著作権を侵害した場合にどのような罰則があるかを解説

著作権を侵害した場合にどのような罰則があるかを解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

他人の著作物を無断で複製したり、インターネット上にアップロードしたりする行為は、著作権侵害に該当します。

著作権侵害に対しては、差止・損害賠償請求で対抗できるほか、厳格な刑事罰が科される可能性もあります。著作権侵害の被害者としては、刑事告訴・民事上の請求の両方を見据えて、臨機応変に対応できるように準備を整えておくことが大切です。

今回は、著作権の概要および著作権侵害に対する罰則について解説します。

1. 著作権は3種類

各権利の内容は?

著作権には「著作財産権」「著作者人格権」「著作隣接権」の3つがあります。

(1)著作財産権

「著作財産権」とは、著作物を独占的に利用し、かつ他人に利用を許諾できる権利をいいます。著作財産権のことを、単に「著作権」と呼ぶケースも多いです。

著作財産権は、著作権法に基づき、以下のように細分化されています。

①複製権(著作権法第21条)

著作物をコピーする権利(原則として私的利用目的の場合を除く)

②上演権・演奏権(同法第22条)

著作物を公の場で上演・演奏する権利

③上映権(同法第22条の2)

著作物を公の場で上映する権利

④公衆送信権等(同法第23条)

インターネットなどに著作物をアップロードするなど、公に向けて著作物を発信する権利

⑤口述権(同法第24条)

書籍や詩などを公の場で口述する権利

⑥展示権(同法第25条)

美術品や写真などの原著作物を、公の場で展示する権利

⑦頒布権(同法第26条)

複製した映画や動画などを、第三者に頒布する権利

⑧譲渡権(同法第26条の2)

著作物(映画の著作物を除く)の原版または複製物を販売する権利

⑨貸与権(同法第26条の3)

著作物(映画の著作物を除く)の原版または複製物をレンタルする権利

⑩翻訳権・翻案権等(同法第27条)

著作物の翻訳・編曲・変形・脚色・映画化などにより、著作物の原版に改変(翻案)を加える権利

これらの行為は、原則として著作権者が独占的に行うことができる(または第三者にライセンスを提供できる)ものですので、著作権者ではない他人が勝手に行うと違法になります。

(2)著作者人格権

著作者人格権は、著作者に一身専属する譲渡不可の権利で、以下の3つの内容によって構成されています。

①公表権(著作権法第18条)

未公表の著作物を社会に発表する権利

②氏名表示権(同法第19条)

著作物の原版を公表する際、実名・ペンネームまたは匿名のいずれを表示するかを決められる権利

③同一性保持権(同法第20条)

著作物およびそのタイトルについて、意に反する改変を受けない権利

特に「同一性保持権」の侵害は、著作財産権の一つである「翻案権」の侵害とセットになるケースも多いです。

(3)著作隣接権

著作隣接権は、著作物の流通において重要な役割を果たす事業者等について認められます。具体的には実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者に著作隣接権が与えられます。

各事業者に与えられる著作隣接権の内容は、以下のとおりです。

①実演家(著作権法第90条の2以下)

  • 氏名表示権
  • 同一性保持権
  • 録音権、録画権
  • 放送権、有線放送権
  • 送信可能化権
  • 譲渡権
  • 貸与権等

②レコード制作者(同法第96条以下)

  • 複製権
  • 送信可能化権
  • 譲渡権
  • 貸与権等

③放送事業者(同法第98条以下)

  • 複製権
  • 再放送権、有線放送権
  • 送信可能化権
  • テレビジョン放送の伝達権

④有線放送事業者(同法第100条の2以下)

  • 複製権
  • 再放送権、再有線放送権
  • 送信可能化権
  • 有線テレビジョン放送の伝達権

2. 著作権法に違反した場合の罰則は?

著作権法に違反した場合に科される可能性がある罰則の内容は、行為類型ごとに以下のとおりです。

(1)著作権・出版権・著作隣接権の侵害

10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または併科(著作権法第119条第1項)

(2)著作者人格権の侵害、著作権・出版権・著作隣接権のみなし侵害など

5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または併科(同条第2項)

(3)有償コンテンツの違法ダウンロード

2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、または併科(同条第3項)

(4)著作者死亡後の人格的利益の侵害

500万円以下の罰金(同法第120条)

(5)技術的保護手段(コピーガード)の回避など

3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科(同法第120条の2)

(6)著作者名の詐称

1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または併科(同法第121条)

(7)外国原盤の商業用レコードの無断複製

1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または併科(同法第121条の2)

(8)出所の明示義務違反

50万円以下の罰金(同法第122条)

(9)秘密保持命令違反

5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または併科(同法第122条の2)

なお、著作権・出版権・著作隣接権・著作者人格権の侵害等については、法人にも両罰規定が設けられています(同法第124条第1項)。法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が、法人の業務に関して著作権の侵害者となった場合、法人に最大3億円の罰金が科される可能性があります。

もし従業員の不祥事によって著作権侵害等が発生してしまった場合には、刑事・民事の法的手続きに備えた準備を早めに整えることが大切です。反対に、自社の著作権を他社によって侵害されていることが分かった場合、刑事告訴や差止・損害賠償請求の準備を至急進めましょう。

他社との間で著作権侵害のトラブルが発生した場合は、速やかに弁護士までご相談ください。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年05月03日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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