児童ポルノは所持だけでも逮捕される?
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児童ポルノは所持だけでも逮捕される?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

テレビやネットのニュース、新聞などに目を向けると「児童ポルノ」に関する容疑で逮捕される事例がたびたび報じられています。

こういった事件の報道をみていると、児童ポルノを「所持」している方は「自分も逮捕されるのでは?」と恐ろしく感じてしまうでしょう。

令和3年版の犯罪白書によると、令和2年中の児童ポルノ関連の検挙数は1438件だったそうです。年間にこれだけ多くの事件が検挙されていることを考えれば、いつ逮捕されて、厳しい刑罰を科せられてもおかしくはありません。

本コラムでは、児童ポルノに関する禁止行為のなかでも多くの方が手を染めやすい「所持」について解説します。

1. 「児童ポルノ」とは?

もしかすると、自分では「これは児童ポルノではない」と思っているものでも、法律の考え方に照らすと規制の対象になるかもしれません。反対に、児童ポルノに該当すると思っていても対象外になるケースもあります。

まずは「児童ポルノ」にあたるのはどのようなものなのかを確認しておきましょう。

(1)児童ポルノの定義

児童ポルノの対象となるのは「児童」です。児童といえば、小学生程度の子どもをイメージするかもしれませんが「児童ポルノ禁止法」においては「18歳未満」と定義されており、男女の区別はありません。中学生・高校生といった生徒、学生と呼ばれる子どもも児童にあたります。

これらの児童について、児童を相手とした性交や性交類似行為、または児童同士が同様の行為をしている様子、児童に性器を触らせる様子、児童の裸体などを描写し、記録したものが「児童ポルノ」です。写真、DVD、画像や動画などの形態が考えられます。

(2)児童ポルノにあたらないもの

児童ポルノの定義に照らすと、さまざまな疑問が生じます。たとえば、マンガやアニメなどの場合や、子どもの成長記録として撮影した写真・画像などの場合でも、杓子(しゃくし)定規に考えれば児童ポルノにあたるように見えるでしょう。

まず、現行の児童ポルノ禁止法では、マンガ・アニメなどの二次元創作物は規制対象に含まれていません。ただし、規制を求める意見や動きもあるので動向に注意しておくべきでしょう。

また、子どもの成長記録などとして、着替えや入浴、プールなどの様子を撮影したものは、性欲を興奮・刺激するものではないので児童ポルノには含まれません。

2. 持っているだけで違法! 児童ポルノ禁止法の規制と罰則

児童ポルノ禁止法はさまざまな行為を禁止しています。厳しい罰則も設けられているので、どのような行為が規制対象となるのかを確認していきましょう。

(1)児童ポルノ禁止法で規制される行為

児童ポルノ禁止法では、目的に応じて次に挙げる行為が禁止されています。

  • 所持
  • 提供
  • 製造
  • 提供・陳列
  • 運搬・輸出入

もっとも厳しく処罰されるのは「不特定多数への提供・陳列」を目的とした行為で、製造・所持・運搬・輸出入には5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの両方が科せられます。

また「提供」を目的としていた製造・所持・輸出入、盗撮による製造も、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という厳しい罰則が設けられています。

(2)「所持」とは? ダウンロードも違法になる?

第三者に提供する目的ではなく、個人的な趣味として児童ポルノを「所持」していた場合も違法です。これをほかの目的による所持と区別して「単純所持」と呼びます。

ここでいう「所持」とは、単に「写真やプリントアウトした画像を手に持っている」という状態だけを指すわけではありません。スマホにデータとして保存しカバンに入れている、自宅のパソコンに保存しているといった状態も、現実的に支配下にあるので「所持」にあたります。

令和4年7月には、SNSで知り合った18歳未満の女性のわいせつな画像を自身のスマホに保存していた容疑で、アルバイト従業員の男が単純所持の容疑をかけられて現行犯逮捕された事例があります。

この事例では、被害を受けた女性の関係者が警察に相談したことで発覚したという経緯がありますが、児童ポルノ画像や動画の配信・販売サイトからダウンロードした場合も、登録情報から芋づる式で発覚するかもしれません。

警察が秘密裏に内偵捜査を進めて、職務質問をかけられたり、自宅などの家宅捜索を受けたりすれば、児童ポルノ所持の容疑で逮捕される危険が強いでしょう。

3. 児童ポルノ事件で逮捕されないためには?

個人的な興味から児童ポルノをダウンロードしてしまった、販売サイトからDVDなどを購入してしまったという場合は、逮捕を避けるための対策を講じなければなりません。

まず優先すべきは違法状態の解消です。とくに単純所持に関しては、平成26年の法改正直後には国が自主廃棄を勧めたという経緯もあるので、違法な所持は「まず廃棄」が大切だと考えられます。

ただし、自主廃棄といっても、やみくもに端末から削除しただけでは安心できません。「データを削除・廃棄した」と証明するのは難しいので、どうやって児童ポルノを所持しないまま廃棄したことを証明するのかという課題が残ります。

加えて、被害者となった児童・保護者との示談交渉、警察への自首といった対策が必要なので、弁護士による法律面からのサポートが欠かせません。

単純所持を含めて、児童ポルノに関する事件で逮捕や厳しい刑罰を避けたいと考えるなら、まずは弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年12月05日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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