教師によるいじめ、どこに相談したらいい? 対処法は?

教師によるいじめ、どこに相談したらいい? 対処法は?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

教師という立場にありながら、生徒に対していじめを行う問題事例が多数報告されています。もし教師によるいじめを受けてしまったら、すぐに弁護士までご相談ください。

今回は教師によるいじめについて、パターンと報道事例・対処法・相談先などを解説します。

1. 教師によるいじめのパターン・報道事例

(1)恫喝(どうかつ)・罵倒する

教師が優越的な立場を利用して、生徒を恫喝・罵倒する例はしばしば報告されています。生徒を導く立場にあるとはいえ、人間としては対等である生徒を恫喝・罵倒するなどあってはならない行為です。

2016年には県立高校の男性教師が、女性生徒に対して「お前は必要とされていない」などと恫喝・罵倒した直後に、女性生徒が校舎から飛び降りて骨折する事件が発生しました。

当該事件について、静岡地裁は県に220万円の損害賠償を命ずる判決を言い渡しています。

(出典:「精神的に追い詰めた」…教師の恫喝で3階から飛び降り重傷 当時高校2年の女性が勝訴…県に220万円の損害賠償命じる 静岡地裁」(静岡朝日テレビニュース))

(2)集団無視を呼びかける

教師が生徒に対して、特定の生徒を集団で無視するよう呼びかける事例も報告されています。生徒同士のいじめを排除すべき立場にある教師が、率先していじめを呼びかけるなど言語道断です。

2022年には市立小学校において、50代の男性教師が特定の児童に対する集団無視を呼びかけた事案が問題になりました。当該事案については、市教育委員会が記者会見を開いて謝罪し、報告書をまとめています。

(出典:「野洲市 小学校教諭のいじめ問題で報告書まとまる 近く公表」(NHK NEWS WEB))

(3)特定の児童に対して嫌がらせをする

個人的に気に入らない生徒に対して嫌がらせをする例も、教師によるいじめとしてはよく見られます。教師としての資質を欠くのみならず、人間としてきわめて卑劣な行為といえるでしょう。

2020年度において、市立小学校の男性教師が児童4人に対してプリントを配布しない、給食を少量しか盛り付けないなどの差別的な行為をした事例が報道されました。当該事案については、市教育委員会が男性教師を懲戒免職処分とし、さらに校長を3か月間の減給処分としました。

(参考:「児童4人にプリント配らず、給食は少量...小学校教諭を懲戒免職 「教員によるいじめ」と横浜市教委」(東京新聞))

2. 教師によるいじめ被害に遭った場合の対処法

学校で教師によるいじめに遭ってしまったら、以下の方法で対処しましょう。

  1. 学校にクレームを申し入れる
  2. 教育委員会に相談する
  3. 警察に被害届を提出する
  4. 弁護士に依頼して損害賠償を請求する

(1)学校にクレームを申し入れる

学校側が教師によるいじめを認識していない場合には、直接クレームを入れることで教師に対する指導・処分がなされ、状況が改善する可能性があります。

ただし、学校側がクレームをもみ消すことも想定され、その場合は別の方法を検討しなければなりません。

(2)教育委員会に相談する

国公立学校の場合、教育委員会に学校への指導・監督を求めることも考えられます。学校に対する直接のクレームが奏功しない場合は、教育委員会に相談してみましょう。

ただし、教育委員会も学校と共謀して、教師によるいじめをもみ消そうとする可能性があります。また、私立学校の場合は教育委員会によるコントロールが十分に及ばないため、相談しても効果が薄いことが多いです。

このような場合には、別の方法を検討する必要があります。

(3)警察に被害届を提出する

教師が暴力・脅迫・名誉毀損(きそん)などの犯罪行為に及んでいる場合には、警察に被害届を提出することも考えられます。

教師による犯罪行為を証拠に収めることができれば、警察も捜査に動きやすいでしょう。たとえばいじめの現場を録音・録画する、いじめに関連するプリントやノートなどを証拠提出するといった方法が考えられます。

可能であれば友人の協力も得て、できる限りの証拠確保を行いましょう。

(4)弁護士に依頼して損害賠償を請求する

加害者である教師個人や学校側に対して、いじめにより受けた精神的損害の賠償を請求することも考えられます。その場合は、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士には、損害賠償請求の対応を全面的に任せられます。教師によるいじめの違法性と被害者が受けた損害を法的な観点から適切に主張し、迅速な被害回復に向けて尽力してもらえるでしょう。

教師・学校側と直接やり取りせずに済み、精神的な負担が軽減されることも、弁護士に相談するメリットです。

教師からいじめを受けている方は、一人で抱え込むことなく、すぐに弁護士へご相談ください。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2023年03月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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