医療過誤の法律相談はどこでできる? 相談するメリット
  • 2022年03月29日
  • 医療

医療過誤の法律相談はどこでできる? 相談するメリット

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

治療や手術の結果に納得がいかない場合には、病院に対して何らかの責任を追及したいと考えるでしょう。しかし医療ミスを疑ったとしても、自分だけではどのように進めたらよいのかわからないこともあると思います。その場合には、第三者に相談をすることも大事です。

今回は、医療過誤を疑った場合に相談すべき窓口や、弁護士をはじめ第三者に相談するメリットなどについて解説します。

1. 医療過誤だと思ったらどこに相談できる?

医療過誤の可能性があると思った場合には、以下のような窓口や機関に相談をしてみることをおすすめします。

(1)自治体の窓口

医療に関する相談は、全国各地の自治体でも専用の窓口を設けて対応しています。たとえば東京都では、「患者の声相談窓口」を設置して、医療に関する事項について無料の電話相談に応じています(通話・通信料は別途)。相談内容によっては、適切な担当部署や専門機関を案内してくれることもあります。

ただし、自治体の窓口では、医療過誤における病院側の過失や因果関係の有無、責任の所在の判断は行っていません。また、トラブルの解決は当事者同士の話し合いが原則になりますので、病院側との仲裁や調停を行うこともできません。

(2)一般社団法人

一般社団法人 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)では、医療事故調査の実施に関する相談窓口を設けています。医療事故調査とは、医療事故の再発防止を目的に、その発生原因を明らかにする調査です。

医療事故調査の対象となるものは、医療に起因する死亡または死産の事案ですので、医療事故によって障害が生じた事案は対象外です。また、医療事故調査の結果は患者の遺族に報告されるものの、調査の目的はあくまで事故の再発防止にあり、病院側の責任追及までは行われません。

(3)各弁護士会

全国各地の弁護士会では、医療法律相談窓口を設置して各弁護士会に所属する弁護士が医療過誤に関する相談に対応しています。たとえば東京弁護士会では、30分5500円と有料にはなりますが、面談による相談を受け付けています。

医療過誤に関する相談の目的としては、「病院に対して責任追及をしたい」という動機の方が多いため、責任追及の可能性についてアドバイスを得られるというのは、他の相談窓口にはないメリットです。しかし、事案の専門性かつ特殊さから、相談を担当した弁護士に医療過誤の経験が少なかった場合、十分なアドバイスをもらえない可能性もあります。

(4)医療過誤に取り組んでいる法律事務所

医療過誤を理由に病院への責任追及を考えている場合には、医療過誤事件に積極的に取り組んでいる法律事務所へ相談をするのがもっとも有効な手段と考えられます。自治体や一般社団法人などの相談窓口は、病院側の過失や因果関係の有無までは判断してくれませんので、責任追及には直接結びつきません。

また、医療過誤を取り扱う際には、専門的かつ複雑な知識が必要になります。医療過誤に積極的に取り組んでいる法律事務所であれば、経験をもとに、問題解決に向けてより適切に対応することができるでしょう。

2. 医療過誤で医療従事者に生じる責任

医療過誤が発生した場合には、医療従事者に対して以下のような責任が生じます。

(1)民事上の責任

医師や医療従事者の過失によって患者の生命が奪われたり、身体に障害が残ったりした場合には、医療過誤として民事上の責任を追及することができます。民事上の責任としては、患者やその遺族が被った損害の賠償が中心となります。

民事上の責任を追及する場合には、医師や医療従事者に過失があったこと、その過失によって結果が生じたこと(因果関係)を患者側が立証していかなければならず、個人で対応することは非常に難しいといえます。そのため、民事上の責任を追及する場合には、医療過誤を取り扱う弁護士に早めに相談をするとよいでしょう。

(2)刑事上の責任

医療過誤が発生した場合には、医師または医療従事者は、刑事上の責任を問われることがあります。患者が障害を負ったり、死亡したりした場合には、業務上過失致死傷罪(刑法211条1項前段)が、カルテの改ざんなどが行われた場合には、証拠隠滅罪(刑法104条)が成立する可能性があります。

これらの犯罪の疑いがある場合には、警察が必要な捜査を行い、検察官がその結果を踏まえて起訴または不起訴の判断を行います。起訴され、有罪となった場合には、法定刑の範囲内で刑罰が科されることになります。なお、業務上過失致死傷罪は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金、証拠隠滅罪の法定刑は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が法定刑として規定されています。

(3)行政上の責任

医師法7条では、問題のある医師に対する処分として、以下の行政処分を定めています。

  1. 戒告
  2. 3年以内の医業停止
  3. 免許の取り消し

上記のうち、一般的には、医療過誤だと医業停止処分が下されることが多いようです。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年03月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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