妻が不貞行為! 証拠集めのしかたと慰謝料請求ができるケース
  • 2022年06月10日
  • 離婚・男女問題

妻が不貞行為! 証拠集めのしかたと慰謝料請求ができるケース

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

妻に不倫をされた夫が離婚を検討するとき、慰謝料を請求したいとお考えになることは当然のことでしょう。しかし、不貞行為の証拠がなければ、請求をしても認められない可能性があります。

今回は妻が不貞行為をした場合の慰謝料請求について説明します。

1. 妻の不貞行為を証明するには?

そもそも、不貞行為というのは法律上、配偶者以外と肉体関係を持つことを言います。そのため、腕を組んで歩いたり、キスをしたりする行為自体は不貞行為ではありません。妻の浮気を離婚の原因として話を進めていくためには、妻が不貞行為をしていたことを立証する必要があります。

それでは、不貞行為を証明できる証拠にはどのようなものがあるのでしょうか。

(1)不貞行為が認められる証拠

①写真やビデオ映像

効果的な証拠としては、まず、不貞行為そのものを撮影した写真やビデオ映像、または不貞行為があることを推測させる行動や物の写真やビデオ映像が挙げられます。たとえば、ラブホテルに出入りしている場面を写真に収めることができると、「性行為を確認または推認できる証拠」として利用可能です。

写真や動画の内容は、親密な関係にあるということを推測させるだけでは十分ではなく、性行為があったことを確認または推測できるものである必要があります。

②メールやLINE、SNSなど

ただの業務などを超えて親密なやり取りをしているというだけでは肉体関係は確認できませんので不十分です。不貞行為の証拠としては、具体的に不貞行為をしたことが第三者でも確認できる内容である必要があります。

なお、本人の許可を得ずログインして取得した場合、あなたが罪に問われてしまう可能性が出てきますので証拠収集をする際には注意しましょう。

③録音データ

配偶者の不貞事実を認める発言を録音しておくと、念書などを書いてもらわなくとも、裁判で有利に進められる証拠になりえます。

④探偵や調査会社の調査報告書

探偵や調査会社による調査報告書はホテルに出入りする写真などが内容に含まれていることも多く、効果的な証拠になることもあります。

(2)不貞行為の証拠収集方法

証拠集めは、相手に気づかれる前に行う必要があります。気づかれると、隠される可能性が高くなってしまうためです。では、これらの証拠をどのように集めていけば良いのでしょうか。

方法は大きく分けて2種類あります。

①自分で集める

時間に余裕がある場合や相手の行動にスキがある場合は自分で証拠を集めることも可能でしょう。コストも抑えることができるので、まずは自分で証拠を探すとよいでしょう。

主な方法としては、ポケットや財布の中身、クレジットカードの明細、メールや通話履歴、ネットの検索履歴などをチェックすることです。

なお、無断で相手のIDを利用してログインすると、不正ログインによりあなたが罪に問われてしまう可能性が出てきますので注意する必要があります。

②探偵事務所や調査会社へ依頼する

実際問題、多くの家庭では男性は平日に会社にいることが多いでしょう。夫が働いている間に不貞行為をするケースは少なからずあり、その場合には証拠を集めるのは難しくなります。

ご自身で探すのが難しい場合には、探偵事務所や調査会社に依頼することでホテルに出入りする写真など重要な証拠を取得できる場合もあります。ただし、高額の費用がかかりますので、依頼前に料金の詳細を十分に確認しましょう。

なお、探偵事務所などへ依頼する前に、まず弁護士へ相談をされるとよいでしょう。状況に適した証拠の集め方やどのような写真が証拠となりうるかなどについてアドバイスを得られることがあります。

2. 妻にも浮気相手にも慰謝料を請求することは可能?

(1)慰謝料を請求するための条件

もしも妻が浮気をしていた場合、以下の4つの条件を満たしていれば慰謝料の請求が可能です。

①不貞行為の事実

不貞行為は法律上、配偶者以外の者と肉体関係を伴う交際を行うことを指します。手をつないでいた、2人で飲みに行っていたなどだけであれば、不貞行為とは言えません。

②請求される側に故意または過失があること

不貞慰謝料が認められるには、請求される側に不貞行為であることについて故意または過失があることが必要です。つまり、不貞行為であること、すなわち既婚者であることを知っていたか、または知らなかったことに過失があることが必要ということを意味します。

妻は自身が既婚者であって、不貞行為であることについて認識がないはずがないので、これは問題なく認められます。不貞相手については後述します。

③夫婦関係が破綻していないこと

慰謝料請求をすると、請求された側が「既に夫婦関係が破綻していたから慰謝料を支払う必要はない」と反論してくることがあります。

慰謝料請求が認められるためには、請求する側の権利が侵害されたという必要がありますが、夫婦関係が破綻している場合には権利侵害があったことが認められず、請求が認められない可能性があります。

実際に、過去の裁判例から、長年別居が続いていると婚姻関係が破綻していると認められてしまい、慰謝料請求が認められない可能性が高くなります。また、すでに離婚を前提に別居している間に妻が不貞行為をした場合、夫婦関係がすでに破綻していたと認められて慰謝料請求が認められない可能性が高いと言えます。

④時効が成立していないこと

不貞行為に対する慰謝料請求には時効が存在します。不貞行為の事実及び不倫相手を知ってから3年、または、不貞行為から20年が経過すると、慰謝料の請求権が時効により消滅してしまいます。

時効期間が経過しても、相手がその経過を主張しなければ請求は認められますが、上記の期間を経過すると、相手がその主張を行えば請求は認められません。慰謝料請求を行いたいのであれば、時効が成立する前に請求してしまいましょう。

(2)不貞行為の相手にも慰謝料を請求できる

慰謝料を請求する対象は配偶者だけではありません。不貞行為の相手に対しても慰謝料を請求できます。

不貞行為の相手への請求については、上記の「故意・過失」の部分が問題になることもあります。

不貞行為の相手の過失が否定されるのは、妻が不貞相手に対して、自身は独身であると殊更主張していて不貞相手が疑う余地がなかったような場合です。

「既婚者だという認識はあったが、夫婦関係が既に破綻していると認識していた」という主張がなされることがありますが、この主張により過失が否定されることはあまりありません。

なお、慰謝料は妻と不貞相手の双方に請求することができますが、2倍の額を支払ってもらえるということではありません。

すなわち、不貞行為により受けた精神的損害の慰謝料額が150万円だとすると、妻と不貞相手の双方から150万円ずつ支払ってもらえるわけではなく、二者の合計額が150万円であり、どちらかから150万円支払ってもらった後は、もう一方からさらに支払ってもらうことはできません。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年06月09日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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