「パパ活」で捕まる可能性は? 犯罪になるケースを解説
「パパ活」は近年若い女性を中心に流行しているものの、大きなリスクもはらんでいるため注意が必要です。
本コラムでは、そもそもパパ活は犯罪になるのか、犯罪になるとすればどのようなパターンがあるのかを解説します。また、パパ活で逮捕されるきっかけを踏まえた上で、弁護士へ相談するメリットも紹介します。
1. パパ活は基本的には犯罪にならない
パパ活とは、年上の男性と食事やデートをすることで、金銭的な援助を受ける活動を指します。たとえば映画を観に行った後、ディナーを一緒に食べるだけで数万円を渡す男性もおり、近年は若い女性を中心に、パパ活で生計を立てているケースもあります。
ただ、肉体関係を持たず、デートや食事をしているだけなら、刑法上の犯罪で逮捕されることは基本的にないと考えられます。
しかし、パパ活はトラブルの温床になっているのも事実です。たとえば「ご飯を食べに行ったら3万円あげると言われたのに1万円しかもらえなかった」など、言った言わないのトラブルなどになると、民法上の問題が発生することは十分ありえます。また男性が結婚している場合、肉体関係を持ってしまうと「不貞行為」として離婚原因になります。配偶者から、男性とパパ活をしていた女性の両方へ慰謝料を請求されることも考えられるため、注意が必要です。
2. パパ活で犯罪になるケース
では、パパ活において、どのようなケースが刑法上の犯罪となりうるのでしょうか。
(1)性行為ありの場合
第一条 この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。
第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
売春防止法 第1条、第3条
相手と同意の上でも、性行為をして金銭をやりとりすることは「売春防止法」において「売春」や「買春」にあたり、違法行為(犯罪)です。ただし、売春や買春は犯罪であるものの、処罰対象にはなりません。
実際に刑事処分がくだるのは、公衆の場で売春の相手になるように勧誘したり、売春をあっせんしたり、売春の場所を提供したりした場合となっています。
(2)女性側が18歳未満であった場合
民法が改正され、2022年4月1日から成人の定義が18歳以上と変更されました。つまり18歳未満は未成年であり、性的に逸脱した行動をとった場合は、より重大なペナルティーが科せられます。
たとえば未成年の女性相手にパパ活をした場合、「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」や「児童福祉法違反」にふれるおそれがあります。また、都道府県が定める「青少年健全育成条例違反」として逮捕されるケースも考えられます。未成年かどうか知らなかった場合も、知らなかったことを立証するのは簡単ではないため、これらのリスクを十分に把握しておくことが必要です。
(3)不同意性交等にあたる場合
成人女性でも同意を得ずに性行為をすると、大きな問題になりかねません。例としては刑法の「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」にあたるおそれがあります。
不同意わいせつ罪は、脅迫したり暴力を振るったりするなどして、同意しない意思を形成し、表明しもしくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつ行為におよんだ際に適用される犯罪で、6か月以上10年以下の懲役が刑として科せられるものです。また相手に酒を飲ませるなど正常な判断を奪い、同様の行為をしても、不同意わいせつ罪と判断されることがあります。
(参考:「刑法176、177条」(e-Gov法令検索))
3. パパ活での捜査と逮捕
パパ活で犯罪の疑いがあるとして捜査されるのは、どのようなきっかけが考えられるでしょうか。
まず、被害を受けた女性が警察などに相談したり被害届を出したりしたケースが考えられます。警察は常時サイバーパトロールで犯罪を監視しているため、そこで疑いがあれば捜査が始まることもなきにしもあらずです。また、女性が未成年の場合は、保護者が気づいたことで警察に通報されるケースもあります。
パパ活での行為が犯罪として起訴されると、その事実が家庭や職場などへ知らされることで、今後の生活に大きなダメージを受けかねません。最悪、ニュースとして取り上げられてしまい社会的な問題に発展することも考えられます。
4. パパ活のトラブルでの弁護活動
「少しくらいいいだろう」と軽い気持ちでパパ活をしていると、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあります。もし自分一人でどうにもできないと判断すれば、早めに弁護士へ相談しましょう。まず弁護士が被害者側と話し合いをし、できるだけ有利な方向で示談交渉を進めてもらえる可能性があります。
警察から、パパ活に関して事情聴取や取り調べを受ける際にも、逮捕の回避を目指し、どう臨めばよいのかサポートしてもらえるので安心です。行為が悪質だとして逮捕に至った場合も、その後の裁判で適切な弁護をしてもらえれば、身体的な拘束から早期の釈放を目指せます。あるいは不起訴処分にしてもらえる可能性も高まります。
弁護士によるサポートがあればトラブルによるダメージを抑えられるため、不安に感じる場合は、一度相談することを検討しましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年02月21日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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