未決勾留とは? 刑期に算入される日数の計算方法を解説

未決勾留とは? 刑期に算入される日数の計算方法を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

未決勾留とは、刑事事件で被疑者または被告人になった場合、判決確定までの間に刑事施設に収容されることです。

本コラムでは「未決勾留とはどのようなものなのか」「未決勾留日数とは何か、算入できる日数の計算はどう行うか」など、未決勾留に関する基本的な情報や算入対象となる刑罰などについて解説します。

1. 未決勾留とは

未決勾留とは、刑事事件の被疑者または逮捕された被告人が、裁判の判決が確定するまでの間、刑事施設に収容されることです。被疑者または被告人が、捜査や裁判に必要な証拠を隠滅(いんめつ)したり、逃走したりすることを防ぐために、本人の意思に関わらず、強制的に行われます。

捜査段階にある被疑者の勾留期間は原則として10日間、延長が認められた場合にはさらに10日間が追加され、最長20日間です。起訴後の被告人の場合は公訴提起された日から原則2か月間、裁判所が継続の必要を認めると、1か月ごとに更新されます。

これらの判決確定前に受けた処分期間を「未決勾留日数」と呼びます。移動の自由が奪われる点では、懲役などの自由刑に似ていますが、処分自体は刑罰には該当しません。ただし、有罪判決を受ける前から身柄が拘束されるため、未決勾留日数分だけ刑罰の軽減が考慮されます。未決勾留には逮捕後、検察官に身柄が送られてから勾留に至るまでの72時間、勾留執行停止、保釈中の期間などは含まれません。

2. 未決勾留日数の計算方法

未決勾留日数の本刑への算入に関しては「その全部または一部を本刑に算入することができる」と刑法第21条に明記されています。ただし、あくまでも「することができる」であって、必ず本刑に算入されるわけではありません。未決勾留日数をどのように扱うかについては裁判官の裁量に委ねられています。

未決勾留日数については、上記の「裁定算入」のほかに「法定通算」があります。法定通算には①上訴(控訴・上告)提起期間中、②検察官の上訴申し立て後、③検察官以外の者が上訴を申し立てた場合の上訴裁判所による原判決破棄後 の3種類の未決勾留日数があり、これらは全部が本刑に算入されると刑事訴訟法第495条で定められています。

(1)裁判所の裁量によってカウントできる場合(裁定算入)

裁定算入される日数は、起訴後の裁判準備に通常必要とされる日数を超える日数とされています。裁判準備には、基本的に初公判の開始までの約30日がかかります。さらに2回目以降の公判は、前回公判から10日程度はかかると考えられるため、それらを超える日数が算入されます。裁定算入では、算入可能な未決勾留日数は以下の式で算出できます。

算入可能な日数=起訴後の未決勾留日数-(30日+(公判回数-1)×10日)

(2)必ず未決勾留日数が差し引かれる場合(法定通算)

法定通算では、上述した3種類の未決勾留日数が本刑に算入されます。たとえば上記①上訴(控訴・上告)提起期間中の未決勾留日数の場合、判決が言い渡された日から上訴提起期間が終了するまでの日数(通常は15日間)が本刑に算入されます。

3. 未決勾留日数の算入対象となる刑罰

刑法で定められている刑罰には死刑、懲役、禁錮、拘留、罰金、科料の6種類があります。刑期に算入できるのはこのうち懲役、禁錮、罰金、科料の4種類です(2025年以降には懲役と禁錮とが廃止され、拘禁刑に一本化されます)。

(1)懲役

懲役では、刑事施設に収容され、刑務作業が科せられます。有期懲役は1か月以上20年以下であり、刑罰が加重された場合には最長30年まで引き上げられます。無期懲役には刑期の定めはありません。

(2)禁錮

禁錮では、定められた期間、刑事施設に収容されます。懲役とは異なり、刑務作業は義務付けられていません(希望すれば、刑務作業を行うことは可能です)。有期の刑期は1か月以上20年以下、複数の刑が加重されると最長30年まで引き上げられます。無期の場合は刑期の定めがありません。

(3)罰金

罰金は、金銭を徴収される財産刑のひとつです。1万円以上の金銭の支払いが科せられます。未決勾留日数は、たとえば1日5000円などと換算された上で判決時に算入され、罰金額から減額されます。

(4)科料

科料も財産刑のひとつですが、金額が1000円以上1万円未満である点が罰金刑とは異なります。罰金と同様、判決で未決勾留1日分の金額が決められ、日数分の金額が差し引かれます。ただし科料では金額が少額のため、実際には算入はほとんど行われません。

4. 疑問がある場合は弁護士に相談しよう

刑事事件で刑事施設に未決勾留された場合、判決で言い渡される刑罰に未決勾留日数を算入できることがあります。算入された日数は、刑の期間や罰金(科料)の減額につながるため、非常に重要です。未決勾留日数が何日あるのか、算入される可能性があるのかなど、疑問がある場合には弁護士に相談することをおすすめします。

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