離婚後、離婚条件を変更したい。弁護士へ依頼するメリット
離婚協議書を作成して離婚したものの、あとから必要に迫られて条件の変更を考えることがあるかもしれません。とはいえ、一度決めた条件をあとから変更することは可能なのでしょうか。離婚後に離婚条件を変更するためには、いくつかの要件を満たさなければいけません。
本コラムでは、離婚条件の変更について詳しく解説します。
1. 離婚後、離婚条件は変更できる?
離婚後、離婚協議書で取り決められた離婚条件を変更することは原則的に不可能です。離婚協議書は、当事者間で合意された内容が実行されることを保証するための法的に拘束力を持つ契約だからです。
多くの離婚協議書では、財産分与や親権、養育費など、お互いや子どもの人生に大きく関わる内容が取り決められています。いつでも変更できるものであれば離婚協議書を取り交わす意味がないため、一度決めた離婚条件を変更することは原則としてできません。
離婚前に細かい部分までしっかりと取り決めを行い、変更の必要がないようにしておくことが一番です。
とはいえ、やはりどうしても「変更したい」と考えざるを得ない状況に直面する人もいます。以下に述べるとおり、所定の条件を満たしていれば、例外として変更できるケースもあります。
2. 離婚後、離婚条件を変更できるケース
離婚後、離婚条件を変更することは一般的に難しいですが、いくつかの例外的な状況が考えられます。元配偶者が離婚条件の変更へ合意した場合や、想定外の事態になった場合などです。
(1)離婚条件をほぼ決めずに離婚した場合
離婚時に離婚条件がほぼ決められていなかった場合、あとで離婚条件の追加や変更について考える余地が出てきます。特に、離婚協議書が不十分で具体的な条件が定められていないのであれば、当事者同士で新たな合意を結ぶことは可能です。合意の上で離婚条件を追加、変更することになれば、再度合意文書を作成し、署名する必要があります。
(2)離婚条件の変更に元配偶者が合意している場合
離婚条件の変更について元配偶者が合意しているのであれば、新たな条件の設定が可能です。当事者同士が合意書を作成し、署名することで変更が有効となります。元配偶者の合意は変更における重大な要素です。合意と協力がある場合は柔軟な離婚条件の変更が見込めます。
(3)想定していなかった事態が発生した場合
離婚条件を決定したときには想定していなかった事態が発生したのであれば、変更の検討が必要になることがあります。たとえば、離婚後に元配偶者の収入が大幅に減少したり、健康上の問題を抱えたりして養育費の支払いが困難になった場合、新たな条件を協議するべきかもしれません。ただし、このようなケースでも元配偶者の合意が必要です。合意が得られない場合には裁判所の介入が必要となる可能性があります。
上述のような事情があっても必ずしも条件を変更できるとは限りません。その際には弁護士から法的な助言を受けること、適切な手続きを踏むことが重要です。
3. 離婚条件の変更を弁護士に依頼するメリット
弁護士に離婚条件の変更手続きを依頼することには多くのメリットがあります。親権・監護権、養育費、面会交流、財産分与など、デリケートな事情や複雑な法律が絡むときには依頼を検討するとよいでしょう。
(1)親権・監護権
親権や監護権を持つ人に大きな事情変更があった場合、子どもの現状や将来に悪い影響が出る可能性があります。親権者の健康状態や経済状況、環境が著しく悪化する事態になった場合、子どもに深刻な影響が出ないうちに離婚条件を変更した方がよいかもしれません。
ただし、親権や監護権の変更は、しばしば感情的な紛争につながります。弁護士は紛争において円満な合意を促進する役割を果たします。離婚条件の変更にあたり、法的な手続きを着実に進め、依頼者の権利と子どもの健全な成長を守ります。
(2)養育費
養育費は長期間にわたって子どもに影響する問題ですが、事情の変化により、増額または減額の請求が行われる可能性があります。
増額の例としては、子どもの進学や留学などで学費が想定よりも増えた、子どもの健康状態の変化により医療費が必要になった、などが挙げられます。減額の例としては、親権者の収入の増加や、非親権者の退職や失職による収入の減少、親権者の再婚による、再婚相手と子どもの養子縁組などが該当します。
養育費の変更は元配偶者の合意があれば可能ですが、通常は元配偶者の負担が増えることになるため、合意を取りつけるのは容易ではありません。話し合いによる合意を得られない場合は、裁判所での手続きが必要になります。このようなケースにおいて、弁護士は養育費変更の主張を支えるために必要な情報として、収入や経済状況に関する証拠を集めて裁判所に提供し、適正な変更へと導きます。
(3)面会交流
面会交流は非親権者と子どもの交流を確保する権利です。離婚時に面会交流のルールを決めていなかったり、環境の変化があったりした場合には、面会交流の方法や回数について再度話し合いが必要になります。
弁護士は面会交流の事例や法的側面に詳しく、適切な面会交流スケジュールやルールを提案します。また、元配偶者との連絡や交渉が難しい場合、間に入って円滑な面会交流の実現を目指すことも可能です。
(4)財産分与
離婚時には財産分与について取り決めていなかったとしても、離婚後2年以内に限り、財産分与を請求できることが法律で定められています。その際には財産分与調停の申し立てが必要です。
ただし、これはあくまで離婚時に財産分与の取り決めをしていなかった場合に限ります。取り決めが行われていた場合には、原則として変更できません。例外として、当初認識した財産の価値に誤解(錯誤)があった場合や意思表示に不具合(瑕疵)があった場合などは認められることもあります。
弁護士は法律や判例に精通しており、離婚条件の変更が必要な場合や、変更が可能な場合に、適切に手続きを進められます。離婚後、離婚条件の変更を検討している場合には、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
- こちらに掲載されている情報は、2023年12月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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