美容整形に関するトラブル! 集団訴訟を起こすメリット、デメリットとは?
美容整形トラブルでは提訴せずに泣き寝入りするケースが少なくありません。なぜ、泣き寝入りしてしまうのでしょうか。また、このようなトラブルの解決策として、集団訴訟という選択肢があります。集団訴訟にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、美容整形トラブルで泣き寝入りが多い理由と、集団訴訟について解説します。
1. 美容整形トラブルで泣き寝入りが多い理由
(1)恥ずかしさや後ろめたさがある
美容整形トラブルはその特性から、失敗した場合に「恥ずかしい」「後ろめたい」と感じてしまう人が多く、クリニックや医師に対して責任を問うことなく、泣き寝入りしてしまうケースが少なくありません。
また、仮に訴訟したとしても、裁判では施術前後の写真を公表しなければならない可能性が高く、自分の容姿に対するコンプレックスを公にさらけ出さなければならない「つらさ」もあります。
さらに近年、美容整形に対する意識は変化しつつあるものの、まだまだ世間的には否定的な意見も多く、これらの風潮を乗り越えてまで争うことに消極的になってしまうことも、提訴を諦めてしまう理由と考えられます。
(2)賠償額が少ない
美容整形の賠償額は、一般的な医療過誤に比べて賠償額が少ないため、それが原因で泣き寝入りしてしまう方も多いです。美容整形の場合、せっかく勝訴しても裁判費用や弁護士費用などを差し引くと赤字になる可能性が高く、なんのために訴えたのかわからなくなってしまいます。
(3)失敗したことを立証するのが難しい
勝訴するには、美容外科手術が失敗したことを立証する必要がありますが、立証は容易ではありません。
美容整形の場合、一般的な手術と異なり、本人が仕上がりに納得できず失敗と感じてクリニックや医師を訴えたいケースと、施術によって大きな傷跡が残った、副作用で神経に麻痺が残ったなど、なんらかの身体的危害を受け訴えたいケースがあります。
どちらの場合でも提訴はできますが、勝訴するには医療過誤を認めざるを得ない証拠が必要です。そこで、特に重要になるのがカルテです。カルテには施術前の診断や医師とのやり取りなどが書かれているため、裁判準備としてカルテをそろえなければなりません。
しかし、カルテを持っているのは訴えられる側のクリニックであるため、カルテを開示してもらうには高額な費用が必要だったり、開示してもらうまでに時間がかかったりするケースがあります。さらに医療行為についてわからないところは別の医師の協力が不可欠なため、カルテの内容検証だけで時間も労力もお金もかかります。そのため、提訴すること自体を諦める方も少なくありません。
2. 美容整形トラブルにおける集団訴訟とは?
(1)集団訴訟とは
集団訴訟とは、同じ相手から同様の被害を受けた者同士が協力し合って民事訴訟を起こすことです。つまり、美容整形トラブルの場合、同じクリニックや医師から同様の施術を受け、同じような被害に悩まされている場合に、集団訴訟が起こせる可能性があります。
(2)集団訴訟するメリット
集団訴訟は原告にとっていくつかのメリットがあります。まず、1人あたりの費用負担を軽減できることです。前述の通り、美容整形では賠償額が少なく、赤字となることもあります。しかし、集団訴訟なら、多くの被害者が集まることで弁護士費用などが分担でき、費用がネックで訴訟を諦めていた被害者も参加しやすくなります。
また、訴訟に必要不可欠な証拠資料が集めやすくなるメリットもあります。集団訴訟では、自分以外が集めた証拠も自分のものとして利用できる「証拠共通の原則」が認められており、訴訟を有利に進められるかもしれません。
さらに、複数人が集まり訴訟を起こすことで、マスメディアが社会問題として取り上げてくれる可能性があります。ニュースや新聞、SNSなどで訴訟のことが話題になれば、世論が動き、再発防止策の策定への期待度も高まります。特に医療関係では、制度改善の動きに発展することも少なくありません。
(3)集団訴訟するデメリット
集団訴訟は、費用負担や証拠集めなどの観点から多くのメリットがあり、大きなデメリットは見当たりません。しいて言えば、個人で訴訟するよりも多くの人や証拠を扱うため長期化しやすく、長引くほど費用もかさみます。さらに原告同士で対立が生まれることもあるため、集団訴訟を検討している場合には、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
3. 美容整形トラブルで集団訴訟を検討中なら弁護士に相談を
美容整形トラブルで集団訴訟を起こしたいなら、まずは該当のクリニックで同じような施術をし、同じような後遺症などで悩まされている人はいないか、インターネットなどで検索してみましょう。もしかしたら、すでに同じような状況下の人たちが、集団訴訟の準備を進めているかもしれません。そのような場合には、担当の弁護士の話を伺い、納得したうえで参加させてもらいましょう。
同じような被害者の会がない場合には、自身が発起人となり、被害者団体を立ち上げることも可能です。その場合、まずは被害内容について弁護士に相談しましょう。集団訴訟にはある程度の訴訟戦術が必要なため、最初に相談することで法的視点からのアドバイスや勝訴の見込みについて検討してもらえます。
美容整形の失敗による訴訟は、立証が難しく賠償額もあまり見込めません。しかし、集団訴訟を起こすことで、弁護士費用が抑えられ、立証のための証拠集めも有利になります。集団訴訟を検討しているのであれば、まずは弁護士に相談してみましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2023年09月26日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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