スケルトンリフォームが失敗! 契約不適合責任は認められる?

スケルトンリフォームが失敗! 契約不適合責任は認められる?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

心待ちにしていたスケルトンリフォームの完了後、「図面と照合してみたら、重大な施工ミスが見つかった」というトラブルの発生は決して珍しくありません。

本コラムでは、リフォームの失敗によるトラブルに巻き込まれた際の対処方法を解説します。また、どのような場合に「契約不適合責任」を追及できるのかも参考にしてみてください。

1. リフォーム業者との施工トラブルは起こり得る

自力でリフォームできない場合は、リフォーム業者に施工を依頼することが一般的ですが、その際には施工トラブルに注意しなければなりません。

(1)スケルトンリフォームとは

「スケルトンリフォーム」とは、構造を支える骨組みを残し、骨組み以外のすべてを改築する大きなリフォームです。床や内壁、天井、設備のほか、構造上取り払っても問題のない屋根や外壁などを解体して取り除きます。したがって、一から自分好みの空間を設計した、建物のリニューアルが可能です。

また、必要なところだけを改築する部分的な「リフォーム」とは違って、非常に自由度が高く、間取りも水回りも自由に変更できるため、新築と同様の建物を手に入れられます。

(2)リフォームに関するトラブルは少なくない

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが公表した「住宅相談統計年報2023」によれば、同法人が2022年に受けたリフォームに関するトラブルの相談件数は8125件でした。このうち、リフォーム業者への苦情は94%を占めており、依頼者と業者の間で少なからずトラブルが発生していることがわかります。

出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2023 2022年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析

2. リフォームが失敗した場合の対処法

実際にスケルトンリフォームを業者に依頼し、その内容とは異なる施工をされたと認識した場合、以下の対処が必要です。

(1)リフォーム完了前

リフォームを施している最中に施工ミスを発見した場合は、業者に対してそのミスを指摘し、契約書や図面と一致するように直してもらいます。しかし、業者がそれに応じないことがあるかもしれません。その場合は、リフォーム契約を解除して、他の業者に改めて依頼することを検討しなければなりません。

ここで注意したいのは、リフォームの完了前に契約を解除した場合でも、すでに工事を終えていて不備がない部分における契約の解除ができないため、その分の費用を業者に支払わなければならないことです。したがって、契約解除時に不備がない部分の工事費用を支払った上で、他の業者に未完了の部分の施工における契約を改めて交わします。

(2)リフォーム完了後

リフォーム完了後に施工ミスに気付いた場合は、リフォーム業者に対して、「契約不適合責任」を追及できるか否かを速やかに検討します。

3. 契約不適合責任|リフォーム業者への責任追及

売買契約や有償契約において重大な契約違反が起きた場合に、買い主や依頼主が泣き寝入りせずに済むよう、民法で定められたルールが契約不適合責任です。

(1)契約不適合責任とは何か

契約不適合責任とは、売買契約や請負契約などの有償契約を交わした際に、引き渡された目的物と契約を照合して種類・数量・品質のいずれかに不適合があった場合に、売主(リフォーム業者)が買い主(依頼主)に対して負わなければならない法的責任のことです。

「種類の不適合」とは、たとえば瓦ぶきで契約した屋根がトタン屋根になっていた場合など、契約上予定されていた物と引き渡しを受けた物の種類が異なることを言います。

また、「数量の不適合」は手すりを10か所に設置する契約を交わしたのに、5か所しか設置されなかった場合など、契約上予定されていた数量と引き渡しを受けた数量が異なることを言います。

さらに、「品質の不適合」とは、ふき直した屋根から雨漏りがする、給排水設備に不備があり水がうまく流れないなど、引き渡しを受けた物が契約上予定されていた品質を満たしていないことを言います。

業者の種類・数量・品質に関連する施工ミスにより、リフォームに失敗した場合は、基本的に契約不適合責任を追及できます。しかし、請負契約を交わす際に免責特約が設定されていると、契約不適合責任を問えない可能性がある点に注意しましょう。なお、不適合に気付いた時点から1年以内に業者に通知しなかった場合、原則として責任を追及できないので、早めの対応が必要です。

(2)契約不適合責任が認められる場合

リフォーム業者に契約不適合責任が認められれば、依頼主は以下の5つの請求や主張を行うことで救済を受けられます。

①追完請求

種類・数量・品質の観点で、契約と食い違う不完全な目的物を、契約と一致するように追完を請求できる権利が、民法562条に定められている「追完請求権」です。依頼主は業者に対し、追完を求めるのに妥当な期間を設定して、不足品や代替品の納品・設置を要求したり、品質の問題を補修で解決するよう求めたりできます。

②代金減額請求

追完を請求したにもかかわらず、期限を過ぎても対応されない場合に、契約と食い違う度合いに応じて請負代金を減額できる権利が、民法第563条に定められている「代金減額請求権」です。

③催告解除

期限を過ぎても催告に応じてもらえない場合、民法第541条に基づき契約を解除することができます(催告解除)。これにより、支払った代金全額の返還を請求できます。ただし、契約と食い違っている度合いが小さいと判断される場合は、契約解除できません。

④無催告解除

契約上予定されていた種類・数量・品質のリフォームをすることができない場合や、契約と食い違っている部分を直すことができず、直すことができないと契約の目的を達成できない場合は、民法第542条に基づき、催告をせずに契約を解除することができます。

⑤損害賠償請求

業者の過失が原因で施工不良が発生し、依頼主が損害を被った場合には、民法第415条に基づき損害賠償を請求することができます。

リフォームに失敗して、業者に契約不適合責任を追及しようとすると、法律や建築関連の専門知識がどうしても欠かせません。自力でトラブルを解決することが困難だと感じたら、なるべく早めに経験が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

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  • こちらに掲載されている情報は、2024年02月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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