裁判の判決に納得いかないとき、どうすればいい?

裁判の判決に納得いかないとき、どうすればいい?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

訴訟において裁判所が言い渡した判決に納得できない場合は、上級裁判所に不服申し立てを行うことができます。

不服申し立ての手続きは、控訴と上告の2段階です。いずれも第一審とは異なる対応が必要になりますので、弁護士へのご相談をおすすめいたします。

今回は、訴訟の判決に納得いかない場合に認められている控訴・上告について解説します。

1. 日本の裁判は三審制

原則2回まで不服申し立てが可能

日本では、裁判(訴訟)について「三審制」が採用されており、当事者が希望すれば、原則として3回まで反復審理を受けられます。

訴訟の判決に対する不服申し立ての手続きは、「控訴」「上告」の2段階です。

(1)控訴

第一審判決に対する不服申し立て

「控訴」とは、第一審判決に対する不服申し立ての手続きです。

第一審が地方裁判所または家庭裁判所の場合は高等裁判所へ、第一審が簡易裁判所の場合は地方裁判所へ控訴を行います。ただし、刑事事件に限り、簡易裁判所の一審判決に対する控訴先は高等裁判所です。

(2)上告

控訴審判決に対する不服申し立て

「上告」とは、控訴審判決に対する不服申し立ての手続きです。

控訴審が高等裁判所の場合は最高裁判所へ、地方裁判所の場合は高等裁判所へ上告を行います。

(3)必ず3回審理が受けられるわけではない

ただし、控訴と上告は常に認められるわけではありません。

民事訴訟の場合、控訴は原則として認められます。ただし、第一審の終局判決後に、当事者双方が共に上告する権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは却下されます(民事訴訟法第281条第1項)。

この場合、控訴審を飛ばして直接上告を行うことが可能です。これは「飛躍上告」「飛越上告」「跳躍上告」などと呼ばれています。

民事訴訟において上告を行うための要件はさらに厳しく、原則として以下のいずれかの要件を満たさなければなりません(同法第312条)。

  1. 判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法違反があること
  2. 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと
  3. 法律により判決に関与できない裁判官が判決に関与したこと
  4. 日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと
  5. 専属管轄に関する規定に違反したこと
  6. 法定代理権、訴訟代理権または代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと
  7. 口頭弁論の公開の規定に違反したこと
  8. 判決に理由を付せず、または理由に食い違いがあること
  9. 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があること(高等裁判所への上告の場合のみ)

ただし、最高裁判所への上告の場合、最高裁判所の判例と相反する判断がある事件、その他の法令解釈に関する重要な事項を含むと認められる事件については、上記の上告理由に該当しなくても、上告が受理されることがあります(同法第318条第1項)。

2. 判決に納得いかない場合の上訴手続きの流れ

民事訴訟の判決に納得できない場合、以下の流れで控訴・上告を行います。

(1)控訴状(上告状)の提出

まず、原審の裁判所に対して控訴状(上告状)を提出します(民事訴訟法第286条第1項、第314条第1項)。

控訴状(上告状)の主な記載事項は、以下のとおりです。ただし、控訴(上告)の理由については、控訴理由書(上告理由書)で追完するのが通例となっています。

  • 控訴人(上告人)の住所、氏名、連絡先
  • 被控訴人(被上告人)の住所、氏名
  • 原判決の表示(主文)
  • 控訴(上告)の趣旨
  • 控訴(上告)の理由

控訴状(上告状)の提出期間は、原審の判決書の送達を受けた日から2週間以内です。

(2)控訴理由書(上告理由書)の提出

控訴人(上告人)は、控訴状(上告状)の提出と同時または法定の期間内に、原審の裁判所に対して控訴理由書(上告理由書)を提出しなければなりません。

控訴理由書(上告理由書)では、控訴(上告)の根拠となる事実と法律構成を具体的に記載する必要があります。

控訴理由書の提出期間は、控訴の提起後50日以内です(民事訴訟規則第182条)。ただ、この期限を遵守しないと控訴が却下されるという規定はなく、実務上も控訴理由書の提出期限が過ぎたというだけで控訴が却下されることはまずありません。

これに対し、上告理由書の提出期限は、上告人に上告提起通知書が送達された日から50日以内とされており(民事訴訟法第315条第1項、民事訴訟規則第194条)、この期限を過ぎると、上告が却下される旨規定されています(民事訴訟法第316条第1項第2号)。

なお、刑事裁判の場合は、控訴理由書(上告理由書)に相当する書面は「控訴趣意書(上告趣意書)」と呼ばれています。控訴趣意書(上告趣意書)の提出期限は法定されておらず、裁判所が個別に指定します。

(3)裁判所による審理・判決

控訴状(上告状)および控訴理由書(上告理由書)、相手方から提出された答弁書、ならびに各書面に対応する証拠資料などを基に、控訴裁判所(上告裁判所)が審理を行ったうえで判決を言い渡します。

控訴審では、第一審と同様に事実認定も審理の対象です。ただし、第一審判決のうち当事者に争いがない部分は、そのまま判決の基礎とされます。

これに対して上告審では、事実認定は審理の対象外であり、憲法違反・法令違反等の有無のみが審理の対象です。もし原審の事実認定に不足があると判断された場合には、上告裁判所が判決を破棄して原審に差し戻し、さらに審理を尽くさせることになります。

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  • こちらに掲載されている情報は、2023年03月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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