傷害罪で慰謝料を請求されたら? 損害賠償金について解説
  • 2022年10月04日
  • 犯罪・刑事事件

傷害罪で慰謝料を請求されたら? 損害賠償金について解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

傷害事件を起こしてしまった場合には、怪我をさせてしまった被害者に対して慰謝料などの示談金を支払わなければならないことがあります。被害者から慰謝料の請求をされた加害者としては、どのくらいの慰謝料を支払えばいいのかが気になるところです。

今回は、傷害事件での慰謝料や損害賠償金との違いなどについて解説します。

1. 傷害事件の慰謝料

傷害事件の慰謝料とはどのような性質のお金になるのでしょうか。

(1)慰謝料とは

慰謝料とは、違法な行為によって精神的苦痛を被った被害者に対して支払われる金銭です。傷害事件の場合には、加害者は、殴る、蹴るなどの方法によって被害者に怪我を負わせていますので、被害者は、怪我をしたことや怪我の治療の入通院のために多大な精神的苦痛を被ることになります。そのため、傷害事件の加害者には、被害者に対する慰謝料の支払い義務が生じます。

(2)慰謝料と示談金・罰金との違い

傷害事件では、慰謝料の他にも「示談金」や「罰金」という言葉を聞くこともあります。示談金とは、刑事事件において被害者と示談が成立した場合に支払われる金銭のことをいいます。示談金には、以下のようなものが含まれており、慰謝料も示談金に含まれています。

  • 治療費
  • 慰謝料
  • 休業損害
  • 逸失利益

これに対して、罰金は、慰謝料や示談金とはまったく異なる性質のお金です。罰金は、傷害事件の加害者に対して、刑事裁判の結果科される刑事罰としての性質を有するお金です。罰金は、被害者に対して支払われるものではなく、国に対して支払われるものですので、罰金を支払ったからといって、被害者に対する慰謝料や示談金の支払いが不要になるわけではありません。

なお、傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金と規定されていますので、傷害罪で有罪となった場合には、罰金が科される可能性もあります。

2. 損害賠償金との違いは?

慰謝料と混同しやすいものとして「損害賠償金」というお金もあります。損害賠償金と慰謝料とはどのような違いがあるのでしょうか。また、傷害罪における損害賠償金の相場としてどの程度になるのでしょうか。

(1)慰謝料と損害賠償金の違い

損害賠償金とは、慰謝料を含む被害者の一切の損害を賠償するお金のことをいいます。示談金が刑事事件において支払われる損害金のすべてであるのに対して、損害賠償金は民事事件において支払われる損害金のすべてであると理解するとよいでしょう。

被害者に対して、慰謝料を支払っただけであれば、被害者としては、慰謝料以外の治療費、休業損害、逸失利益などの損害の支払いを受けていません。そのため、慰謝料の支払いの際にこれらの損害を放棄する合意をした場合を除いて、加害者は、被害者に対して、別途慰謝料を除く損害賠償金を支払わなければなりません。

(2)損害賠償金の相場

損害賠償金がいくらになるかについては、傷害の程度や後遺症の有無などによって異なりますので、一概に決めることはできません。たとえば、全治1週間から2週間程度の打撲など軽傷であった場合には、治療期間も短く、後遺症もありませんので、30万円から150万円程度が相場になるでしょう。

他方、全治1か月を超える骨折などの重傷であった場合には、入院を伴うこともあり、場合よって後遺症が生じる可能性もあります。後遺症が生じてしまった場合には、数百万円から1000万円を超える金額が損害賠償金の相場になることもあります。

3. まとめ

傷害事件の加害者となってしまった場合には、刑事事件として有罪となれば罰金という刑罰が科されますし、被害者に対しては、民事上の責任として慰謝料を含む損害賠償金を支払わなければなりません。

刑事事件の処分が出る前に、被害者との間で示談を成立させ慰謝料を含む示談金(損害賠償金)の支払いが完了していれば、検察官の起訴・不起訴の判断や裁判官の量刑の判断において有利な要素として考慮してもらうことができます。そのため、傷害事件の加害者となってしまった場合には、早めに被害者との間で示談を成立させることが重要です。

もっとも、加害者本人では、被害者と直接交渉をすることが難しい場合もありますので、示談交渉については弁護士に依頼をすることをおすすめします。弁護士であれば、損害賠償金の相場を熟知していますので、適切な金額でスムーズに示談交渉を進めることが可能です。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年09月27日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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