
- (更新:2024年12月06日)
- 借金・債務整理
任意整理をするとクレジットカードは使えなくなる? 対処法を解説
クレジットカードを使いすぎ、支払いが困難になった場合は債務整理のひとつとして「任意整理」があります。
本コラムでは、任意整理をするとクレジットカードを使えなくなるのかどうかという疑問に答えつつ、対処方法についても紹介します。
1. 任意整理をするとクレジットカードが使えなくなる理由
(1)クレジットカードの任意整理とは
クレジットカードは、手元にお金がなくても欲しいものを買えるため便利です。しかし、払えないほど利用してしまうと、滞納という事態になりかねません。
もしそうした状況になれば、まず検討しなければならないのが「任意整理」です。任意整理は、クレジットカード会社など貸金業者と交渉し、大きな負担となっている利息分を減らしたり、なくしたりすることで、無理のない範囲で払えるよう計画を立て、返済していく方法を指します。
(2)任意整理対象のクレジットカードが使えなくなる理由
クレジットカードは、あくまで契約者が支払える範囲において、貸金業者が信用したうえでお金を貸す仕組みです。そして、任意整理は毎月の支払いが困難になっていることが前提です。そのため、任意整理の対象としたクレジットカードの契約はそのまま維持できず、基本的には強制解約となります。
(3)任意整理で対象外にしたカードも使えなくなる
任意整理対象のクレジットカードは規約違反で強制解約になるほか、対象外にしたカードも同様に使えなくなることがあります。任意整理をすると事故情報として、各クレジットカード会社や金融機関が参照する信用情報機関に登録されてしまうためです。
信用情報機関に一度登録されてしまうと、最短でも数年間はその情報を消せません。また、任意整理の対象として強制解約となったクレジットカードは、もう二度と作れないおそれもあるため注意が必要です。
2. 任意整理後にカードを利用する方法
任意整理は基本的に弁護士へ依頼して行います。弁護士が「受任通知」を各カード会社へ送り、それがカード会社に届いた段階で強制解約の手続きがとられます。もし任意整理後もカードを使いたい場合は、次の方法を検討してみましょう。
(1)デビットカードを作る
クレジットカードはショッピングをしたあとに支払う方法であることから、契約者が契約どおり払ってくれる人かどうかの信用情報が重要になります。
一方、デビットカードを使用する際は、支払いを行った瞬間に、カードとひもづいた銀行口座から支払い金額が引き落とされます。つまり、銀行口座に残高がなければ決済はされないため、信用情報は不要です。残高以上の決済はできないものの、現金を持ち歩くのは面倒であるケースでは、デビットカードが便利です。
(2)家族に新しいカードを作ってもらう
任意整理をした場合、自身の名義ではカードを作れなくなりますが、家族の信用情報には傷がつきません。そのため、家族にお願いして家族カードを作ってもらうのもおすすめです。ただ、家族カードの利用分は契約者の口座からまとめて引き落とされるため、しっかりと金銭を管理することが重要です。
(3)信用情報機関(ブラックリスト)への登録が消えるのを待つ
任意整理をすると、信用情報機関にブラックリストとして登録され、約5年間は情報が残ります。信用情報機関の取り決めによって、中には10年以上残ることもあり得るため、注意しなければなりません。情報が残っているかどうかを確認したい場合は、各信用情報機関への情報開示請求を行います。
(4)クレジットカード以外の支払い方法を使う
支払い方法は、クレジットカードだけではありません。銀行口座に連携させたデビットカードや、あらかじめ残高を入れておけるプリペイドカード、近年急速に普及したスマホ決済など、その場で引き落とされるタイプであれば、任意整理をしていても問題なく使えます。
3. 任意整理をしたあとにクレジットカードは作れる?
(1)ブラックリストの情報が消えるまでの期間は難しい
ブラックリストに事故情報が残っている限り、新たにクレジットカードを作ることは困難です。事故情報が消えれば新しくカードを作れるようになることもあります。ただ、それもクレジットカード会社など金融機関の判断次第です。何年後に使えるようになるのかも一概には言えないのが現実です。
(2)任意整理後にクレジットカードを作りやすくするポイント
任意整理をしたあと、どうしてもクレジットカードを持ちたい場合は、次のポイントをおさえましょう。
任意整理や自己破産などで債務整理をした場合、数年後にたとえ信用情報機関の事故情報が消えたとしても、貸金業者では社内情報として残り続けることがあります。つまり、一度債務整理の手続きをしたカード会社では、もう二度と新しいカードを作れないかもしれません。そうした点を踏まえると、任意整理の対象としなかった別のカード会社へ申し込むことも一案です。
また、複数のカードを同時に申し込むことは避けてください。複数同時に申し込んだ情報が参照され、問題のある申込者として捉えられてしまう可能性があります。
4. クレジットカードを使えなくなるなら任意整理をしない方がいい?
たとえクレジットカードを使えなくなったとしても、任意整理が必要な状況では行うべきです。任意整理をするとクレジットカードを一切使えなくなるのではと不安になり、そのまま放置していると、さらなるリスクにさらされるおそれがあります。
クレジットカードの借金を滞納したままだと、「長期延滞」を理由に事故情報が登録されます。長期延滞になれば悪質と判断され、最長で20年間もの間、信用情報機関のブラックリストに登録されることもあり、注意が必要です。
任意整理をしてクレジットカードが使えなくなることは不安かもしれません。しかし、放置すればリスクはさらに増大します。カードの支払いに問題を抱えている方は、一度弁護士へ相談することをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2024年12月06日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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