【犯罪・刑事事件】接見禁止とは。禁止されることと解除方法について解説

【犯罪・刑事事件】接見禁止とは。禁止されることと解除方法について解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

犯罪の容疑をかけられて逮捕されてしまうと、通常は保障されているさまざまな自由が大幅に制限されます。「接見禁止」もそのひとつです。接見禁止を受けると、社会生活を送るなかで当然に許されている「誰かに会って話す」ことなどが法的に制限されます。

接見禁止の意味や内容、なぜそのような処分を受けるのかの理由、解除するための方法を紹介しましょう。

1. 接見禁止とは?

刑事事件が進んでいくと、難しい法律用語がたびたび登場します。「接見禁止」も日ごろの生活で使うことはない用語のひとつでしょう。

まずは接見禁止とはどのような処分なのかを確認していきます。

(1)接見禁止=面会の禁止

接見禁止とは、犯罪の容疑をかけられて身柄を拘束されている人について、外部の人と会うこと、つまり「面会」を禁じる処分です。面会のことを、刑事事件では接見といいます。

警察に「逮捕」された直後の48時間以内と検察官へと送致されたあとの24時間以内は、実務上、弁護士以外の人による面会は不可です。その後、検察官の請求を受けて裁判官が「勾留」を決定した段階からは、家族・親族・恋人・友人や知人・会社の同僚などとの接見が許されるようになります。

しかし、「接見禁止」がつくと、勾留決定後でもこれら外部の人との面会が許されません。

(2)逃亡や証拠隠滅を防ぐための処分

接見禁止は、身柄拘束を受けている人の「逃亡または証拠隠滅」を防ぐための処分です。罰・ペナルティーといった類いのものではないので、たとえば重大な罪を犯しても接見禁止を受けないこともあれば、反対に軽微な罪でも接見禁止を受けることがありえます。

検察官が、勾留を請求する際に、逃亡・証拠隠滅を図るおそれがあると判断すると、勾留請求と併せて接見禁止を裁判官に求め、裁判官がその必要があると判断すると、接見禁止が決定されます。

接見禁止がつくのは、法律上、勾留でも防げないほどの罪証隠滅の可能性がある場合とされていますが、共犯者がいる事件など一定の類型の事件では、裁判官も画一的な判断で接見禁止をつけてしまう傾向にあります。

2. 接見禁止を受けるとどうなる? 制限される行為

接見禁止を受けると、実際にどんな制限を受けるのでしょうか? 犯罪の容疑をかけられている人にとってどんな不利益があるのかを確認します。

(1)弁護士以外との面会ができなくなる

接見禁止が決定すると、本人の弁護人、または弁護人を選任できる者の依頼によって弁護人になろうとしている者以外との接見ができなくなります。この条件を満たすのは原則として資格をもつ弁護士だけなので、現実的に「弁護士以外との面会はできない」と考えたほうがよいでしょう。

どうしても家族や恋人に伝えておきたいことがある、会社の上司や同僚に急いで引き継がないといけないことがあるといった事情があっても面会は許されません。

(2)手紙のやり取りや差し入れなども制限される

接見禁止には、接見そのものを禁止する決定のほかにも、手紙のやり取り、書類や物品の差し入れ、本人から書類や物品を外部へと送る「宅下げ」が禁止されることがあります。面会を禁止しても、自由に手紙や書類・物品を発受できると共犯者などとの連絡が可能になってしまうからです。

なお、接見禁止の有無に関わらず、弁護士との接見は制限を受けませんが、罪証隠滅や施設内での戒護に支障がある場合には、物の授受が制限される可能性があります。

3. 接見禁止を解除する方法

接見禁止の決定を受けてしまうと、多くの場合、起訴されるか刑事裁判が終わるまで解除されません。重要な伝言を家族に伝えたい、できるだけ早く会社の関係者と面会したいといった事情があるなら、接見禁止の早期解除を目指しましょう。

(1)法的手続きによる解除

接見禁止の解除を求めるために取ることができる法的な手続きのひとつが「準抗告」または「抗告」です。

これらは裁判官・裁判所が決定した処分に対して異議を申し立てるもので、ここでは接見禁止の決定を取り消すよう求める手続きを指します。刑事裁判の初回となる第一回公判期日までなら準抗告、第一回公判期日よりもあとなら抗告です。

準抗告や抗告により、「接見禁止の必要はない」と判断されれば、接見禁止決定が取り消されます。

(2)一部解除も可能

接見禁止の決定が下されると、原則として弁護士以外との接見は全面的に禁止されます。ただし、法律による明示はないものの、家族など特定の人に限って面会が許される「接見禁止一部解除」は準抗告・抗告といった法的手続きを経なくても柔軟に許可されているので、全面解除が難しくてもチャレンジする価値は十分あります。

もっとも、準抗告・抗告や一部解除の申し立てには、本人が逃亡・証拠隠滅をはたらくことはないという客観的な理由の提示が必要になります。個人での対応は難しいので、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士のサポートは必須でしょう。

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  • こちらに掲載されている情報は、2023年04月19日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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