多額の借金で自己破産を検討したら知っておきたいこと
  • 2021年04月05日
  • 借金・債務整理

多額の借金で自己破産を検討したら知っておきたいこと

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

借金でお悩みの方の中には、自己破産を検討している方もいらっしゃるでしょう。自己破産は、借金問題の最終手段というイメージがある方もいらっしゃるでしょう。しかし自己破産にはメリットも存在します。

また、借金の内容によっては、弁護士と相談することで他の債務整理の道が開けることが少なくありません。本コラムでは自己破産のメリット・デメリットと、自己破産以外の借金問題の解決方法について紹介します。

そもそも自己破産とは?

自己破産とは法的に借金を整理する方法のひとつで、裁判所に申し立てることですべての借金を帳消しにしてもらう手続きのことです。

ただし、自己破産は誰でも申し立てることができるわけではありません。自己破産は、申立人が保有している資産や今後の収入見込みを考慮しても、借金返済のめどが立たない「支払い不能」の状態に陥った場合に申し立てることができます。

裁判所に自己破産を申し立てると、裁判所は申立人の状況についてさまざまな審査や調査を行います。その結果、裁判所に自己破産の申立が認可されると、「免責許可決定」が出されます。

これにより、後述する一部の「非免責債権」を除く借金など債務の返済義務が免除されます。つまり、裁判所のお墨付きで借金が帳消しになるのです。

帳消しにならない借金もある

ただし、自己破産は無条件ですべての借金が帳消しになるわけではありません。
浪費やギャンブル、株やFXなど投機的な金融取引などが原因の借金がある場合「免責不許可事由」に該当し、免責許可決定がされない可能性があります(破産法第252条第1項)。

また、裁判所の破産手続きに関する調査で、説明を拒否する、虚偽の説明をする、財産を隠す、関係者の職務を妨害するなどした場合も同様に免責にならないケースがあります。

さらに、過去に免責許可の決定や個人再生の適用が確定した日から、7年以内の自己破産の申立も、免責不許可事由に該当します。

ただし、免責不許可事由に該当した場合でも、裁判所は諸事情を考慮したうえで、免責許可を決定することがあります。これを、破産法第252条2項に規定する「裁量免責」といいます。

自己破産のメリット

自己破産は借金をゼロにすることと引き換えに、財産のほとんどは借金返済のために売却、あるいは差し押さえられます。

ただし、以下のような裁判所が定める基準以内の資産については基本的に手元に残すことができます。

  • 99万円未満の現金や20万円未満の預金、自動車、有価証券、生命保険金などの財産
  • 最低限度の家財道具など

このように、自己破産ではすべての財産が没収されるわけではなく、最低限の暮らしに必要な資産は引き続き保有することができます。そして、残された資産を足がかりに、借金が無くなった状態で新たな人生をスタートすることができるのです。

自己破産のデメリット

ただし、自己破産には以下のようなデメリットもあります。

  • 官報に自己破産した個人の住所氏名が掲載されるため、自己破産した事実が勤務先などに知られる可能性がある
  • 共働きの場合、配偶者の収入証明や源泉徴収票などの提出が裁判所から求められることがある。このため、配偶者に自己破産の事実を知られる可能性がある
  • 信用情報機関のリストに掲載されるため、最低5年間は新規のクレジットカード作成や住宅ローンを含む借金ができなくなる
  • 自己破産期間中は、警備員や公務員など一部の職業に就けない

以上のことから、自己破産はあくまで債務整理の「最終手段」なのです。
なお「官報」とは、定期的に政府が発行している公告文書です。誰でも確認できるようにインターネットでも公開されています。

任意整理という方法もある

自己破産のほかにも、債務整理にはさまざまな方法があります。

たとえば「任意整理」という方法では、借金の返済方法や返済総額について債権者と相談し合意したうえで決定します。具体的には、返済期間の延長や利息分が元金に充当される将来利息のカット、遅延損害金のカットなどの交渉です。

互いに合意すれば「和解契約」を債権者と締結し、その契約内容に基づいて借金を返済していくのです。自己破産と異なり、任意整理に裁判所が介入することはありません。そのため、財産が差し押さえられることもありません。このようなメリットを考慮し、自己破産を申し立てる前に、任意整理やその他の債務整理の方法について、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

任意整理で重要なポイントは、和解契約締結における債権者との交渉です。このとき、債務整理に知見と経験のある弁護士に依頼することで、債務者にとってできるかぎり有利な和解契約を締結することが期待できます。

あなたに適した債務整理の方法を知るためにも、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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