銀行カードローンで借り入れ。過払い金は発生する?
  • 2022年09月29日
  • 借金・債務整理

銀行カードローンで借り入れ。過払い金は発生する?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

銀行カードローンの返済が困難となった場合、債務整理を通じた解決を図るのが有力な方法です。

ただし、債務整理の方法として有名な「過払い金返還請求」については、銀行カードローンの場合は行うことができません。そのため、弁護士や司法書士のアドバイスを受けながら、別の方法による債務整理を検討しましょう。

今回は、銀行カードローンについて過払い金が発生しない理由や、銀行カードローンの借金問題を解決する方法などを解説します。

1. 銀行カードローンについて、過払い金は発生する?

銀行カードローンについては、過払い金は発生しないと考えられます。グレーゾーン金利が撤廃された2010年6月18日より前の段階でも、銀行カードローンの金利は、利息制限法の範囲内に抑えられていたからです。

債務者が債権者に返還を請求できる「過払い金」とは、利息制限法の上限金利を超えて支払った利息を意味します。

2010年6月17日以前は、利息制限法の上限金利(年15%~20%)と旧出資法の上限金利(年29.2%)(約定利率が年29.2%を超えた場合のみ刑事罰を科された)がずれていました。

このズレに相当する金利帯を違法ではあるが刑事罰が科されない金利という意味で「グレーゾーン金利」と言います。

貸金業者を中心として、このグレーゾーン金利による貸し付けが盛んに行われたため、多額の過払い金が発生するに至ったのです。

しかし、銀行カードローンについては、運営会社である銀行が、コンプライアンスの観点からグレーゾーン金利による貸し付けを自粛していました。そのため、銀行カードローンの債務者は、債権者である銀行に対して過払い金の返還を請求することができないのです。

2. 銀行カードローンと銀行系クレジットカードの違い

銀行カードローンとは異なり、銀行系クレジットカードのキャッシングを利用した債務者は、債権者に対して過払い金の返還を請求できる場合があります。

(1)銀行系クレジットカードでは過払い金が発生することがある

銀行系クレジットカードの運営会社は、銀行の関連会社である信販会社(カード会社)であって、銀行そのものではありません。そのため、銀行本体とは貸し付けに関する方針が異なり、かつてはグレーゾーン金利による貸し付けも行われていました。

したがって、一定の条件を満たす銀行系クレジットカードの債務者は、債権者である信販会社に対して、過払い金の返還を請求できます。

(2)過払い金返還請求ができる場合の要件

銀行系クレジットカードの信販会社に対して、債務者が過払い金の返還を請求するためには、以下の要件をいずれも満たすことが必要です。

①利息制限法の上限を超えて金利を支払ったこと

元本額に応じて、以下の利率を超える金利を支払った場合には、過払い金返還請求権が発生します(利息制限法1条)。

  • 10万円未満:年20%
  • 10万円以上100万円未満:年18%
  • 100万円以上:年15%

②過払い金返還請求権の消滅時効が完成していないこと

最後の返済日(最終取引日)に応じて、以下の期間が経過すると、過払い金返還請求権の消滅時効が完成します。

  • 最後の返済日が2020年3月31日以前:最後の返済日から10年
  • 最後の返済日が2020年4月1日以後:最後の返済日から5年

ただし、期間の途中で時効の更新・完成猶予(旧民法では中断・停止)がなされた場合には、消滅時効は完成しません。

3. 銀行カードローンの借金問題を解決するには?

銀行カードローンの借金問題を解決するには、弁護士または司法書士に相談して、債務整理を行うのがおすすめです。

(1)債務整理とは?

債務整理とは、債権者との交渉や裁判所での手続きを通じて、債務負担を軽減することを意味します。

債務整理の方法としては、主に以下の3つが挙げられます。

①任意整理

債権者と個別に交渉して、利息・遅延損害金のカットや返済スケジュールの変更を認めてもらう手続きです。迅速・柔軟に債務負担を軽減できるメリットがあります。

②個人再生

裁判所の手続きを通じて、原則としてすべての債権者との間で債権カットや返済スケジュールの変更を行います。一部の債権者が反対していても利用できるほか、自宅の土地・建物を手元に残せる可能性がある点が大きなメリットです。

③自己破産

債務者の財産を処分することと引き換えに、原則としてすべての債務を免除する手続きです。支払不能であれば誰でも利用でき、債務者を救済する最後の手段と位置付けられます。

(2)弁護士または司法書士に相談するメリット

債務整理を行う際には、弁護士または認定司法書士に相談するのがおすすめです。どの方法を選択するのが適切かについてアドバイスを受けられるほか、実際の債務整理手続きへの対応も任せられます。

ただし、認定司法書士は、1社当たりの債権額が140万円以下の事案しか取り扱うことができません。また、個人再生や自己破産の代理人を務めることはできず、裁判所に提出する書類を作成できるにとどまります。

そのため、債務整理に関する対応全般を専門家に一任したい場合には、弁護士に相談するのがよいでしょう。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年09月27日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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