医療過誤における慰謝料の相場はいくら?
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医療過誤における慰謝料の相場はいくら?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

医療過誤によって後遺症が残った場合や死亡した場合には、患者や遺族は医療機関側に対して慰謝料を請求できます。医療過誤の慰謝料は高額になるケースも多いため、弁護士に請求を依頼するのがおすすめです。

今回は医療過誤の慰謝料について、金額相場や請求方法などを解説します。

1. 医療過誤の慰謝料相場はどのくらい?

医療過誤について被害者が医療機関側に対して請求できる慰謝料は、主に以下の4種類です。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料
  • 説明義務違反の慰謝料

(1)入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料は、医療過誤によって不要な入通院を強いられた場合、または入通院期間が延びた場合に請求できます。

入通院慰謝料の金額は、交通事故の場合に準じて、「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称:赤い本)の別表Ⅰまたは別表Ⅱを用いて計算するのが標準的です。

重症時には別表Ⅰを、軽症時には別表Ⅱを用います。

<別表I>

入院
期間
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月
通院
期間
53101145184217244266284297306314
1月2877122162199228252274291303311318
2月5298139177210236260281297308315322
3月73115154188218244267287302312319326
4月90130165196226251273292306316323328
5月105141173204233257278296310320325330
6月116149181211239262282300314322327332
7月124157188217244266286304316324329334
8月132164194222248270290306318326331336
9月139170199226252274292308320328333338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

(単位:万円)

<別表II>

入院
期間
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月
通院
期間
356692116135152165176186195204
1月195283106128145160171182190199206
2月366997118138153166177186194201207
3月5383109128146159172181190196202208
4月6795119136152165176185192197203209
5月79105127142158169180187193198204210
6月89113133148162173182188194199205211
7月97119139152166175183189195200206212
8月103125143156168176184190196201207213
9月109129147158169177185191197202208214
10月113133149159170178186192198203209
11月117135150160171179187193199204
12月119136151161172180188194200
13月120137152162173181189195
14月121138153163174182190
15月122139154164175183

(単位:万円)

なお、入通院慰謝料の対象となるのは、入通院の開始から完治もしくは死亡まで、または後遺症について症状固定の診断が行われるまでの期間です。

(2)後遺障害慰謝料の相場

医療過誤が原因で後遺症が残った場合、医療機関に対して後遺障害慰謝料を請求できます。

後遺障害慰謝料は、交通事故のケースで用いられる「後遺障害等級表」に従い、等級ごとに以下の金額が目安となります。

(参考:「後遺障害の等級及び限度額」(国土交通省))

1級3000万円
2級2590万円
3級2219万円
4級1889万円
5級1574万円
6級1296万円
7級1051万円
8級819万円
9級616万円
10級461万円
11級331万円
12級224万円
13級139万円
14級75万円

(3)死亡慰謝料の相場

医療過誤が原因で患者が亡くなった場合、遺族は医療機関に対して死亡慰謝料を請求できます。

死亡慰謝料の金額目安は、死亡した患者の家庭における立場に応じて、以下のとおりです。

一家の支柱2800万円
母親、配偶者2500万円
その他3000万円

(4)説明義務違反の慰謝料の相場

医療行為自体にミスがなかったとしても、医療機関側からリスクなどの十分な説明が行われなかった場合には、説明義務違反による慰謝料を請求できる可能性があります。

説明義務違反の慰謝料額は、数十万円から100万円程度が標準的です。

2. 医療過誤の慰謝料を請求する方法

医療過誤の被害について、適正な金額の慰謝料を請求するには、十分な証拠を収集してから実際の請求へ移ることが大切です。

(1)医療過誤の証拠を収集する

医療機関側のミスに関する証拠としては、以下の例が挙げられます。

  • カルテ
  • レセプト(診療報酬明細書)
  • 専門家の意見書
  • 関係者の証言

など

ただし、これらの証拠をスムーズに確保できるとは限りません。医療機関側によって改ざんなどが行われるリスクにも注意する必要があります。

医療機関側が証拠開示を拒否している場合や、証拠の改ざんなどが疑われる場合には、弁護士を通じて開示請求などを行いましょう。

(2)和解交渉・ADR・損害賠償請求訴訟など

医療事故に関する実際の損害賠償請求(慰謝料請求)は、医療機関側との和解交渉から始めるのが一般的です。

医療機関側の態度が誠実であれば、和解交渉が妥結に至り、早期に損害賠償を得られる可能性があります。

和解交渉が決裂した場合は、日本弁護士連合会の医療ADRを申し立てたり、裁判所に医療訴訟を提起したりして、損害賠償請求を継続しましょう。

(参考:「医療ADR」(日本弁護士連合会))

これらの手続きは専門性が高く、客観的な証拠資料に基づく主張・立証が要求されますので、弁護士のサポートを受けながら対応することをおすすめいたします。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年12月27日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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