借金を放置し続け、裁判所からの督促も無視したらどうなる?
手持ちのお金が足りず、銀行などから借金をしても、期日までに返済すれば問題ありません。ただ、返済が困難になった場合、金融機関から督促の連絡が来たり、最終的には裁判所から通知が来たりします。
本コラムでは、借金の返済を滞納した場合の時系列での流れや、どう対応すべきなのかについて分かりやすく解説します。
1. 借金を放置するとどうなる?
借金があると知りながらそのまま放置してしまうと、ゆくゆくは裁判所から連絡が来ます。また、今後の生活に大きな支障をきたしてしまうかもしれません。
以下では時系列ごとに、借金を滞納した時点から何が起きるのか、また何をすべきなのかについて解説します。
(1)滞納初期
まず滞納翌日から「遅延損害金」と呼ばれる新たなペナルティーが発生するのが一般的です。この利率は十数パーセントなど比較的高く設定されており、返済が遅れるほど増えるため早めに入金するようにしましょう。たとえ故意ではなくうっかり忘れていたとしても、遅延損害金を免れる理由にはなりません。
返済期日から数日たつと、クレジットカード会社や金融機関から督促の連絡が来るのが一般的です。また、同じところから新しく借り入れることは難しくなります。
(2)滞納中期
督促を受けても返済しない場合、返済期日から2~3か月ほどたつと、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されます。信用情報機関には、CIC、JICC、KSCがあります。各金融機関と、個人のローンやクレジットカード契約の申し込み状況や返済状況を共有されているのが特徴です。
ブラックリストに載ってしまうと、滞納した金融機関のみならず、ほかの金融機関からの新規借り入れが難しくなります。
払えるならできるだけ早期に返済するようにし、何らかの事情で払えない場合は、滞納している金融機関に連絡を入れるようにしましょう。場合によっては、分割返済などの対応をしてもらえることもあります。
ただ、そのまま放置し続けていると催告書や「一括請求書」と呼ばれる文書が内容証明郵便で届きます。
(3)滞納後期
一括請求書も無視していると、3か月ほどで裁判所から「訴状」や「支払督促」が届きます。支払うべきお金を滞納していると、金融機関と結んだ金銭消費賃借契約に基づく返済義務を果たしていないとして、金融機関は裁判所へ支払督促の申し立てを行うからです。
訴状が届くと、その日時に指定された裁判所へ出廷する必要があります。また支払督促は「期日までに支払うように命じる」通知であり、異議があれば2週間以内に督促異議申立書を提出しなければなりません。
ただし、日本の法律ではお金の貸借に関するトラブルは民事事件にあたります。そのため、滞納して払わないからといって逮捕されることはありません。
2. 裁判所からの通知を無視するとどうなる?
訴状が届いて出廷を命じられているのに無視する、あるいは支払督促に対する督促異議申立書を提出しない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
(1)裁判所も無視するとどうなる?
裁判所からの出廷命令を無視すると、自動的に裁判に敗訴します。敗訴すれば相手方の主張が全面的に認められ、そのとおりの判決が下ります。そうなれば最終的には、滞納している人の財産や給与などが、強制的に借金返済のために差し押さえられてしまいます。
【差し押さえの対象となる財産】
- 給与や預貯金などの債権
- 土地や建物などの不動産
- 貴金属や現金、株券などの動産
(2)裁判所から通知が来た場合の対応、注意点
裁判所から訴状や支払督促が届いた場合、まずそれらの書類にしっかり目をとおしましょう。そして答弁書や異議申立書を準備し、忘れず提出することが大切です。
その際、必ず記載内容を細かく確認しなければなりません。たとえば、以下の内容です。
- 答弁書はいつまでに提出しなければならないのか
- 出廷するならいつ、どこへ行かなければならないのか
- 最終返済日はいつなのか
3. 借金の返済が難しくなったら
通常、貸金業者からの借金は最後に取引したときから5年がたち、債務者側から「債権は消滅した」と意思表示すれば時効を迎えます。そのため、時効によって借金をゼロにできるのではないかと期待する人も少なくありません。
しかし、債権者である金融機関は、時効を中断させるため、時効までにさまざまな手段で何度も督促するなど積極的に行動します。最終的に裁判所へ申し立てられ、時効による借金の消滅は難しいのが現実です。
もし借金を支払いたくても支払えない状況であれば、支払督促の裁判を起こされる前に、債権者と話し合いの場をもつことも可能です。そこで返済計画を新たに立て、和解が成立すれば双方にメリットがあると考えられます。
もしくは、どうしても返済が困難な場合は「債務整理」といった方法も一案です。この手続きを踏むことで、借金の金額を減額したり、借金そのものを消滅させたりできる可能性があります。ただ、債務整理をすることで今後の生活にリスクが生まれることは否めません。
借金を滞納している場合は、まずできるだけ早期返済を目指すことが大切です。もしどうしても返済が困難な場合は、一人で悩んでいても事態はよくなりません。法律の専門知識や債務整理のノウハウをもった弁護士へ早めに相談するようにしましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年01月29日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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