モラハラ夫の特徴と原因|離婚だけではない対処法を解説
モラハラ夫から日常的にひどい言動を受けていると、心身ともに疲弊し日々の生活に向ける気力も損なわれてしまいます。また、夫婦の双方がモラハラを自覚していないケースもあるため、注意が必要です。
本コラムでは、モラハラ夫の特徴や原因、具体的な対処法について解説します。
1. モラハラとは?
モラハラとは、「モラルハラスメント」を指します。相手の人格や出自などを否定し、精神的に追い詰める行為がモラハラです。モラハラは本人や被害者が認識していないケースが多く、夫婦においては夫婦げんかとの区別がついていない人も少なくありません。
2. モラハラ夫の特徴
モラハラ夫に見られがちな言動には、いくつかのパターンがあります。ここでは代表的なものを紹介します。
(1)プライドが高く、常に人を見下している
プライドが高く、何かとマウントをとりたがるタイプです。マウントをとって優越感に浸り、相手よりも自分のほうが上であるとアピールします。
(2)自分の価値観を押し付けてくる
自分の価値観が何より正しいと考えており、妻にもそれを強要しようとするケースが珍しくありません。自分の価値観と異なる言動を妻がとると否定します。
(3)自己顕示欲が高い(友達や同僚より自分が優れていることを自慢する)
常に周りからの視線を気にしている傾向があり、他人より優れた人間と思われたい節があります。SNSでマウントをとるような発言をするケースも考えられます。
(4)妻のミスをしつこく責め、都合が悪いと責任転嫁する
モラハラをするタイプの男性は自分に甘く他人には厳しい傾向があります。妻がミスをすれば執拗(しつよう)に責める一方で自分の誤りは認めず、時に責任転嫁することもあります。
(5)生活費を十分に与えてくれない
生活費を妻に渡さない、渡したとしても十分な額ではないといったケースです。これは経済DVにも該当します。モラハラを常に受けている妻は、金額に不満があってもなかなか言い出せません。
(6)お金の話になると威圧的な言動をとる
妻が専業主婦であるケースでよく見受けられます。「誰のおかげで生活ができているんだ」、「自分は稼いでいないくせに」といった威圧的な発言を投げかけます。
(7)妻の人間関係によい感情を抱かず、制限して孤立させようとしてくる
モラハラ夫の多くは束縛が強い傾向があり、妻が自由に行動することにもいい顔をしません。行動を極端に制限し、同窓会やママ友とのお茶会などに行くのも禁止することがあります。
(8)外面がよく二面性がある
家庭内でひどいモラハラをしているにもかかわらず、外面はいいといったケースは珍しくありません。そのため、友人や知人などにモラハラを受けていると相談しても、「まさかあの人が」といった反応をされることがあります。
(9)突然怒り出したり、急に態度が変わり優しくなったりすることがある
感情の起伏が激しいのは、モラハラ夫によく見られる傾向です。夫の怒りのスイッチがどこで入るかわからないため、妻は常に顔色をうかがわなくてはなりません。
(10)妻を正社員にすることを嫌がる(経済的に独立させない)
妻が正社員として働き始めると、経済的に独立できるため、自分のそばから離れるかもしれません。それをおそれて、正社員として働こうとする妻の姿勢に難色を示します。
(11)子どもの教育について妻を責める
子どもの面倒は妻に押し付けているにもかかわらず、教育に関して妻を責めることがあります。「お前のせいで成績があがらない」「お前と同じで頭が悪い」といった発言で妻を追い詰めるケースが該当します。
3. モラハラが生じる心理と原因
心ない言動をする心理や、モラハラ夫になる原因などを理解することで、解決の糸口が見えてくる場合もあります。
(1)モラハラ夫の心理
モラハラ夫の多くは自己中心的であるだけでなく、自信がありません。妻の人格や人間性まで否定するかの如く辛辣(しんらつ)な言動を繰り返し、マウントをとろうとするのは自信のなさの裏返しです。自分の在り方に自信がないゆえに、妻を下に見てマウントをとり、安心しようとしています。
また、相手を支配したい気持ちが強いのもモラハラ夫の特徴です。「俺がいないと生活できないくせに」といった言葉を口にするのは、依存している妻を失いたくない気持ちの裏返しと考えられます。
(2)モラハラ夫になる原因
モラハラの原因として、自己愛性パーソナル障害や発達障害、幼少期のトラウマなど、心に何かしらの傷を負ったり病気を患っていたりしていることが考えられます。幼少期に親からモラハラや暴力を受けていた、過干渉や過保護だった、といったケースです。
また、モラハラな言動で妻を支配できたことに味を占めてしまった、会社で仕事が評価されずストレスが溜まっているなどのケースも考えられます。
4. モラハラ夫への対処法
日常的にモラハラ夫のひどい言動に晒(さら)されていると精神が疲弊し、いずれ限界がきます。できるだけ早めの対処が必要です。
(1)夫自身にモラハラを自覚させる
モラハラ夫の多くは、自分が妻にモラハラをしているとは認識していません。まずは、夫と話しあう時間を作り、モラハラを自覚させることから始めてみましょう。ただ、話の流れや内容次第では夫が逆上する可能性もあるため、注意が必要です。
(2)自分自身を変える(言いなりにならない)
モラハラ夫の言いなりになっていると、夫はますます図にのります。モラハラ夫の支配欲を満たすだけなので、自分自身を変える努力をするのもひとつの手です。嫌なことははっきり嫌と言うなど、できることから始めてみましょう。
(3)第三者へ相談する
共通の知人や友人など、第三者に相談することも良案です。モラハラ夫と2人での話し合いが怖い場合、第三者に仲介してもらうのもひとつの手です。
(4)別居をする
別居によって距離を置けば、現状を客観視できます。精神的な攻撃を受けることもなくなるため余裕が生まれ、自分が置かれている状況がいかに問題なのかを理解できるのも利点です。また、離れることでモラハラ夫が心を入れ替えてくれる可能性も、わずかながらあります。
(5)離婚する
いくつかモラハラ夫への対処法を紹介したものの、モラハラが改善するケースはまれです。そのため、モラハラ夫への対処としては離婚が一番です。ただ、モラハラや離婚を夫が認めず、スムーズに話が進まないことも珍しくありません。こうした問題に強い弁護士へ相談すれば、適切な対処法をアドバイスしてもらえます。
モラハラを受け続けると精神が疲弊し、毎日が楽しく感じられなくなります。一刻も早くこのような状況から抜け出せるよう、具体的な行動を起こしていきましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2023年11月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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