- (更新:2023年02月14日)
- 企業法務
顧問弁護士契約を結ぶメリットは? 活用方法や弁護士の選び方を紹介
顧問弁護士を活用することには、会社にとってコストであると同時に、多くのメリットが存在します。このコラムでは、顧問弁護士を活用することについてのメリットを具体的に紹介します。
1. 顧問弁護士とは
顧問弁護士は、顧問料を支払うことにより、会社と締結した顧問契約の範囲内で、会社の法務関連業務を優先的かつ継続的に対応してくれます。
顧問弁護士の特徴は、会社にとって専属性があることです。たとえば、会社の紛争相手方からは依頼を受けないことはもちろんのこと、会社の競合相手からの依頼は、会社の了承がないかぎり受任しないと取り決めることもできます。
会社およびその業界の状況や抱える問題をしっかりと理解し、その分野に知見と問題解決の実績がある顧問弁護士であれば、会社の期待にしっかりと応えるだけではありません。会社のビジネス拡大のために、あたかも経営コンサルタントのようなアドバイスをするときもあるでしょう。また、ときには耳が痛くなるような厳しくも有用なアドバイスも期待できるかもしれません。
顧問弁護士は、法律事案やトラブルを優先的に解決するだけではなく、ビジネス上の心強いパートナーにもなり得るというメリットがあるのです。
2. 顧問弁護士はなぜ重要?
なぜ、顧問弁護士の活用が拡大し、その重要性がますます注目されているのでしょうか。
それはビジネスの世界で、法律の重要性がますます高まっているためです。
端的な例は、コンプライアンスに違反した企業の多くが淘汰されているという現実でしょう。企業が事業を運営していくうえで、関係してくる法律は数多くあります。そして、新しい法律は次々と制定されていきます。そして多くの法律は、違反行為に対して罰則が設けられています。また、違反内容によってはその事実が公表されることもあります。
その結果、企業や経営者が罰則を科されてしまうケースや、法令違反による企業の評判悪化が原因で事業の運営すら立ちいかなくなってしまうこともあるのです。法令違反は、法律を知らなかったという理由では済まされません。
したがって、企業運営には、日ごろから顧問弁護士などを通じて法令改正などをキャッチアップし、事業継続に求められる法令遵守体制を構築しておくことが欠かせないといえます。
(1)契約書のカウンセリングを依頼できる
また、事業を継続し拡大していくなかで、取引先と契約を締結することは頻繁にあります。民法上、契約は当事者同士の口約束でも有効に成立するものです。しかし、後日の言った・言わないといった事態を避けるために、契約書を作成し締結しておくことが一般的です。
そのとき、契約書の内容が不十分だと、会社にとって一方的に不利な内容の契約になってしまうことがあります。また、法的要件を満たしていないことで、契約の全部または一部が法的に無効となってしまうこともあります。
そのような事態を防ぐために、依頼を受けた顧問弁護士は、法的知見を駆使し、会社の立場から契約書の作成を行ってくれるでしょう。また、取引先から提示された契約書の内容が、会社にとって妥当なものなのか否かをチェックしてくれます。
顧問弁護士に契約書に関する実務を依頼することによって、会社が後々のトラブルにより損失を被ることを防ぐというメリットが期待できるのです。
(2)クレーム対処を相談できる
そのほか、あまり考えたくないことですが、取引先からのクレームなどのトラブルについても、事業を継続するうえで避けて通れないものかもしれません。ときには訴訟に発展することもあるでしょう。そして、トラブルが長期化かつ複雑化すると、本業に支障が出てしまう事態も考えられます。
このような事態において、会社と業界の動向に精通し、トラブルの解決のための本質を見抜くことができる顧問弁護士がいれば、事態の早期収拾が期待できるでしょう。
3. 顧問弁護士の選び方
なお、現代の法律および必要な実務は、非常に複雑かつ多岐にわたっています。そのため、たとえ顧問弁護士であろうと依頼された法律案件のすべてを単独で対処することは難しい場合があります。法律問題だけでなく会社が抱えるさまざまな課題の解決に向けたサービスを、ワンストップで受けたほうが利便性が高いといえます。
したがって、顧問契約を締結する法律事務所を選択するときは、多様な専門分野を持つ多数の弁護士を擁し、さらに税理士や社会保険労務士とも提携している総合法律事務所をおすすめします。
まずは、身近で顧問弁護士サービスを提供している法律事務所に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
- こちらに掲載されている情報は、2023年02月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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