勾留とは? 勾留される期間はどれくらい?
  • 2021年07月27日
  • 犯罪・刑事事件

勾留とは? 勾留される期間はどれくらい?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

刑事事件の被疑者として逮捕されたり被告人として起訴されたりすると、ほとんどのケースで「勾留」を受けます。

勾留とはどのような手続きなのでしょうか? どのくらいの期間で勾留を受けるのでしょうか?

1. 勾留とは?

「勾留」とは、刑事訴訟法によって認められた刑事上の身柄拘束の手続きです。
勾留を受けている間は、まだ事件の犯人だと確定したわけではないので、刑務所に収容されるわけではありません。
身柄拘束のために適切な刑事施設や代用刑事施設に収容されて、行動の制限を受けます。

(1)被疑者段階の勾留

警察に逮捕された被疑者は、警察段階で48時間、検察官の段階で24時間の合計最大72時間にわたる身柄拘束を受けます。
「逮捕された」と聞くと、その後は警察署などに長期にわたって身柄を留め置かれるとイメージする方も多いでしょうが、実は逮捕による身柄拘束の効力を受けるのはこの72時間だけです。

72時間の捜査で起訴・不起訴が判断できない場合は、検察官からの請求によって裁判官がもう少し長めの身柄拘束を認めます。
これが被疑者段階での勾留です。

勾留を受けた被疑者は、刑事施設およびこれに代わる留置施設において身柄を留置されますが、ほとんどが警察署の留置場において勾留を受けます。女性の場合は、留置可能な場所が限られているため、思わず遠い場所での勾留になることもあります。

被告人段階の勾留

検察官に刑事事件の被告人として起訴されると、それまでは被疑者だった立場が被告人へと変わります。
被告人になると、刑事裁判への出頭を確保するためにさらに勾留を受けます。

もし被疑者段階から勾留されていた場合は、改めて審査されることなく引き続き被告人としても勾留されることになります。
被疑者段階の勾留のように、検察官からの請求は必要ありません。

在宅事件で起訴されることを「在宅起訴」といいます。
在宅起訴の場合、それまでに勾留されていなくても裁判官の職権によって被告人として勾留されることがあります。

ただし、それまでの経緯から「逃亡・証拠隠滅のおそれがない」として在宅のまま捜査を受けていたはずなので、在宅起訴で勾留される可能性は低いでしょう。

2. 最大でどれくらい勾留されるの?

勾留される期間は、被疑者段階の勾留と被告人段階の勾留とで異なります。

(1)被疑者段階では最大で20日間

被疑者段階での勾留期間は、検察官の請求によって裁判官が勾留した当日を含めて10日間です。
ただし、裁判官が「やむを得ない事由がある」と認めた場合は、検察官からの請求によってさらに10日間までの延長が許可されます。なお、この「やむを得ない事由」は、まだ捜査が必要かという観点で判断されるため、原則、認められてしまうのが実情です。
つまり、被疑者段階での勾留は10日間+10日間で最大20日間です。

検察官は、勾留が認められている最大20日間に被疑者を起訴するか、あるいは釈放しなくてはなりません。

(2)被告人段階では結審するまで

被告人段階での勾留期間は、被疑者段階で勾留を受けており、引き続き勾留される場合は起訴の日から2か月間、在宅起訴から勾留される場合は勾留が決定した日から2か月間です。

ただし、その後は被告人による証拠隠滅が疑われる限り回数の制限なく1か月ごとの更新が可能なので、実質的な勾留期間は「刑事裁判が結審するまで」となります。

(3)被告人段階の勾留では保釈が可能

被告人として勾留された場合は、実質的に刑事裁判が結審する日まで勾留が解除されません。

初回の刑事裁判は起訴の1か月から2か月の間に開かれ、その後はおよそ1か月に一度しか開かれないので、裁判が長引けばそれだけ身柄解放も遠のくことになります。
とくに、無実なのに容疑をかけられてしまい無罪を主張する場合は、勾留の長期化は必至でしょう。

ただし、被告人には「保釈」を請求する権利が認められています。
保釈とは、被告人の勾留を解除して、一時的に身柄を解放する制度です。
保釈が認められれば、社会生活に復帰したうえでの刑事裁判への出廷が認められます。

保釈は、原則として被告人や弁護人などの保釈請求権者による請求があれば認められる権利ですが、刑事訴訟法第89条の規定に従い、一定の重罪や常習犯、証拠隠滅や被害者・参考人などに危害を加えるおそれがある場合などは却下されます。

この場合は、裁判官の職権による裁量での保釈を求めていくことになります。刑事訴訟法90条には、裁量保釈における判断要素が列挙されており、このような条文を踏まえて、保釈の必要性を訴えるとより説得的になります。

保釈が認められない場合は、逃亡や証拠隠滅を図るおそれがないことなどを主張する必要があります。
被害者への謝罪を尽くして示談を成立させれば、保釈が認められる可能性も高まります。

勾留されている被告人本人やその家族などでの対応は難しいので、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士に依頼するのが賢明でしょう。

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