離婚後元配偶者が亡くなったとき遺族年金を受け取れるケースとは
  • 2021年04月15日 (更新:2021年07月15日)
  • 家族・親子

離婚後元配偶者が亡くなったとき遺族年金を受け取れるケースとは

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

婚姻期間がそれなりにあれば、離婚時に子どもがいるケースも少なくないでしょう。また、会社を退職した後の主な収入源は、年金という方がほとんどなので、年金をいくら受け取れるかは非常に重要な問題です。

中でも離婚後、元配偶者が亡くなったときに、自分や子どもは遺族年金を受け取ることができる可能性があるのかどうかが気になる方もいるのではないでしょうか。

1. 遺族年金の概要

そもそも遺族年金とは、国民年金もしくは厚生年金保険に加入していた被保険者が亡くなったとき、該当の被保険者の収入によって生計を維持していた遺族が受け取れるお金です。

受け取ることができる遺族年金の金額などは、亡くなった元配偶者が加入していた年金保険制度によって異なります。

(1)遺族基礎年金

国民年金に加入していた方が亡くなったとき、特定の条件を満たしていれば、被保険者との間の子どもがいる配偶者と、被保険者の子どもが受け取ることができる年金です。元配偶者が国民年金のみに加入していた自営業者だった場合は「遺族基礎年金」のみが支給されます。

(2)遺族厚生年金(遺族共済年金)

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していたサラリーマンの遺族が受け取ることができる年金です。遺族共済年金は共済年金に加入していた組合員(主に公務員)の遺族が受給対象となりますが、共済年金そのものは、平成27年に厚生年金に統合されています。

なお、いずれも遺族年金を受け取るためには特定の条件を満たしている必要があります。

2. 遺族年金を受け取るための条件

遺族年金の受給要件(受給する権利が発生する条件)は詳細に定められています。
被保険者にあたる方が以下のいずれかに該当しているとき、遺族年金を受給する権利が発生するとされています。

(1)遺族基礎年金

被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

(2)遺族厚生(共済)年金

  • 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

ただし、遺族厚生年金や遺族共済年金には受け取り順位が定められています。支給対象となる遺族が複数いても、下記の優先順位が高い方に遺族年金が支給されます。

  • 第1順位:配偶者または子ども
  • 第2順位:父母
  • 第3順位:孫
  • 第4順位:祖父母

たとえあなた自身が被加入者とすでに離婚していても、あなたと元配偶者の間に生まれた子どもは、「第1順位で遺族厚生年金を受け取ることができる」ということになります。ただし、再婚相手とあなたの双方に元配偶者との間の子どもがいる場合、再婚相手が優先され、あなたと元配偶者との間の子どもは遺族厚生年金を受け取ることはできません。

いずれの年金制度でも、遺族年金を受け取るためには、保険料納付済期間や納付すべき保険料の滞納状況等に関する条件もあります。受給要件を満たしているかどうかは、亡くなった方が加入していた年金事務所へ問い合わせてみたほうがよいでしょう。

3. 元配偶者が亡くなったとき遺族年金が受け取ることができるケース

元配偶者はすでに被保険者と他人であるため、遺族年金の受給資格はありません。しかし、次の2つの条件を満たしているケースに限り、すでに離婚が成立している元配偶者との間に生まれた「子ども」が遺族基礎年金を受け取れる可能性があるでしょう。

  • 被保険者の子ども自身の年齢が18歳になった年の年度末まで、もしくは20歳未満で障害等級1級または2級の障害があるとき
  • 子ども自身が「元配偶者によって生計を維持されていた」ことが証明できるとき

離婚後、配偶者から養育費を一切受け取らずにあなたがひとりで子どもを育てている場合や、子どもがすでに成人している場合には、子どもが遺族年金を受け取る資格がないことになります。

なお、上記2つの条件を満たすことは前提ですが、亡くなった元配偶者が加入していた年金保険制度によって、遺族年金の支給対象者が変わります。
詳細は、年金事務所にお問い合わせいただいたほうがよいでしょう。

4. 「生計維持関係」とは

一般的に「生計維持関係」があったとみなされる要件は、法令で定めるよう厚生年金保険法第59条第4項で定められています。現状、あなたの子どもが、元配偶者との間に生計維持関係にあったというためには、例えば以下のような事情が必要です。

  • 亡くなった元配偶者と同居していた
  • 亡くなった元配偶者とは別居していたが仕送りを受けていた
  • 亡くなった元配偶者が加入する健康保険の扶養家族だった

もし、定期的に養育費を受け取っていて、その記録が残っているときは、「生計維持関係があった証拠」とすることができるかもしれません。養育費の受け取りをしているときはしっかりその履歴を残しておくことをおすすめします。

なお、子どもが受け取ることができる年金額は、亡くなった元配偶者が加入していた年金制度によって異なります。もし受け取ることができる場合は、具体的な金額について、年金事務所に問い合わせてください。

元配偶者の遺族年金を子どもが受け取るためには、市町村役場や年金事務所で手続きを行わなければなりません。死亡したら自動的に支給されるわけではないので、早めに手続きを行いましょう。

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