
- (更新:2021年07月15日)
- 企業法務
起業するときによくある法律トラブルと弁護士ができること
起業して会社設立をする場合、立ち上げ段階では煩雑な作業に追われるあまり、会社に関する法的な側面にまで気を配れないことが多いでしょう。
そんなときは、弁護士と顧問契約を結ぶなどしてリーガルチェックを依頼することをおすすめいたします。
この記事では、会社の創業期に生じがちな法律トラブルの例や、創業期から弁護士に相談するメリットについて解説します。
1. 起業して会社を設立する際に発生しがちな法律トラブル
会社を設立して事業をスタートすると、日々取り組むビジネスの中で、早速さまざまな法律問題に直面します。その中で、時には以下のような法律トラブルに遭遇してしまいがちです。
(1)取引に関する契約上のトラブル
新規に取引を開始する相手方との間では、取引に関する契約書を締結することになります。
契約書の内容は多岐にわたり、条項も読みにくいものが多いですが、よく確認せずに契約を締結すると、後々以下のような問題が生じてしまうケースがあります。
- 自社にとって不利な条項が含まれている
- 条項の文言が曖昧なため、当事者間で解釈が食い違ってしまう
- 必要となるオペレーションに関するルールが網羅されていないため、後から契約の加筆修正が必要になる
こうした問題が発生した場合、会社が不測の損害を被ったり、契約の見直しに関する二度手間が発生したりするなど、さまざまなデメリットが生じてしまいます。
そのため、契約書を締結する場合には、その内容について事前にリーガルチェックを行うことが必要不可欠です。
(2)従業員の雇用に関するトラブル
創業期から従業員を雇用する場合、労務管理に関するノウハウが十分に蓄積されていないことも多いでしょう。
会社の労務管理は、労働基準法や労働契約法などの法令のルールを踏まえて行う必要があります。特に時間外労働のルールは複雑であり、法令上の規定を見落としている経営者の方も少なくありません。
労務管理について法令違反の問題が生じている場合、会社と従業員の間にトラブルが生じる可能性が高くなります。したがって、労務管理全般についてのリーガルチェックも、会社を安定的に経営していくには大切です。
(3)業法に関するトラブル
自社の取り扱うビジネスが、各種業法によって規制されているかどうか、また規制内容がどのようになっているかについては、本来起業前に十分確認しておくべき事項です。
しかし、業法に関するリーガルチェックを十分に行わなかった結果、取り扱うビジネス全体が違法であったり、必要な行政上の手続きが行われていなかったりするケースが散見されます。
業法を順守することは、会社がビジネスを行ううえで大前提となる基本事項ですので、会社を立ち上げる段階から慎重にチェックすることが重要です。
2. 会社の創業期に弁護士に相談するメリット
上記の具体的な法律トラブルの例を踏まえると、会社の創業期から弁護士に相談するメリットは十分あります。
特に以下の2つの観点から、弁護士に相談するメリットは大きいといえるでしょう。
(1)ビジネスサイドに集中できる
会社の創業期は、これからビジネスを大きくしていこうという段階のため、営業活動やサービス開発などの実作業に相当な時間を取られます。創業期には従業員も少数のことが多いでしょうから、経営者自身もたくさん手を動かさなければなりません。
こうした状況の中で、できる限りビジネスサイドの事項に注力し、会社のビジネスを円滑に回していくためには、煩雑な法務作業について弁護士に外注するのが有効です。
弁護士にリーガルチェックを任せておけば、社内のリソースをプロフィット・センターの分野に割くことができますので、その分会社の成長速度も早まるでしょう。
(2)法的に安定したビジネスを構築できる
創業期の会社において、慣れない法律問題を社内だけで処理しようとするのは、検討の抜け漏れが生じる可能性が高く、非常にリスキーな選択です。
弁護士に依頼すれば、契約書の締結・労務管理といった日常のオペレーションについて、隅々までリーガルチェックを行き届かせることができます。網羅的なリーガルチェックは、会社のコンプライアンスを強化し、会社が紛争に巻き込まれるリスクを低下させます。
また、取引先などとの間にトラブルが発生したとしても、日常的に法律相談ができる弁護士がいれば、スムーズに対応に当たることができるため安心です。
創業期から弁護士に依頼することで、会社を法律上の各種リスクから解放し、ビジネスを拡大する安定した土台を作ることにつながります。
- こちらに掲載されている情報は、2021年07月15日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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