民事裁判の進め方を解説。刑事裁判との違いは?
  • 2021年04月08日 (更新:2021年05月12日)
  • 裁判・法的手続

民事裁判の進め方を解説。刑事裁判との違いは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

裁判という言葉を聞いてどのようなことをイメージするでしょう。
ドラマやニュースなどで裁判の様子は何となく知っているようでも、民事裁判と刑事裁判のはっきりとした区別はつきづらいかもしれません。

何らかの紛争に巻き込まれて裁判を検討した場合には、その概要をある程度知っておくことは必要です。

今回は、民事裁判を検討している方に向けて、刑事裁判の違いや民事裁判の進め方について解説します。

1. 民事裁判と刑事裁判の違い

民事裁判と刑事裁判にはどのような違いがあるのでしょうか。その概要をまず理解しましょう。

(1)目的の違い

民事裁判は、当事者間の権利義務のような民事上の紛争を解決することを目的とした裁判です。

これに対して、刑事裁判は、検察官が起訴をした人物について有罪か無罪か、有罪であればどのくらいの刑を科すかという判断をすることを目的とした裁判です。

たとえば、インターネット掲示板において、個人情報とともに繰り返し誹謗中傷を書き込まれた被害者がいたとします。この被害者が、加害者に対して損害賠償を請求したいということであれば、民事裁判が用いられます。

これに対して、インターネット掲示板誹謗中傷を書き込んだ人物(加害者)が名誉棄損罪で起訴された場合、加害者の誹謗中傷を書き込んだという行為に名誉棄損罪が成立するかの判断は、刑事裁判で行われます。

(2)取り扱う事件の違い

民事裁判では、金銭の貸借、売買、交通事故、借地借家、労働問題、医療過誤など、民事上のあらゆる紛争を取り扱っています。

これに対して、刑事裁判では、刑法や特別法の刑罰法令に違反した事件、たとえば、殺人、窃盗、道路交通法違反、覚醒剤取締法違反などの刑事事件を取り扱います。

(3)当事者の違い

民事裁判では、訴えた側が「原告」、訴えられた側が「被告」になります。

これに対して、刑事裁判では、裁判所に起訴するのは「検察官」で、起訴された側のことは「被告人」といいます(起訴される前は被疑者といいます。)。

2. 民事裁判の進め方

裁判の進め方についても、民事裁判と刑事裁判では違いがあります。

(1)提訴から判決(和解)までの流れ

訴訟の提起から判決までは、以下のような流れで進みます。事案によっては異なる経過をたどる場合もありますので、注意してください。

①訴訟の提起

民事裁判は、その事件を管轄する裁判所に訴状を提出することで始まります。請求金額が140万円を超えるのであれば地方裁判所、140万円以下であれば簡易裁判所が管轄となります。訴訟の提起にあたっては、請求額に応じた印紙と郵便切手を納付する必要があります。

②被告への送達

裁判所に訴状が受理されると、裁判所は、被告に対して、訴状と期日呼出状などを送る、送達という手続きをとります。訴状を受け取った被告は、期限まで(一般的には第1回口頭弁論期日の1週間~2週間前まで)に、被告の反論を記載した答弁書を提出します。

③第1回口頭弁論期日

裁判所が指定した日時に原告と被告は裁判所に出頭し、第1回口頭弁論期日が開かれます。第1回口頭弁論期日では、原告と被告から提出された訴状、答弁書、証拠などの確認が行われて、最後に次回期日を調整します。

④続行期日

民事裁判では、1回の期日で解決するということは少ないので、第1回口頭弁論期日以降の続行期日が開かれます。基本的に1か月に1回のペースで期日は開かれ、原告と被告がそれぞれ主張と反論を繰り返し、事実関係を明らかにしていくことになります。

⑤証拠調べ期日(証人尋問など)

原告と被告の主張や証拠が出そろい、事実関係や争点の整理ができたところで、証拠調べ期日が開かれます。テレビドラマでよく見る証人尋問をイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。

⑥最終の口頭弁論期日

原告と被告は、既に行った主張を整理した最終準備書面を裁判所に提出します。
そして、裁判所は、判決をすることができる段階に達した段階で、原告と被告に確認の上、口頭弁論を終結させます。

⑦判決

裁判官は、原告と被告が提出した主張や証拠を踏まえて、判決を言い渡します。判決内容に不服があるときには、控訴という不服申し立ての手続きをとることができます。

⑧和解

なお、判決が言い渡される前に原告と被告の主張や証拠を踏まえて、裁判官から和解を打診されることも多いです。和解内容について、原告と被告がどちらも合意したときには、和解によって裁判が終了します。

(2)弁護士に依頼するタイミング

民事裁判では、原告又は被告が認めてしまった内容については、後日撤回することが困難になります。安易に認めてしまった後に、弁護士に依頼しても争うのが難しくなる可能性があります。そのため、裁判の検討段階で弁護士に相談する方がよいといえます。

もちろん、費用対効果という面も考えなければなりません。少額の裁判などであれば、弁護士費用が上回る可能性もあります。そのようなケースでは、弁護士に相談をしてアドバイスをもらいながら裁判を進めるというのもひとつの方法です。

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