詐欺通販サイトの商品を代引きで受け取ってしまった! 対処法は?
ネット詐欺のなかでも、近年のコロナ禍の影響で増加しているのが代引き詐欺です。悪質な詐欺通販サイトはインターネット上で数多く運営されており、被害に遭う人も少なくありません。
本コラムでは、代引き詐欺のパターンや被害に遭ったときの具体的な対処法などについて解説します。
1. 悪質通販サイトで散見される「代引き詐欺」とは
代引き詐欺とは、代金と引き換えに荷物を受け取る運送サービスである、代金引換を悪用した詐欺です。コロナ禍により生活様式が変化するなかで、代引き詐欺が増加しました。
(1)代引き詐欺のパターン
代引き詐欺のよくあるパターンとして、注文していない商品が代引きで届き、支払いをしてしまうケースが挙げられます。また、商品を代引きで購入したサイトが詐欺サイトだった、クレジットカード決済で購入したにもかかわらず勝手に代引きへ変更され、しかも偽物が届いたといった事例もあります。
(2)悪質通販サイトの特徴
旧字体が使われている、あるいは日本語が不自然なサイトは、中国の詐欺サイトである可能性があります。ほかにも、特定商取引法の記載がない、支払い方法が代引き以外選べないといったサイトにも注意しましょう。振込先として記載されている口座が個人名義である、住所や連絡先が記載されていない、販売価格が大幅に安すぎる、といったケースも要注意です。
(3)ネット詐欺は「詐欺罪」にあたる
悪質な詐欺サイトで偽物を販売する、代引きで商品を送りつけるといったネット詐欺は、詐欺罪にあたります。刑法第246条では、人をだまして財物を交付させた者には、10年以下の懲役を科すと定められています。
2. 届いた商品はどうしたらいい?
日常的にネット通販を利用している場合、注文したかどうかはっきりせず、代引きで商品を受け取ってしまうかもしれません。また、家族が受け取ってしまう可能性もあります。
(1)届いた商品はすぐに処分しても良い
ターゲットのもとへ商品を勝手に送りつけ、あとから代金を請求するケースも少なくありません。ただ、このような場合でも代金を支払う必要はなく、商品も処分して大丈夫です。もちろん、処分せずに自分で使っても問題ありません。
(2)詐欺業者とは連絡を取らない
詐欺業者と連絡を取ってしまうと、うまく言いくるめられてしまうかもしれません。悪質な業者の場合、電話口で脅迫めいた言葉を投げかけられるおそれもあります。余計なトラブルを回避すべく、商品を受け取ってしまったとしても詐欺業者と連絡を取るのは控えましょう。
(3)商品を返せと言われたら
商品が一方的に送られてきた場合、返す必要はありません。以前は、受け取った商品を14日間保管しなくてはなりませんでしたが、法改正によりそれも不要になりました。もし、詐欺業者からの連絡を受けてしまったのなら、法律上返す義務はないと伝えましょう。その後、消費者ホットラインなどへの相談をおすすめします。
3. 受け取る前の商品はキャンセルできる?
詐欺サイトと気づかないまま、商品を代引き購入してしまう事例も少なくありません。あとから詐欺サイトと気づいた場合には、商品は受け取らず無視し、しかるべきところへ相談しましょう。
(1)受け取らずに無視するのが最善
商品を受け取り、代金も支払ってしまった場合、あとからお金を取り返すのは困難です。詐欺サイトで商品を代引き購入したのであれば、送られてきても受け取らずに無視しましょう。自身が不在のときに家族が誤って商品を受け取らないよう、あらかじめ伝えておくことも大切です。
(2)銀行やクレジットカード会社に相談
クレジットカードで決済した場合は、クレジットカード会社に連絡を入れましょう。取引に問題があると認められれば、支払いの停止が可能です。詐欺サイトでクレジットカード情報を入力してしまったとしたら、その旨も伝えて対処法も教えてもらいましょう。
(3)警察に被害届を提出
警察への被害届提出も検討すべきです。なるべく、被害を受けてから間をあけずに提出しましょう。被害届の提出は事件が起きたエリアを管轄する警察署の窓口に行います。警察署の窓口で伝えたら書類を渡してくれるので、書式にのっとって必要事項を記入しましょう。
(4)消費者センターに相談
消費者センターは、地方公共団体によって運営されている機関です。消費者トラブルの救済や防止といった活動を行っており、消費者活動に関するさまざまな相談も受けつけています。直接窓口へ足を運ばずとも、電話で相談できるため手軽です。
4. 代引き詐欺に遭ったら返金はしてもらえる?
代引き詐欺で詐取されたお金を返金してもらえるかどうかは、ケース・バイ・ケースです。
(1)誤って代金を支払ってしまった場合
Amazonや楽天といった、大手ECモールやプラットホームから代引きで送られてきた商品に対し、誤って支払いをしたケースでは、プラットホームのカスタマーサポートへ連絡してみましょう。詐欺サイトから送られてきた場合は、民事訴訟も視野に入れて弁護士への相談をおすすめします。
(2)気づいたらすぐに相談しよう
被害を受けたと認識したら、できるだけ早いタイミングで相談することが大切です。相談先としては、消費者ホットライン「188」が挙げられます。ここは、最寄りの消費生活センターなどの相談窓口を紹介してくれます。また、警察相談専用電話「#9110」へ連絡すれば、相談したい内容に応じて適切な窓口を案内してくれるため安心です。
代引き詐欺の被害に遭っても、慌てることなく落ち着いて行動しましょう。あとから詐欺サイトと気づいたのなら支払いや商品の受け取りはせず、しかるべきところへ相談してください。
- こちらに掲載されている情報は、2023年11月02日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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