「水が出ない!」原因は水道メータの盗難だった… 12月上旬から頻発 「銅」価格10年で1.7倍に高騰の背景も
水道が突然止まったと思ったら、水道メータが盗まれていた――。
ここ数年、そんな被害が全国各地で相次いでいる。さらに東京都水道局によれば、今月上旬からは「頻発している」とのこと。すでに公表されているだけでも、今月中に都内で45個の水道メータが盗難被害に遭っている(被害総額17万5060円、12月25日現在)。
年末年始も迫る中、万が一自宅の水道メータが盗まれ、水道が止まるという思いも寄らない事態に陥ってしまったらどうすればよいのか。
メータが盗まれると水道が止まるワケ
水道メータとは、水の使用量を測る計器だ。盗まれると水道が止まってしまう理由について、東京都水道局の担当者は「配管につながっているため、メータがなくなると家の中の水が出なくなります」と説明する。
一般的な設置場所は、一戸建てやアパートの場合、建物前などの地面にあるメータボックスの中。マンションの場合は、ドア横などにあるパイプスペースに設置されているという。
メータボックスには通常、カギがかけられているのだろうか。前出の担当者は「パイプスペースには建物によって一部施錠されているものはありますが、大多数は施錠されておりません」とその現状について話す。
盗難被害に遭わないためにできることとしては、「個人的な対策は難しいですが、不審な行為を見かけた場合は、警察や水道局お客さまセンターにご連絡ください」とのことだった。
盗難増加の背景に「銅の高騰」
水道メータの盗難が増えている背景には「銅の高騰」があると言われており、東京都水道局の担当者も「要因の一つであると考えています」とコメントしている。
銅などの非鉄金属製品を扱う大手・JX金属によれば、2014年の銅建値(銅の相場)は年平均で約773円/kgだったのに対し、今年は11月時点で約1283円/kgと約10年で1.7倍ほどになっている。
銅を狙っては、水道メータのみならず、工事現場や太陽光発電所の銅線、橋名板(きょうめいばん:橋の名称が刻まれた銘板)などの盗難事件も各地で発生している状況だ。
万が一水道メータが盗まれ、自宅の水道が止まってしまった場合の対応について、前出の担当者は「水が出なくなってしまった場合は、水道局お客さまセンターへお電話ください」と回答。通常の受付時間は日曜・祝日を除く8時30分〜20時00分だが、緊急の要件については全日24時間態勢で案内しているという(年末年始の詳細についてはこちら)。
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