LINEいじめは訴えられる? いじめられていると感じたら

LINEいじめは訴えられる? いじめられていると感じたら

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

最近では中学生・高校生を中心として、LINEなどのメッセンジャーアプリやSNS上でのいじめが横行しています。

いじめは違法行為であり、被害に遭った場合には、加害者の法的責任を追及することが可能です。もしいじめを受けている場合には、一人で抱え込まずに、行政の窓口や弁護士へお早めにご相談ください。

今回は、LINEなどのメッセンジャーアプリやSNS上でのいじめについて、法的責任や訴える方法、いじめの被害を受けた場合の相談先などを解説します。

1. LINEいじめ(ネットいじめ)とは?

よくあるパターン

手軽に利用できるメッセンジャーアプリやSNSも、使い方によってはいじめの道具になってしまいます。

特にLINEは、中学生・高校生の間でも幅広く普及している反面、グループLINEなどの機能がいじめの道具として用いられるケースも多いようです。

(例)

  • LINEグループの特定の参加者に対して、他の参加者が一斉に暴言を浴びせる
  • 合理的な理由がないのに、LINEグループから特定の参加者を強制的に退会させる
  • 全員参加のLINEグループとは別に、いじめ対象者だけを除いた別のLINEグループを作成して悪口を言う

など

2. LINEいじめをした加害者の法的責任は? 訴えることはできるのか?

LINEいじめは違法行為であり、被害者は加害者に対して、民事・刑事上の法的責任を追及できます。

(1)いじめ=不法行為

損害賠償を請求できる

被害者に対して精神的損害を与えるいじめは、「不法行為」に該当します(民法第709条)。いじめの被害者は加害者に対して、不法行為に基づき、慰謝料などの損害賠償を請求することが可能です。

加害者に対する損害賠償請求は、直接の和解交渉を通じて行うほか、民事訴訟を通じて行うこともできます。

(2)名誉毀損罪・侮辱罪などで刑事告訴も可能

複数の参加者がいるLINEグループでいじめが行われた場合、公然と他人の社会的評価を下げるような言動に当たるため、「名誉毀損罪」(刑法第230条第1項)や「侮辱罪」(刑法第231条)が成立する可能性があります。

また、いじめによって深刻な精神的ダメージを負い、うつ病や急性ストレス障害を患った場合などには、加害者に「傷害罪」(刑法第204条)が成立する余地もあります。

名誉毀損罪・侮辱罪・傷害罪の法定刑は、以下のとおりです。

  • 名誉毀損罪:3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
  • 侮辱罪:1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料
  • 傷害罪:15年以下の懲役または50万円以下の罰金

被害者は、いじめの加害者の刑事処罰を求めるため、捜査機関(警察・検察)に対して刑事告訴を行うことができます(刑事訴訟法第230条)。

3. LINEいじめの被害を受けた場合の相談先

LINEいじめを受けた場合、早めに行政の窓口や弁護士に相談することが、精神的な負担を和らげ、問題を早期に解決するための近道です。

もしLINEいじめを受けてしまったら、以下のいずれかの窓口へ相談してみましょう。

(1)24時間子供SOSダイヤル|文部科学省

文部科学省では「24時間子供SOSダイヤル」を設置し、18歳以下の子どもを対象として、いじめ被害や友達付き合いなどに関する相談を受け付けています。

(参考:「子供のSOSの相談窓口」(文部科学省))

通話料は無料で、24時間365日、いつでも相談することが可能です。相談員に話を聞いてもらうだけでも楽になる可能性があるので、いじめに悩んでいる場合は、一度電話をかけてみましょう。

(2)子どもの人権110番|法務省

法務省では「子どもの人権110番」を設置し、学校でのいじめ対策や家庭内暴力などに関する相談を受け付けています。

受付時間は平日の日中に限られますが、通話料は無料です。メールでの相談も受け付けているので、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」と併せてご利用ください。

(3)弁護士

学校に対する働きかけをしたい場合や、加害者に対する損害賠償を請求したい場合には、弁護士への相談がお勧めです。

弁護士は、加害者との和解交渉や損害賠償請求訴訟、刑事告訴などの手続きをサポートしてくれます。知り合いやインターネットで探した弁護士に直接連絡しても良いですし、地域の弁護士会を通じて弁護士を紹介してもらうのも良いでしょう。

(参考:「弁護士子どもSNS相談」(第二東京弁護士会))

いじめという違法行為から被害者を救うため、弁護士は知識と経験を生かして、あらゆる手段でサポートしてくれます。LINEいじめの被害に遭ってしまったら、一人で抱え込むことなく、早い段階で弁護士への相談をご検討ください。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年10月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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