デジタルタトゥーとは|ネットに残るリスクと消し方
SNSやブログなど、ネット上で発信した内容は一度公開してしまうと簡単に消すことができず、長期間にわたり、ネット上でその情報がさらされることになります。根拠のないうわさや誤った情報から、学校や会社名、実名などの個人情報が明かされ、拡散されてしまうといった危険性もあります。
今回は、デジタルタトゥーと呼ばれるインターネット上に残った消しづらい情報に、どのようなリスクがあるのか、消し方はあるのかについて解説します。
1. デジタルタトゥーとは
デジタルタトゥーとは、インターネット上に公開された記事や画像、動画などがいつまでも残り続けてしまうことを指す言葉です。
タトゥー(入れ墨)を入れると簡単には消せないように、SNSやネット上に軽い気持ちでアップロードした投稿や画像、動画などが不特定多数の人々に拡散され、元の投稿を削除しても完全にインターネット上から消去できず、半永久的に残ってしまうことを比喩しています。
騒ぎが大きくなる前に投稿者が元の記事や動画などを削除したとしても、不特定多数の人によりコピーされ、ネット上で拡散されるため、取り返しのつかないことになるのが大きな問題点です。
2. デジタルタトゥーが残るリスク
SNSやネット上の内容は、知り合いやフォロワー以外にも、全世界の人に見られる可能性があります。ふざけて仲間内だけで共有して盛り上がるつもりが、外部に漏れていたということは少なくありません。デジタルタトゥーとなって残ってしまうと、さまざまなリスクが発生してしまいます。
(1)住所や氏名が特定・拡散される可能性がある
デジタルタトゥーとなる画像や動画がネット上で炎上し拡散されると、必ずといっていいほど特定班という人々が現れます。顔や名前を公表していなくても、住所や氏名、学校や勤務先などの個人情報が調べられ、特定した人によってネット上で拡散されてしまう可能性があります。
本名や現住所などが出回ることにより、見ず知らずの人が訪問してきたり、嫌がらせをされたりすることもあります。また、場合によってはその土地に住めなくなり、退学や退職を迫られる可能性も否定できません。外出先でも人目を気にして行動するようになり、住所や氏名が拡散されることによる影響は非常に大きいです。
(2)就職活動で不利になる
就職や転職の際に、採用担当者が応募者の人柄や交友関係を知るためにSNSでチェックする企業も多くあります。デジタルタトゥーが残ってしまうと、担当者が氏名で検索したときに過去の炎上動画などが表示される可能性もあります。
ふざけた投稿や書き込みが見られたり、逮捕歴などが知られたりすれば、就職活動にもマイナスに影響してしまいます。本人すら忘れているようなささいな悪事でも、デジタルタトゥーが残っていることで、採用されにくくなる可能性があります。
(3)交際や結婚の障害になる
デジタルタトゥーは交際や結婚の障害になることもあります。交際相手や結婚相手の親がインターネットで名前を検索したり、過去の炎上動画や問題行動などが相手の家族に見つかったりした場合、交際や結婚を反対されるかもしれません。
本人がいくら更生したとしても、過去の汚点や知られたくない情報はデジタルタトゥーとなって長く残り続け、さまざまな人に知られてしまいます。
(4)家族に迷惑をかける
炎上動画の多くは、若者の不適切な言動によるものがほとんどです。第三者やお店などに迷惑をかけていれば、不特定多数から一斉に袋だたきにされてしまいます。
このような社会的制裁は、本人だけでなく家族や友人にまで被害が及ぶことがあります。SNSの匿名性を利用して、心ない誹謗中傷を浴びせられたり、家に嫌がらせをされたりなどさまざまな影響が考えられます。迷惑行為により損害賠償請求が発生した場合、親や家族にも金銭的な負担がのしかかる可能性もあります。
(5)社会的信用を失う
問題が解決していたり損害賠償を支払い終えたりして、本人にとっては過去のことになった出来事でも、デジタルタトゥーが残っている限り、名前を検索すれば情報が表示されてしまいます。周囲からは、「過去に問題を起こした人」という目で見られることは覚悟しなければなりません。若い頃に残してしまったデジタルタトゥーが、その後何年も本人の社会的信用を失う原因となってしまいます。
3. ネット上に残っている写真や動画は消せる?
さらに拡散され炎上して取り返しがつかなくなる前に、一刻も早く消したいという方がほとんどでしょう。SNSやインターネットに残っている写真や動画を消し、デジタルタトゥーの被害を最小限に抑える方法を順に試してみましょう。
(1)投稿者に連絡をする
まずは、写真や動画を公開した投稿者に直接削除してもらうよう働きかけます。投稿者が個人的な友人や知り合いなど直接会える人物であれば、早い段階で削除を依頼してみましょう。
知らない投稿者の場合は、メールやDMを送るなどしてコンタクトを取り、削除依頼の連絡をしてみましょう。
(2)サイト管理者へ依頼する
投稿者と連絡が取れても、簡単に削除に応じてもらえないケースもあります。その際は、SNSや掲示板などのサイト管理者に削除要請することもできます。管理者への連絡方法を調べて早めに削除申請をしましょう。
まっとうな理由があれば、サイト管理者の判断で削除してもらえるかもしれません。ただし、運営元により対応が異なり、連絡したもののいつまで経っても返信がもらえないケースも考えられます。
(3)弁護士に削除を依頼する
投稿者やサイト管理者と連絡が取れなかったり拒否されたり、削除申請への反応が見られない場合も少なくありません。個人での対応が難しいと判断した際には、早めに弁護士に依頼をするのがおすすめです。デジタルタトゥーを完全に削除するのは難しくても、影響を最小限に抑えるためには法的な知識が必要となります。SNSやインターネット上での拡散スピードは非常に速いため、できる限り早急に弁護士へ依頼をしましょう。
デジタルタトゥーの消し方にはさまざまな方法がありますが、自分だけの判断で行動せず、まずは法律の専門家でもある弁護士へ依頼をすると安心です。
- こちらに掲載されている情報は、2023年07月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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