子どもとの面会交流を第三者機関に依頼したい。支援団体と支援内容を紹介
子どもがいる夫婦の場合、離婚時に、離婚後の面会交流について取り決めをすることが多いと思います。子どもにとって親との面会が大切であるということは理解しているものの、様々な事情から元配偶者と連絡を取ったり、顔を合わせたりするのが苦痛だという方も少なくありません。
このような場合には、面会交流で第三者機関を利用することをおすすめします。第三者機関を利用すれば、さまざまな支援を受けられますので、安心して面会交流を実施することができます。
今回は、面会交流の第三者機関の概要と、利用する場合の注意点などについて、わかりやすく解説します。
1. 面会交流の第三者機関とは
面会交流の第三者機関とはどのようなものなのでしょうか。
(1)第三者機関とは
面会交流の第三者機関とは、当事者だけでは面会交流を行うことが難しい場合に、面会交流の実現を円滑にサポートしてくれる面会交流支援団体のことです。
面会交流の第三者機関では、主に以下のようなタイプのサポートをしてもらえます。
- 連絡調整型(面会交流の日程調整などをサポート)
- 受け渡し型(子どもの受け渡しをサポート)
- 付き添い型(面会交流の場に付き添う)
面会交流にあたり、上記のようなサポートを受けたいという場合には、第三者機関の利用を検討することをおすすめします。
(2)代表的な第三者機関
面会交流の第三者機関には、都道府県や市区町村などの自治体が主体となっているものと、民間の団体が主体になっているものの2種類があり、その中でも代表的な第三者機関としては、以下のものが挙げられます。
①自治体の第三者機関
- 東京都(東京都ひとり親家庭支援センターはあと)
- 兵庫県(明石市政策局市民相談室)
- 熊本県(熊本市母子家庭等就業・自立支援センター)
②民間の第三者機関
- 公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)
- 一般社団法人びじっと 離婚と子ども問題支援センター
- NPO法人ウィーズ
民間の第三者機関の中でも、公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)は聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。東京以外にも大阪・横浜・千葉・宇都宮・新潟・名古屋・広島・松江・松山・盛岡に相談室が設置されていますので、該当地域にお住まいの方は、利用を検討してみるとよいでしょう。
2. 第三者機関を利用するといいケース
以下のようなケースについては、第三者機関の利用をおすすめします。
(1)面会交流の日程調整が困難
面会交流で元配偶者と顔を合わせることには、不安を感じないものの、面会交流の日程調整に対して負担を感じている場合には、第三者機関の連絡調整型の支援を受けるとよいでしょう。
第三者機関が当事者の間に入って、面会交流の連絡や日程調整などを行ってくれるため、スムーズに面会交流を実施することができます。
(2)元配偶者と顔を合わせたくない
子どもの年齢が幼い場合には、面会交流をする際に子どもを受け渡すために、父母が顔を合わせる必要があります。様々な事情から、元配偶者と顔を合わせたくないという場合には、第三者機関の受け渡し型の支援を受けるとよいでしょう。
受け渡し型では、子どもの受け渡しを第三者機関の担当者が行ってくれますので、元配偶者と顔を合わせる必要はありません。
(3)元配偶者が子どもを連れ去る可能性がある
元配偶者が子どもを連れ去る可能性があるなど、面会交流の実施にあたって不安がある場合には、第三者機関の付き添い型の支援を受けることをおすすめします。
付き添い型では、実際の面会交流の場に、第三者機関の担当者が付き添ってくれますので、元配偶者による子どもの連れ去りを防ぐことが可能です。
3. 第三者機関を利用する場合の注意点
面会交流で第三者機関を利用する場合には、以下の点に注意が必要です。
(1)第三者機関の利用にあたっては費用がかかる
自治体が主体となる第三者機関については、実費を除いて無料とされていることが一般的です。しかし、全国の自治体に面会交流の第三者機関が存在するわけではありませんので、お住まいの地域に自治体の第三者機関がない場合には、民間団体の第三者機関を利用することになります。
民間団体の第三者機関を利用する場合には、支援内容に応じた費用が生じる点に注意が必要です。子どもの面会交流は、定期的に実施するもののため、毎月第三者機関を利用するとなれば、費用負担も大きくなってきてしまいます。そのため、誰がどの程度費用を負担するのかを事前に相談しておくことが大切です。
(2)利用にあたって一定の条件を満たす必要がある
面会交流の第三者機関によっては、利用にあたって一定の条件を設けているところもあります。そのような第三者機関を利用する場合には、設けられている条件を満たさなければ利用することができません。
そもそも、元配偶者が第三者機関の利用に消極的であるケースでは、第三者機関に利用の申し込みをしたとしても断られてしまうことがあります。
そのため、面会交流で第三者機関の利用を考えている場合には、話し合いや面会交流調停といった面会交流の取り決め段階から、第三者機関の利用を前提とした取り決めをする必要があります。
スムーズに取り決めをするためには、専門家である弁護士のサポートが不可欠となりますので、まずは、弁護士に相談することをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2023年07月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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