退職代行は弁護士に依頼した方がいい? 代行業者との違いとは
  • 2022年11月25日
  • 労働問題

退職代行は弁護士に依頼した方がいい? 代行業者との違いとは

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

労働者が会社を辞めたいと思っても、自分から会社に伝えることができないという方も少なくないでしょう。そのような場合には、退職代行サービスを利用することによって、労働者に代わって退職の手続きを行うことができます。

インターネットで調べるとたくさんの退職代行業者がヒットしますが、退職代行は、退職代行業者ではなく弁護士に依頼をして行うことをおすすめします。

今回は、退職代行を弁護士に依頼した場合のメリットについて解説します。

1. 退職代行を弁護士に依頼するメリット

退職代行を退職代行業者ではなく弁護士に依頼した場合のメリットとしては、以下のものが挙げられます。

(1)非弁行為のリスクがない

非弁行為とは、弁護士だけが行うことができる業務を弁護士以外の者が行うことをいいます。退職の意思表示を労働者に代わって会社に伝えることだけであれば、退職代行業者であっても行うことができますが、それを超えて会社と交渉をしてしまうと退職代行業者の行為は非弁行為にあたり、弁護士法による処罰の対象となります。

退職代行業者は、弁護士のような高度の専門性と職業倫理を伴う国家資格を持つ者ではありませんから、許容される行動範囲を逸脱する可能性が多分にあります。労働者自身が非弁行為を行っているわけではないとしても、非弁行為の背後にいること自体が好ましくありません。弁護士に依頼をすれば、非弁行為のリスクなく退職代行に対応が可能です。

(2)退職に付随する手続きも可能

退職代行業者ができる業務の範囲は、労働者の退職の意思を会社に伝えるところまでです。

しかし、退職にあたっては、未消化の有給休暇の処理、具体的な退職日の調整、会社からの貸与品の返還、失業保険の手続きなどさまざまな手続きが必要となります。また、退職にあたってトラブルが生じた場合には、それに対する対応も必要になってきます。

退職代行業者では、このような手続きやトラブルには対応することができませんので、結局、労働者本人が会社と交渉をしなければならなくなってしまいます。

弁護士であれば、退職に付随する手続きについても対応可能ですので、労働者本人が会社と交渉をする必要はありません。

(3)残業代や未払い賃金の請求ができる

未払いの残業代や賃金がある場合には、退職時に一緒に請求するのが一般的です。しかし、退職代行業者では、未払いの残業代や賃金がある場合でも会社と交渉をすることができませんので、労働者本人が対応できないまま所定の期間が経過すると、大切な支払いを受けられる権利が時効によって消滅してしまいます。

弁護士であれば、未払いの残業代や賃金についても退職の意思表示とともに会社に伝えて支払いを求めていくことが可能です。複雑な残業代の計算についても、弁護士に任せれば、正確に計算をしてもらうことができますので、労働者本人の負担は大幅に軽減されるといえるでしょう。

2. 弁護士への依頼から退職までの流れ

弁護士に退職代行を依頼した場合には、以下のような流れで進んでいきます。

(1)退職の意思を会社に伝える

弁護士に退職代行を依頼した場合には、弁護士が代理人として労働者本人の退職の意思を会社に伝えます。会社に伝える方法としては、後日の証拠とするために、配達証明付きの内容証明郵便を利用して文書を送付するのが一般的です。

期限の定めのない労働契約であれば、退職日の2週間前までに退職の申出をすれば、退職理由を問われることなく、労働者による一方的な意思表示によって退職することが可能です。

(2)退職条件について会社と交渉

会社に対して退職の意思を伝えた後は、会社との間で具体的な退職条件について話し合いを進めていきます。未消化の有給休暇がある場合には退職日までの処理を求め、未払いの残業代がある場合には支払いを求めていきます。また、退職金規程がある場合には、退職金規程に従って計算をした退職金の請求も行っていきます。

労働者本人に代わってこのような交渉ができるのは、弁護士だけですので、退職代行業者ではなく弁護士に依頼をすることをおすすめします。

(3)話し合いで解決できない場合には労働審判や裁判

退職だけであれば退職の意思を伝えるだけで解決することができますが、退職にあたって未払いの残業代などを請求する場合には、金額や支払い方法に関して合意が得られない場合もあります。

そのような場合には、労働審判や裁判といった法的手続きによって解決を図ることになります。弁護士に依頼をすれば、このような法的手続きが必要になったとしても、引き続き任せることができます。

退職代行業者ではこのような対応ができませんので、発生し得る問題を見据えて最後までしっかりと対応してもらいたいという場合には弁護士に依頼をするようにしましょう。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年11月15日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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