
- 債権回収
債権回収の6つの方法とは? 有効な法的手段を解説
支払期限が過ぎているのに、取引先が商品代金や売掛金の支払いをしてくれないというケースがあります。売掛金の支払いを滞っている理由が経営不振にある場合には、倒産による回収不能のリスクがあるため、早期に法的手段を講じる必要があります。
今回は、債権回収をする際の有効な手段について解説します。
1. 知っておきたい債権回収の方法
債権回収の方法には、以下の裁判外の方法と裁判上の方法があります。
(1)裁判外の債権回収方法
いきなり裁判上の請求を行うことも可能ですが、取引先との関係性が悪化するリスクもありますので、まずは、以下のような裁判外の債権回収方法を検討するとよいでしょう。
①電話での督促
売掛金の支払いが遅れているのが、単に期限を忘れていただけということもあります。そのため、まずは、取引先に対して売掛金の支払いが遅れている旨の電話連絡をしてみるとよいでしょう。
②書面での督促
電話をしてもつながらない場合や対応がないという場合には、取引先に対して書面を送付して支払いを求めるようにします。書面には、請求金額と入金期限をはっきりと記載した上で送ると効果的です。
③内容証明郵便での督促
普通郵便で送った書面にも反応がないという場合には、内容証明郵便を利用して再度支払いを催促するとよいでしょう。
内容証明郵便自体には、支払いを強制する法的な効力があるわけではありません。しかし、内容証明郵便が届いたことによって、取引先に精神的なプレッシャーを与えることが期待できます。
また、内容証明郵便は、その内容と受け取った事実を、確定日付をもって証明することができる形式の郵便であるため、消滅時効の対策としても有効な手段となります。
(2)裁判上の債権回収方法
上記の裁判外の債権回収方法で効果がない場合には、裁判上の債権回収方法を検討します。なお、取引先に信用不安がある場合には、裁判上の債権回収方法から先に着手するとよいでしょう。
①支払督促
支払督促とは、金銭の支払いを求める事案を対象に、裁判所書記官が書類審査だけで、債務者に対して、支払督促を発して強制執行をすることが可能になる制度です。
支払督促は、通常の裁判と異なり、審理のために債権者が裁判所に出頭する必要もありませんので、簡易かつ迅速に強制執行手続きまで行うことが可能です。
しかし、相手方から異議の申し立てがあると、請求額に応じて地方裁判所または簡易裁判所の訴訟手続きに移行してしまいます。そのため、対象となる債権について当事者間に争いがある場合には不向きな制度です。
②少額訴訟
少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる簡易裁判所の訴訟手続きです。
少額訴訟は、通常の裁判と異なり、原則として1回の審理だけで終了し、その日のうちに判決が言い渡されます。そのため、支払督促と同様に簡易かつ迅速な手続きであるといえますが、相手方が少額訴訟での手続きに反対した場合には、通常訴訟に移行してしまう点は、支払督促と同様です。
③通常訴訟
上記以外の通常訴訟については、請求額が140万円以下の場合には簡易裁判所に、140万円を超える場合には地方裁判所に訴訟を提起します。
通常訴訟は、証拠に基づいて請求内容を審理していくことになりますので、解決するまでに半年から1年程度の期間が必要となります。
2. 債権回収は弁護士に相談を
取引先からの債権回収がうまくいかずに悩んでいる場合には、早期に弁護士に相談をするようにしましょう。
(1)複雑な法的手続きを適切に行うことができる
裁判外の債権回収方法であれば、普段から行っている企業も多いといえますので、それほど難しい手続きではありません。
しかし、裁判上の債権回収方法を日常的に行っているという企業は少ないでしょうから、いきなり法的手段を講じようと思っても複雑な裁判手続きを適切に進めていくことは難しいことも多いです。
そのような場合には、専門家である弁護士に依頼して進めていくことで、迅速かつ確実に法的手段を講じることが可能になります。
(2)弁護士が交渉をすることで回収可能性が上がる
裁判外の債権回収方法を行う場合にも、弁護士が依頼者の代理人として取引先と交渉をすることによって、取引先に対しては精神的なプレッシャーを与えることができますので、それによって債権回収の可能性が上がることがあります。
また、取引先に信用不安がある場合には、他の債権者より迅速な債権回収を行う必要がありますので、早期に適切な手段に着手することができる弁護士に依頼することが重要となります。まずは、債権回収の実績がある弁護士に相談することをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2021年06月16日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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