当を受け取りながら働けば十分に子どもを養えると判断されるでしょう。
子どもを育てるためのサポートが受けられる環境かどうかも判断材料とされます。「実家で暮らす」「両親から子育てに関するサポートを受けられる」などのポジティブな要素があれば、有利な判断がなされる可能性が高いといえるでしょう。
4. 親権者になるための3つのポイント
次に、専業主婦が親権者になるための3つのポイントについて解説します。
(1)子どもの精神的負担にならない離婚後の住居を考えること
両親の離婚は子どもにとって、大きな精神的な負担となります。そこに住環境のみならず教育環境の変化も重なると、子どもへの負担は甚大です。子どもへの負担ができる限り少ない形で、離婚後の住まいを探すことで、親権が獲得しやすくなるといえます。
(2)働く見込みや援助の有無を明確にしておくこと
専業主婦の離婚においては、経済面が問題視されることもありますので、その点をあらかじめクリアにしておきましょう。
- 仕事を探して内定を受けておく
- 就職活動をしていることを証拠化する(ハローワークへ登録するなど)
- 実家で暮らすため生活費が最小限で済むことを主張する
5. 親権が認められない可能性が高いケース
(1)子どもに対する愛情が不足している場合
具体的には以下の行為が頻繁にみられた場合は親権が認められない可能性が高まります。
- 子どもへの虐待がある
- 家事をしない
- ギャンブルやアルコール・薬物に依存して、子どもを顧みない
(2)犯罪の常習性がある場合
前科の有無だけで判断されるものではありませんが、薬物依存などの場合には要注意です。そのほかの犯罪であっても、常習性が認められる場合には親権の獲得は難しいと考えられます。
(3)不貞行為による悪影響がある場合
不貞をしていた場合、親権者としてふさわしくないと考えられがちです。しかし、不貞の事実そのものは親権の獲得に大きな影響を与えません。ただし、不貞相手と会うために子どもを家に放置していた場合や、子どもを車内に放置していた場合などは、親権の獲得が難しくなることもあります。
6. 親権についての相談先
離婚時の親権について悩んでいる場合は以下の機関、専門家に相談可能です。
(1)自治体の無料相談
ほとんどの自治体で、自治体主催の弁護士による無料法律相談を行っています。また女性専用の相談窓口では、離婚後の生活や仕事の不安についても相談可能です。
(2)弁護士
一般的な相談であれば自治体が実施する法律相談などでも十分ですが、より詳しく相談したい場合には弁護士への相談をおすすめします。親権を獲得するための方法だけでなく、離婚後の生活をスムーズに送れるように養育費や財産分与面についてもアドバイスが可能です。
離婚を検討しているが親権の問題が不安な方には、弁護士に相談することを、ぜひおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2021年04月08日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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