
- (更新:2025年02月20日)
- 離婚・男女問題
マザコンを理由に離婚できる? 離婚する方法と注意点は
夫が母親に過度に依存しており、母親から自立できない状態を「マザコン」と呼ぶことがあります。母親を大切にする気持ちは大事ですが、母親を優先し、家庭を顧みないことが行き過ぎてしまうと夫婦生活にも影響を及ぼすことがあります。このような夫のマザコンを理由に離婚することはできるのでしょうか。
今回は、マザコンを理由に離婚する方法とその注意点について、わかりやすく解説します。
1. マザコンの典型例は? 離婚原因になる?
マザコンとはどのような状態をいうのでしょうか。また、マザコンを理由に離婚することはできるのでしょうか。
(1)マザコンの3つの典型例
マザコンとは、母親に精神的に依存しており、母親から自立できていない状態のことをいいます。以下のようなケースに該当する場合には、マザコンである可能性が高いといえるでしょう。
①大切なことは母親に決定してもらう
マザコンは、母親に過度に依存している状態ですので、重要な決断を迫られるような出来事に直面すると、必ず母親に意見を求め、母親に判断してもらおうとします。
自分自身の問題だけでなく、夫婦の問題や子どもの問題に関しても、母親の意見を求めるのが特徴です。
②妻の意見よりも母親の意見を優先する
マザコンは、妻の意見よりも母親の意見を優先する傾向があります。母親が絶対的な存在であり、母親の意見に従っていれば間違いないと妄信していますので、たとえ妻であっても母親以外の意見を聞き入れようとはしません。
③母親のやり方を押し付ける
マザコンは、母親のやり方がすべて正しいと考えていますので、妻の掃除、洗濯、料理などのやり方を母親と比較して批判したり、同じやり方にするように押し付けてきたりします。
(2)マザコンだけでは法定離婚事由には該当しない
夫婦の話し合いによる協議離婚であれば、どのような離婚原因であっても離婚の合意が得られれば、離婚することができます。そのため、相手が離婚に納得してくれるのであれば、マザコンを理由に離婚をすることも可能です。
しかし、マザコンは、離婚をするかどうかについても母親の意見に従う傾向にありますので、母親が離婚に同意しない場合には、協議離婚の方法では離婚をすることはできません。
このような場合には、最終的に裁判離婚による離婚を目指すことになりますが、離婚裁判では、以下のような法定離婚事由が存在していなければ離婚ができません。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 配偶者の生死が3年以上明らかでない
- 強度の精神障害になり、回復の見込みがない
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
マザコンは、上記の法定離婚事由のいずれにも該当しませんので、夫がマザコンであるという理由だけでは、裁判で離婚することは難しいでしょう。
2. マザコン夫とスムーズに離婚する方法は?
マザコン夫とスムーズに離婚するには、以下の方法を検討する必要があります。
(1)離婚理由となる証拠を確保する
マザコン夫が離婚に同意してくれない場合には、法定離婚事由に該当する事情がなければ裁判で離婚することができません。そのため、マザコン夫と離婚するためには、離婚理由となる以下の証拠を確保することが重要です。
- 不貞の証拠
- モラハラやDVの証拠
- 夫婦関係が破綻している証拠
証拠がない状態で離婚を切り出しても、相手が離婚に応じてくれないとそれ以上手続きを進めることができません。そのため、離婚理由となる証拠を確保してから、離婚の話し合いをするようにしましょう。
(2)別居に踏み切る
相手が離婚に応じてくれない場合には、別居に踏み切るというのも有効な手段となります。
一緒に生活をしていると相手も離婚について真剣に考えてくれませんが、別居をして距離を置くことで、離婚が現実の問題だと認識してくれる可能性が高くなります。
また、別居期間が長期間に及べば夫婦関係の破綻を基礎づける事情のひとつになりますので、裁判で離婚する際に有利な事情として考慮してもらうことができます。そのため、離婚の話し合いが進展しない場合には、別居に踏み切るという方法も検討するとよいでしょう。
なお、別居に踏み切る際には、事前に転居先や持っていく家具を決めておくなど、用意周到に準備した方がいいです。それこそ、事前に別居することを相手に相談された場合、暴力や妨害を受ける可能性もありますので、どのような方法で別居するのか、慎重に考えて行動された方がいいです。別居したらすぐに弁護士から相手に通知を送って窓口になってもらうなど、別居前から弁護士と綿密に進めていくことをおすすめいたします。
(3)離婚問題に詳しい弁護士に相談
マザコン夫と離婚するためには、法定離婚事由に該当する事情があるかどうかによって、離婚の方針が大きく異なってきます。そのため、まずは、弁護士に相談をして、ご自身のケースで離婚が可能であるかを判断してもらうとよいでしょう。
マザコン夫との離婚では、相手の母親が常に意見してきますので、話し合いをするにも大きなストレスが生じます。弁護士であれば、本人に代わって相手と話し合いをすることができますので、そのようなストレスも大幅に軽減することができます。
- こちらに掲載されている情報は、2025年02月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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長瀬 佑志 弁護士
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