自己破産の官報への掲載で身バレする? 閲覧期間と影響について解説

自己破産の官報への掲載で身バレする? 閲覧期間と影響について解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

自己破産を考えている方が不安に感じるのが「自己破産をしたことが周りの人に知られてしまうのではないか」ということです。

自己破産をしたことは官報に掲載されますが、官報とはどのようなものなのでしょうか。また、官報に掲載されることによって、周りの人に自己破産のことが知られてしまう可能性はあるのでしょうか。

今回は、自己破産をする方に向けて、自己破産と官報について解説します。

1. 官報とは

官報とは、国が発行する機関紙です。官報には、国の政策を周知し、国民の権利義務に関する各種公告が掲載されています。

法令などの政府情報の伝達手段である官報は、明治16年に創刊され、現在では行政機関の休日を除き毎日発行されています。

なお、官報には、以下のような記事が掲載されています。

(1)公文(政府や各府省などが公布する文書)

  • 法律、政令、条約
  • 内閣官房令、府令、省令、規則、告示
  • 国会事項
  • 人事異動
  • 叙位、叙勲、褒章
  • 官庁報告
  • 資料

(2)公告(国、各府省、特殊法人、地方公共団体などからの告知)

  • 入札公告、落札公示、官庁公告
  • 裁判所公告、特殊法人
  • 地方公共団体
  • 会社その他

2. 官報に掲載される内容と期間

自己破産をした場合には、官報にどのような内容が掲載されるのでしょうか。以下では、官報に掲載される内容とその期間について説明します。

(1)官報に掲載される自己破産の内容とは

自己破産をした場合には、破産者情報が官報に掲載されることになります。官報に掲載される内容としては、以下の内容が挙げられます。

  • 事件番号
  • 破産者の住所
  • 破産者の氏名
  • 破産手続き開始決定の年月日
  • 免責許可決定の年月日
  • 決定内容
  • 裁判所名

このような官報情報が掲載される理由としては、債権者や利害関係人が破産手続きに参加する機会を確保するという点が挙げられます。

自己破産の申立時に債権者一覧表に記載されている債権者に対しては、裁判所から破産手続き開始決定書などが送られますので、債務者が破産をした事実を知ることができます。

しかし、債権者一覧表に記載のなかった債権者については、裁判所から文書が送付されることはありませんので、債権者の知らないところで破産手続きが進んでいってしまうおそれがあります。

このような債権者に対しても、債務者が自己破産をしたことを広く周知するために官報への掲載が行われています。

(2)官報に掲載される回数・期間

①官報に掲載される回数

自己破産をした情報が官報に掲載されるタイミングとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 破産手続き開始決定時
  • 破産手続き廃止決定または終結決定時
  • 免責決定時

一般的な個人の自己破産の場合には、同時廃止事件といって、破産手続き開始決定と破産手続き廃止決定が同時に行われますので、官報に掲載される回数は、2回となります。同時廃止事件ではなく、管財事件となった場合には、3回官報に掲載されることになります。

②官報に掲載される期間

紙媒体で発行される官報については、図書館などに保存されていますので、官報に掲載されている情報は、永久的に残ってしまいます。

また、官報は、インターネット上でも閲覧をすることができますが、インターネット版の官報は、発行から30日を超えた部分については、有料での閲覧となります。無料で閲覧をすることができるのは、発行から30日分までとなります。

このように官報の掲載期間には、特に制限がありませんので、官報に掲載された自己破産情報は、永久的に記録として残ってしまいます。

3. 官報の掲載で自己破産が発覚する?

自己破産をした場合には、その情報が官報に掲載されてしまいますので、官報の記載から自己破産をしたことが発覚してしまう可能性はゼロではありません。

しかし、官報を見ているのは、一部の限られた人だけですので、ほとんどの方は官報という存在自体を知りません。

ほぼ毎日発行される官報の隅から隅までチェックしているという人はほとんどいませんので、官報に掲載されたからといっても、そこから自己破産のことが発覚する可能性は非常に低いといえるでしょう。

なお、本籍地の市区町村役場では「破産者名簿」というものを作成し、管理しています。「破産者名簿」とは、破産手続き開始決定が出たものの免責決定を受けることができなかった破産者の情報が記載されている名簿です。

免責不許可となるケースは非常にまれで、破産者名簿も非公開とされていますので、破産者名簿から発覚する可能性はほぼありません。

ただし、破産者マップというインターネット上で自己破産者の情報を閲覧できるサイトが存在していますので、そこから破産者の情報が知られる可能性がある点には注意が必要です。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年12月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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