犯罪予告はどこに通報する? 警察は動いてくれる?

犯罪予告はどこに通報する? 警察は動いてくれる?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

インターネットで犯罪予告を受けて、不安な思いを抱えていませんか? 犯罪予告を受けたら、警察に通報してください。捜査が始まり、犯人が逮捕されるかもしれません。

この記事では、犯罪予告を受けた際にとるべき行動や問うことができる罪について解説します。

1. 犯罪予告を受けたら警察に通報しよう

犯罪予告を受けると、不安と混乱でどうしたらよいかわからなくなってしまうかもしれません。まずは警察に相談、通報することで、加害者の逮捕につながったり、その後の同様の行為を防いだりできる可能性があります。

(1)警察に通報する前に証拠をそろえる

証拠がない状態で警察に相談に行っても、思ったような結果は得られません。犯罪予告を受けた証拠があることで、警察も動きやすくなり捜査を有利に進められます。

そろえておくべき証拠の例は、以下の通りです。

  • 犯罪予告を受けた投稿やメールのスクリーンショットを保存したり、プリントアウトしたりする
  • 犯罪予告を受けた際に録音しておく

証拠を保存する際は、投稿内容・投稿日時・ページのURLが確認できるようにしましょう。もし加害者があとから投稿を削除しても、犯罪予告が行われたことを証明できます。

また、複数の投稿にわたって犯罪予告が行われている場合は、犯罪予告前後の文章も保存しておきましょう。会話全体の流れを見て、その言葉が犯罪予告に当たるかを判断されることもあるからです。

(2)逮捕の対象となる行為

犯罪予告行為のすべてが逮捕の対象になるわけではありません。逮捕の対象となる行為の例は以下の通りです。

  • 被害者を明確に指定した犯罪予告(例:明日、○山×男を殺害する)
  • 対象をおおまかに設定した犯罪予告(例:明日、○○駅で無差別殺人事件を起こす)
  • 文章の一部が誤っている犯罪予告(例:明日、○○で小学生をコロす)

あえて伏せ字を使用していると判断されるため、一般的な犯罪予告と同等の扱いになります。

これに対して、実現が不可能な殺人予告は逮捕の対象になりません。(例:明日、土星で人を殺す)

(3)第三者として違法情報や有害情報を見つけた場合

もしインターネットで犯罪予告を見つけた場合は、「インターネット・ホットラインセンター」に通報してください。自分自身が犯罪予告を受けなくても、警察へ情報を提供できます。プロバイダーやサイト管理者への投稿削除依頼や、フィルタリング事業者への有害情報提供につながります。あなたの通報が、より良いインターネット社会をつくるということです。

2. インターネット上の犯罪予告で問われる可能性がある罪

インターネット上の犯罪予告は、以下のような犯罪に問われます。

(1)脅迫罪

「明日、○山×男を殺す」などと特定の人物の生命に危害を加えようとする投稿は、脅迫罪に問われます。2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

(2)恐喝罪

「明日、お金を支払え。支払わないと危害を加える。」などとする投稿は、恐喝罪に問われます。10年以下の懲役が科せられます。

(3)強要罪

「謝罪の印として土下座しろ」などと本来不必要な行為を相手に強要するメッセージは、強要罪に問われます。3年以下の懲役が科せられます。

(4)威力業務妨害

「明日、○○公園に爆弾を仕掛ける」といった投稿は、威力業務妨害に問われます。この投稿がされたせいで、警備強化などを行わなければならないからです。警察や関係施設などの業務を妨害したとして、3年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられます。

(5)公務執行妨害

「明日、○○市役所の職員を殺す」と公務員に危害を加える予告をした場合、公務執行妨害に問われます。3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科せられます。

(6)軽犯罪違反

犯罪予告に違法性が少ないと判断された場合、軽犯罪違反として立件されます。拘留または科料が科せられます。

3. 警察が捜査してくれない場合の対処法

犯罪予告に対し、もし警察が捜査してくれない場合、「刑事告訴」か「損害賠償請求」に踏み切りましょう。

(1)刑事告訴

警察に刑事告訴すれば、捜査義務が捜査機関に生じるので捜査が実施されることになります。刑事告訴とは、被害者が加害者に対する処罰を求めて、捜査機関に犯罪を申告することです。告訴を行う際は、犯罪に関係する画面のスクリーンショットなど、犯罪予告の証拠を一緒に提出しましょう。

(2)損害賠償請求

捜査が実施できない場合は、損害賠償を請求しましょう。発信者情報開示請求によって投稿者を特定し、損害賠償を求めます。匿名掲示板の投稿でも、プロバイダーやサイト運営者に依頼することで、加害者の身元を明らかにできます。請求には長い時間がかかりますが、加害者と対話ができるので、根本的な問題解決につながります。

ただし、損害賠償請求を個人で実施することは非常に難しいです。専門的な手続きを行わなければならないため、弁護士に相談することをおすすめします。

犯罪予告を受けた際は、不安にさいなまれてしまうかもしれませんが、冷静に証拠を集めるなどの準備をして警察や弁護士の力を借りてみましょう。加害者の逮捕や、損害賠償の請求に結びつきます。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2023年08月04日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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