子どもの塾を解約したい。授業料は返ってこないってホント?
  • 2022年11月16日
  • 学校・教育

子どもの塾を解約したい。授業料は返ってこないってホント?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

子どもの学習塾は大小さまざまな事業者が運営して、塾の系列や授業の内容、日数などによっては費用が高額になることがあります。

ただ子どもの希望や家庭の事情で、途中で塾をやめたいという家庭もあるでしょう。では利用者側の都合で解約をする場合、費用は返還されるのでしょうか。

1. 塾と家庭の間でよくあるトラブル

学習塾をめぐってはトラブルが頻発しています。主なものをご紹介します。

<解約・返金トラブル>

  • 月内での退塾を希望したところ、来月分の授業料も請求された
  • 夏期講習前にキャンセルを申し出たが受け入れてもらえず、返金もしてもらえなかった
  • 前期分を一括で支払い、途中で退塾を希望したところ、高額な違約金を請求された
  • 退会しようとしたらしつこく引き留められた

<契約トラブル>

  • 入塾手続きで契約書面が交付されなかった
  • ホームページに書いてある金額と授業料が違う
  • 契約時に説明のなかった費用を請求された

<授業内容、講師・生徒間のトラブル>

  • 生徒の数や講師が事前の説明とは違う
  • 講師が高圧的で子どもが怖がっている
  • 生徒間でいじめが起きている

2. クーリング・オフできる? できない?

学習塾をめぐるトラブルの中でも特に深刻なのが解約や返金に関するものです。解約・返金トラブルにおいては「クーリング・オフ」が有効な解決手段です。

(1)クーリング・オフとは

クーリング・オフとは、契約の申し込みをした後でも、一定期間内であれば無条件で契約の撤回や解除ができる制度です。

クーリング・オフの対象となる取引とクーリング・オフ期間は、特定商取引法で以下のように定められています。なおクーリング・オフ期間は契約書面を受け取った日が起算日です。

<クーリング・オフ期間・8日間>

  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 特定継続的役務提供
  • 訪問購入

<クーリング・オフ期間・20日間>

  • 連鎖販売取引
  • 業務提供誘引販売取引

(2)クーリング・オフができる学習塾の契約とは

学習塾の利用契約は、ケースによっては「特定継続的役務提供」に該当するため、クーリング・オフが適用できます。

特定継続的役務提供とは、一定金額以上の対価を受け取り、長期間、継続的にサービスを提供することです。

対象となるのは以下の事業、条件を満たしたサービスです。

<事業内容>

学習塾、家庭教師、語学教室、パソコン教室、エステ、美容医療、結婚相手紹介サービス

<期間>

1か月または2か月を超える(事業によって異なる)

<金額>

受講料や教材費を含めて5万円超

学習塾は以下に当てはまる場合、特定継続的役務提供にあたります。

  • 契約期間が2か月以上
  • 契約金額が5万円以上

上記に該当する場合、理由に関係なく、クーリング・オフにより契約の撤回・解除、返金ができる可能性があります。

なお月謝制の塾はこれに当てはまらないため、原則、対象外です。

(3)クーリング・オフ期間が過ぎた場合の対処方法

特定継続的役務提供の条件にマッチするもののクーリング・オフ期間を過ぎてしまった場合、「中途解約」が利用できます。

中途解約については、以下の手数料を払えば受講していない分の授業料などの返還を受けられる可能性があります。

<解約手数料>

  • 契約した授業や講習が始まる前
    1万1000円(上限)
  • すでに授業や講習が始まっている場合
    2万円または1か月の授業料相当額のいずれか低い方

また特定継続的役務提供については、事業者は契約前に概要書面を、契約後に契約書面を公布しなければいけません。

消費者がそもそも契約書面を受け取っていない場合には、クーリング・オフ期間のカウントダウンが始まっていません。そのため契約から時間がたってしまっている場合でも、すぐに内容証明郵便などを使い、塾にクーリング・オフを利用することを書面で通知しましょう。

なお予備校については、現役生のみ、または現役生と浪人生の両方を対象としたコースは「特定継続的役務提供」ですが、浪人生のみの授業は対象外です。法定書面の交付義務はなく、クーリング・オフや中途解約も利用できないため注意してください。

3. 学習塾の解約トラブルの相談先

学習塾と解約や返金をめぐってトラブルになった場合には、一人で抱え込まず、できるだけ早く以下のような相談先に連絡しましょう。

(1)消費生活センター、消費者ホットライン「188」

消費者が巻き込まれる主なトラブルは、消費生活センターで相談を受け付けています。消費者ホットライン(局番なしの188番)に電話すると、最寄りの消費生活センターにつないでくれるので、まずは電話をしてみましょう。

(2)弁護士

弁護士は法律に照らし合わせて、相談者のケースでクーリング・オフが可能かどうか、中途解約は可能かどうか判断してくれます。

対象外であった場合でも、違法勧誘や債務不履行など、ほかの理由による契約解除や返金ができないか、検討してくれます。「クーリング・オフ期間が過ぎているから」「すでに授業を受けているから」と諦めずに、相談してみることをおすすめします。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年11月15日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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