虐待を通報するとどうなる?
  • 2022年10月12日
  • 家族・親子

虐待を通報するとどうなる?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

近所で子どもに対する虐待を発見したら、児童相談所などへ通報する義務を負います。通報した事実が虐待の行為者などに伝わることはありませんので、もし虐待を発見した場合は、速やかに児童相談所などへ通報しましょう。

今回は、児童虐待の種類・通告義務・通告先などを解説します。

1. 虐待とは? 児童虐待防止法に規定される虐待の種類

児童虐待は、「児童虐待の防止等に関する法律」(児童虐待防止法)で禁止されています(同法第3条)。

「児童虐待」に当たるのは、保護者※の児童※に対する行為であって、以下のいずれかに該当するものです(同法第2条)。

※保護者:親権者、未成年後見人など、児童を現に監督保護する者
※児童:18歳未満の者

(1)暴行を加えること

保護者が児童に対して、児童の身体に外傷が生じ、または外傷が生じるおそれのある暴行を加えることは、児童虐待に当たります(児童虐待防止法第2条第1号)。

(例)

  • 殴る
  • 蹴る
  • 物を投げてぶつける
  • 縛り付けて皮膚をうっ血させる

など

(2)わいせつ行為をすること・させること

保護者が児童に対してわいせつな行為をすること、および児童にわいせつな行為をさせることは、いずれも児童虐待に当たります(児童虐待防止法第2条第2号)。

(例)

  • みだりに児童の身体に触る
  • 児童と性交渉を行う
  • 児童に公の場で身体を露出させる
  • 児童に売春をさせる
  • 児童に性風俗店で勤務させる

など

(3)著しい減食・長時間の放置・同居人による虐待の放置など

以下に挙げる行為を保護者がした場合、保護者としての監督保護を著しく怠るものとして、児童虐待に当たります(児童虐待防止法第2条第3号)。

(例)

  • 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食、長時間の放置
  • 保護者以外の同居人による虐待行為の放置

など

(4)著しい心理的外傷を与える言動

保護者が児童に対して、著しい心理的外傷を与える言動を行った場合、児童虐待に該当します(児童虐待防止法第2条第4号)。

(例)

  • 著しい暴言
  • 著しく拒絶的な対応
  • 児童が同居する家庭における、配偶者に対する暴力(内縁者に対する暴力を含む)

など

2. 児童虐待の現場を発見したら、通報の義務がある

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、速やかに以下のいずれかの機関へ通告しなければなりません(児童虐待防止法第6条第1項)。なお、児童委員を介して通告することもできます。

  • 市町村
  • 都道府県の設置する福祉事務所
  • 都道府県の設置する児童相談所

通告等をきっかけとして、保護者に監護させることが不適当であると認められた児童は、児童福祉法上の「要保護児童」として取り扱われ、各種の支援措置の対象となります(児童虐待防止法第6条第2項、児童福祉法第25条第1項)。

子どもの安全が著しく脅かされている等状況が深刻な場合には、児童相談所長による一時保護措置により、児童を保護者から強制的に引き離すケースもあります(児童福祉法第33条第1項)。虐待を受けた児童を保護する観点からは、虐待現場の発見者が直ちに通告を行うことがきわめて重要です。

なお、児童虐待の通告を受けた市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所、または児童委員は、通告者を特定できるような事実を漏らしてはならない秘密保持義務を負います(児童虐待防止法第7条)。

したがって、だれが児童虐待相談や通告をしたのかという事実が、虐待行為者に対して伝わることはありませんので、発見次第すぐに通告を行いましょう。

3. 児童虐待に関する通告・相談窓口

児童虐待に関する通告・相談窓口は、前述のとおり、以下のいずれかの機関または児童委員です。

  • 市町村
  • 都道府県の設置する福祉事務所
  • 都道府県の設置する児童相談所

上記の機関に直接通告する場合、市区町村役場や地域の窓口へ出向いて手続きを行うこともできます。また、児童相談所に対しては、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」からも通告することが可能です。

(参考:「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(厚生労働省))

「189」にダイヤルすれば、児童相談所へとすぐに繋がりますので、その場で児童虐待を発見したことを通告・相談できます。

通告・相談は匿名で行うことができ、通話料も無料です。また前述のとおり、児童相談所の担当者は秘密保持義務を負いますので、だれが虐待通告・虐待相談をしたのかという事実が虐待行為者に伝わることはありません。

虐待被害を受けている児童を守るためにも、速やかに児童相談所などへの通告を行いましょう。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年10月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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