傷害罪とは? 逮捕された場合にすべきこと
  • 2022年09月13日
  • 犯罪・刑事事件

傷害罪とは? 逮捕された場合にすべきこと

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

友人や同僚などと口論になり、カッとなって相手を突き飛ばしたり、殴ってしまうということもあります。相手が怪我をした場合には、「傷害罪」という罪が成立し、被害者の怪我の程度や処罰感情の強さによっては、懲役や罰金などの刑事罰を受ける可能性もあります。

今回は、傷害罪の概要と傷害罪の加害者になってしまった場合の刑事事件の流れについて解説します。

1. 傷害罪とは?

傷害罪とはどのような犯罪なのでしょうか。以下では、傷害罪に関する基本的事項について説明します。

(1)傷害罪の概要

傷害罪とは、被害者に対して怪我を負わせることによって成立する刑法上の犯罪です(刑法204条)。けんかをした場合には、傷害罪だけでなく暴行罪も成立する可能性がありますが、両者の区別は、被害者が怪我を負ったかどうかで行います。殴る、蹴るなどの暴行をしたものの、被害者が怪我を負わなかった場合には暴行罪が成立し、打撲や骨折などの怪我を負った場合には傷害罪が成立します。

(2)傷害罪の罰則

傷害罪で有罪となれば、15年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。刑事裁判における実際の量刑は、この法定刑の範囲内で、行為態様、被害結果、被害者との示談の有無などを考慮して決められることになります。

被害者に怪我を負わせたという点で、暴行罪よりも傷害罪の法定刑の方が重くなっています。

2. 傷害罪の成立要件

傷害罪の成立には、以下の要件があります。

(1)傷害の実行行為

傷害の実行行為としては、殴る、蹴る、突き飛ばすなどの不法な有形力の行使により行われるのが一般的です。しかし、傷害罪の実行行為は、有形力の行使に限らず無形的方法によるものもあります。そのため、嫌がらせ電話を繰り返す行為や大音量でラジオを鳴らし続ける行為なども傷害の実行行為になります。

(2)傷害の結果

暴行罪と区別するため、被害者が打撲、捻挫、骨折などの怪我をした場合に傷害罪が成立します。また、被害者が精神的ストレスによりPTSDになったという場合も傷害罪が成立します。

なお、被害者が怪我をした結果、死亡してしまったという場合には、傷害罪ではなく、より重い傷害致死罪が成立します。

(3)因果関係

加害者の実行行為によって被害者に傷害の結果が生じたという関係があることが必要になります。加害者の実行行為とは無関係なところで被害者が負傷したとしても傷害罪は成立しません。

(4)故意

傷害罪の故意としては、相手を傷つけることの認識までは求められず、相手に暴行を振るうことの認識があれば足りると考えられています。

3. 傷害罪で逮捕されたら?

傷害事件で逮捕された場合には、以下のような流れでその後の手続きが進んでいきます。

(1)逮捕

傷害事件で逮捕された場合には、犯行の経緯などの取り調べを行うために警察署に連行され、警察署の留置施設に身柄が拘束されます。身柄拘束という重大な権利侵害を受けることになるため、身柄拘束期間については法律上厳格な決まりがあります。警察は、逮捕後48時間以内に被疑者の身柄を解放するか、検察官に送致をしなければなりません。

(2)勾留

勾留とは、逮捕された後のより長期の身柄拘束のことです。

警察から送致を受けた検察官は、必要な取り調べを行い、身柄拘束を継続する必要がある場合には、送致を受けた時から24時間以内に裁判官に勾留請求をしなければなりません。

裁判官が勾留を認めた場合には、10日間身柄拘束が続くことになります。勾留には延長が認められていますので、勾留延長が認められるとさらに10日間身柄拘束が継続します。

(3)起訴または不起訴

身柄拘束がされている場合には勾留の満期までに、身柄拘束をされていない場合には必要な捜査を終えた段階で、検察官が被疑者を起訴するかどうかの判断を行います。

不起訴となった場合には、被疑者の身柄は解放され、傷害による前科が付くこともありません。

(4)刑事裁判

検察官によって起訴された場合には、その後、刑事裁判によって審理が行われます。そして、有罪となれば、懲役や罰金の刑罰を受けることになり、傷害罪の前科もついてしまうことになります。

そのため、前科を付けたくないという場合には、検察官による起訴がなされる前に、被害者との間で示談を成立させることが重要です。示談が成立すれば確実に不起訴になるというわけではありませんが、不起訴処分を獲得するための大きな要素となることは間違いありません。身柄拘束がされている場合には、長くて20日あまりで起訴するかどうかが決まりますから、早めに弁護士を依頼するなどして被害者との間で示談交渉を進めることをおすすめします。

弁護士JP編集部
弁護士JP編集部

法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年09月02日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

お一人で悩まず、まずはご相談ください

弁護士

犯罪・刑事事件に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

弁護士を探す